絹の靴下の作品情報・感想・評価

「絹の靴下」に投稿された感想・評価

aqui

aquiの感想・評価

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黒タイツから絹のストッキングに履き替えるシーンが好き。
アステアはジンジャーとのコンビもいいんだけどシドとだとダイナミックでまた最高。
パリに派遣されてるロシア役人?の3バカトリオがうける。
どこかで見たことあるこのタッチ、そう、歴史の教科書なんかでよく見たカリカチュア。映画の本筋も、エルンスト・ルビッチの名作「ニノチカ」をリメイクとしたラブコメミュージカルとは謳いつつ、紛れもなく冷戦下におけるソビエト風刺のプロパガンダ的要素をほんのり孕んでいるような作品。
「絹の靴下」というタイトルも、ヒロインであるニノチカが、地味で野暮ったい黒のストッキング(=社会主義国への忠誠心)を脱ぎ捨て、絹の美しいストッキング(=資本主義への傾倒と自由・娯楽への憧れ)に履き替えるという暗喩を含み、オリジナル版のシンプルなタイトルよりも、たいへん面白いかと。

舞台は花の都・パリ。パリに滞在する音楽家を帰国させたいソビエトは特派員を派遣するが、彼に仕事を頼みたい映画業界のアメリカ人スティーブンは彼らをやり込めボロフの帰国を遅らせる。更なるやり手の特派員として派遣されてきたのが、自国に忠誠を誓う美女ニノチカであった。

オリジナル版とちがうのは、ニノチカとスティーブンはお互いの身分を知った上で恋に落ちていくということ。ミュージカルらしく、彼らは踊ってキスをするだけで、国を飛び越えた恋愛にはまっていく。
シリアスにすればいくらでもシリアスに持っていくことができるプロットだが、リアリティを排除した明るく楽しいミュージカルで見ていてほっとできる作品。
確か同じ年、マレーネ・ディートリッヒも恐ろしく美しい脚線美を披露してますが、このシド・チャリシーの美脚も必見です。

作品の華であるチャリシーの美しさ。いくつかの作品でアステアやケリーの相手役を演じたミュージカル女優ですが、彼女のダンスシーンはやっぱりプロフェッショナルで素敵。

なんといってもタイトルの通り、「絹の靴下」に履き替えていくニノチカのソロシーン。部屋のいろんなところからドレスアップのアイテムを取り出すところが楽しいし、ストリップさながら、チャリシーが豪華な部屋で自由に伸び伸びと踊るのがとても美しい。ここは間違いなく、この映画のハイライト。
スタジオセットで陽気に踊るふたりもいいし、ソビエトに帰国してからのニノチカの家(シェルター?)での群舞シーンも素晴らしい。そこでのチャリシーのソロダンスも圧巻。

チャリシー自身、「ジーグフェルト・フォリーズ」などでは群舞の中のセンター程度で、「雨に唄えば」でもケリーの相手を務めながら役名はなかったし、こういうところから出てきたのを振り返ると、ダンサーたちのなかに未来のスターが隠れていたりするのかなとおもってワクワクしてしまう。

フレッド・アステアは言わずもがな魅力的ですが、この時すでに還暦目前。全盛期のキレッキレ感はさすがになく、それでも彼のダンスは品がよく楽しくて、サービス精神旺盛な彼だからこそ、新しい流れのミュージカルダンスにたゆまぬ挑戦心を抱いているように思う。
コール・ポーターの先鋭的なミュージカルナンバーは今聴いてもいろんな意味で笑えるが(ハリウッド風刺を歌った♪stereophonicは傑作)、ラストの「♪the ritz roll and rock」は、新しさを追求するあまり逆にどこか古臭さを感じてしまって好きになれない。それでも、待ってました!なアステアの燕尾服、いつものごとく小道具をふんだんに使ったエンターテイナーなダンスはとても好き。

そしてこの映画、なにがいちばん魅力的かって、個人的にはピーター・ローレの存在にほかならない。

こういう娯楽作品は、「三人のおっさん」が揃うととにかく笑える。いつの時代もそうではないですかね。
わかりやすい例でいえば、「踊る大捜査線」のスリーアミーゴス、「木更津キャッツアイ」のthe三名様もそうだし、小津作品では「秋刀魚の味」や「秋日和」の道楽中年三人組が笑わせてくれるし、わりと最近のものだと「最高の花婿」の兄婿三人衆や「ロブスター」のシュールな凸凹トリオもその例に倣う。

そして「絹の靴下」では、ソビエトからの特派員三人衆がコメディリリーフで、中でも秀でて面白いのが、この彼ピーター・ローレ。
「カサブランカ」「マルタの鷹」「毒薬と老嬢」どの作品も端役ながら圧倒的存在感を放ってきたローレですが、まさかミュージカルに登場してこんなにキュートに演じてくれるとは思わなかった!おじさんになって、若い頃とはまた違った魅力。

三人衆のなかで、群を抜いて小人な時点で絵になるし100点あげたいところなんですが、序盤、映画最初のキャストみんなが入り乱れるダンスナンバー、踊れないローレが、テーブルと椅子の背もたれに肘を引っ掛けてひとりひたすらコサックダンスをしているんだよね、ここ、最高です。
ハゲ散らかした髪を振り乱してキスマークつけてホテルに戻ってくる画だけで可愛いし、ニノチカの家で軍人が行き来するときについヘマをやってしまうローレも可愛い。

古い映画もミュージカルも興味なくていいけど、この可愛すぎるピーター・ローレをぜひ1度観ていただきたい。
みんな大好きピーター・ローレ。元祖かわいいおっさん。
のん

のんの感想・評価

4.0

「ニノチカ」のミュージカル化作品の映画化。

ニノチカ(シド・チャリシー)が、ホテルの部屋で、資本主義的な“絹の靴下”を身につけ軽やかにかつ戸惑いながらドレス姿に変わるダンスシーン素敵。
アステアはいつ見ても素敵。

ニノチカも好きだしこのミュージカルも好き。
miku

mikuの感想・評価

3.5
大昔のソビエトをアメリカの目線から見たような映画。ソ連のがちがちの社会主義の女性がパリに来てアメリカ人と恋に落ちるわけだけどこの頃のフレッドアステアに対して恋に落ちる訴求性がよくわからず・・しかし50代後半でこれだけの動きができるアステアはやっぱり天才だった。アステアとシドチャリシーのダンスシーンが充実してるのも良くって、特にチャリシーが黒のタイツを脱いでシルクのストッキングに履きかえてくるくる踊り出すシーンが本当に本当に美しかった。名曲もたくさんでStereophonic soundが頭から離れなくってたのしい。
再見。前回観たときより遥かに楽しめた。シド・チャリシーが黒いタイツを脱いでストッキングを履くシーンから伝わる開放感が半端じゃない。どの曲も大好きなんだけど、All Of Youはやっぱり至高だなと。元ネタのルビッチの映画もいい加減観ないとね笑。
LEON

LEONの感想・評価

3.4
1939に製作された「ニノチカ」のリメイク版。

旧ソ連の共産主義を皮肉ったミュージカル映画で、ソ連からパリに派遣された男3人がなかなか帰って来ないので、シド・チャリース(日本ではなぜかシド・チャリシーと間違った呼び方をされ続けている)演じるバリバリ共産主義の女上司が様子を見に行ってみたらアメリカ人の男と恋に落ち、すっかりパリの魅力にハマってしまうというストーリー。

アステアのタップダンス、以前の作品とはスタイルが違うとは言え相変わらず圧巻でした!彼はとにかく小道具使いが上手いですね!

映画タイトルの「シルクストッキング」は資本主義の産物を指しています。
temmacho

temmachoの感想・評価

3.8
パリの享楽に感化された不甲斐ない3人の同士達を正しにやって来たのは、ソ連共産党模範党員・鉄の女…
って【ニノチカ】じゃん!

ルビッチの【ニノチカ】をミュージカルリメイクした作品。

ニノチカ役は《グレタ・ガルボ》から《シド・チャリシー》へ。
お相手は還暦直前の《フレッド・アステア》

《シド・チャリシー》の素晴らしいダンスが光ります。
特に生着替えダンスシーンが素敵。
でも《フレッド・アステア》の動きはイマイチ。
年齢的にしょうがないかな。

永き映画界に君臨したMGMミュージカルの最後のヒット作。
ネムル

ネムルの感想・評価

3.5
ルビッチ『ニノチカ』のリメイク。
ミュージカル仕立ての多幸感もあってか、こちらのが好き。ただし、ギャグのキレはルビッチのが上。

ろくに踊れるとは思えないのだが、というかリズムがずれてるのだが、ピーター・ローレが椅子に座ってコサックダンスするだけで、一番目立ってしまっているのは卑怯w
『ニノチカ』のリメイク!ギャグなどは大体同じだけども、キャストの魅力とミュージカルがある分、こちらの方が好きです。しかし、ロシア出身のマムーリアンが、ロシアを茶化したような映画撮るなんてねー。

つーか、まさかピーター・ローレとフレッド・アステアが共演してる映画があるなんて夢にも思わなかった。あんまり踊れないローレが、椅子を両脇に挟んで、宙に浮いてコサックダンスするシーンが妙に可愛い。

シド・チャリシーが、本国へのレポートをカタカタとマシンガンのようにタイプするのだが、アステアと踊ったあと、タイプを叩くリズムが音楽のようになるところで泣いた。美しかった。
白眉はモスクワでのレッド・ブルースのシーン、ここでも、シド・チャリシーのダンスで泣いた。
rico

ricoの感想・評価

3.5
ルビッチ「ニノチカ」のリメイク。
ガルボをシド・チャリシーというのはハマリ役だが、真面目なロシア役人なのでメイクも衣装も地味なのが残念。エスター・ウィリアムを彷彿とさせる(とばっちり、、)ジャニス・ペイジが、歌要因だったのだろうが、踊れないのかダンスが微妙で、前半アステアがひきたたない。彼女のダンス全部削ればよかったのに。アステアにチャリシーが惚れるような訴求力が感じられず。

とはいえ、シド・チャリシーの踊るシーンらどれも素晴らしいし、赤のブルースも良かった。「stereophonicsound」もとてもいいナンバー。
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