絹の靴下の作品情報・感想・評価

「絹の靴下」に投稿された感想・評価

あやな

あやなの感想・評価

3.7
作品として、というよりアステア&チャリシー作品としてはかなり好き!特に「silk stockings」のチャリシーのソロダンスとか、見るべきポイントは多くあると思う。ポーターの音楽も最高ではないにしても面白い曲も多いし。
kyon

kyonの感想・評価

4.0
ロシアの3人組見た瞬間『ニノチカ』を思い出して、よくよく観てみると、なんと『ニノチカ』のブロードウェイ版の映画化!(ややこしい)

ルビッチの『ニノチカ』が好きでたまらないんだけど、ルビッチ版はグレタ・ガルボ演じる全く笑わないロシアの特使ニノチカがいつ笑うのか、という演出が優れていて、酒場のシーンまで本当に笑わない。笑
だから作品宣伝に”ガルボが笑った!”なんて見出しがついていたわけで。

こちらに比べると、ブロードウェイ版はアステアたちのミュージカルがやっぱり見せ場。予算もかなりかけたみたいで、物語ありきってよりはアステアたち役者ありき。

だからこっちのニノチカは最初から微笑んだりもあるから、ガルボより心理的にわかりやすい女性として仕上がっている。

1950年代後半の作品で、面白かったのは作品における、自己批評的なミュージカルシーン。
それは「(今の)映画はシネマスコープでカラーなのだ」と冒頭で歌い踊るんだけれど、アステアも往年のスターの貫禄を見せていて、ギリギリ、スター・システムを感じることが出来る。

あとはやっぱりニノチカがアステアのためにおめかしをするシーン。いわゆる社会主義的な思想から資本主義的な思想に移り変わる皮肉にもなるんだけど、本当に惚れ惚れする。

ルビッチ版では帽子がキーアイテムだけれど、こちらはタイトル通りシルクのストッキングや下着といった女性特有のアイテム。

まだヘイズ・コード下だったから、このシーンをめぐってやっぱり揉めたみたいだけど、結果的に1番肌が露出するシーンは椅子やカーテンで対策することになったとか。

衣装がね、本当に素敵なの!
ヘレン・ローズはイーディス・ベッドと並ぶ50年代を先導した衣装デザイナーなんだけど、ローズの場合ビロードやシフォン、チュール、とか柔らかい素材を使わせると一級品になる印象。

役に合わせてバランスの取り方が上手い。

セクシー女優には派手で煌びやかなドレスやガウンを着せて、対照的にニノチカにはシンプルなグレートーンのスーツやワンピースを。

ミュージカルシーンがあるから伸縮性を考慮したデザインなのも重要。
アステアと最初に仲を深めるシーンのニットワンピース、前から見るとシンプルなワントーンなワンピースなんだけど、後ろのスカート部分を見るとボタンがスリットと共に配置されてて、飾り的なデザインかと思いきや、そのワンピースでダンスするから、足を動かす上でのスリットという意味でもすごく配慮されてる。

横で流し見してた家族が「衣装いいね〜」って言うくらいだから、やっぱり衣装は映画の視覚的言語の一部として機能してるよね。
フレッドアステアとシドチャリシーのダンスが最高。シドチャリシーが踊りながら着替えるとこが好き。
名匠エルンスト・ルビッチによる『ニノチカ』の舞台版ミュージカルのリメイク。フレッド・アステアとシド・チャリシーという映画史が誇る大スターコンビを主演に迎え、黄金時代の終焉に近づいていた後期MGMミュージカルの中でも記録的なヒットをした作品。

旧ソ連から演奏会の為にパリへ派遣されてきた作曲家のボロフは、アメリカの映画プロデューサー、キャンフィールドにハリウッド作品の仕事を依頼される。いつしかパリの居心地の良さに浸り、元の目的を忘れ始めているボロフを呼び戻すため、共産党員が3人派遣されるが、彼らもパリの情緒にうつつを抜かす始末。そんな状況を調査するべく、スーパー共産党員の美女ニノチカが送り込まれることに...。

マンネリ化打破のため、この辺りから『パリの恋人』『ウエスト・サイド物語』など、革新的なファッションや撮影技法を取り入れたミュージカルが増えて来ますが、本作もその風潮が強く感じられる傑作。
シネマスコープの大画面で撮られた映像も美しいし、コール・ポーターによる楽曲も秀逸なものばかり!名曲のオンパレードに合わせて、アステアとシドが歌い踊るとはなんて豪華なんでしょう!
'Red Blues'や'The Ritz Roll And Rock'など、ソ連の要素が少し入っていたり、当時世間を席巻し始めていたロックンロールの要素が入っていたりと、他のミュージカル作品にはない独自の部分がたくさん見受けられるのもかなり貴重。監督はソ連の血が混じった方があえて務めたそうです。シド始め、ロシア語訛りをみんな特訓したそうで歌と踊り以外の部分でもかなりの負担があったんだろうなと、キャストの役者魂に脱帽です...!ニノチカ役はオリジナルではあのグレタ・ガルボが演じた当たり役ですが、シド・チャリシーもあのクールな表情がぴったりでまだ良かったです。本当に500万ドルの保険がかけられたというあの美脚はいつ見てもため息が出ちゃうほど綺麗。
あの個性派俳優のピーター・ローレのミュージカルシーンが観られるのも貴重!(笑)

楽しいミュージカルとしてのみならず、野暮ったい黒い靴下から資本主義文化の象徴である美しく豪華な絹のストッキングに履き替えるという意のタイトルにも込められているように、お堅いニノチカがだんだん資本主義文化に染まっていくというあらすじは、当時の共産主義への痛烈な風刺でもあるのが興味深かったです。

原作が良いのも大きな理由ですが、振付家、監督、作曲家、キャスト全てがとにかくプロフェッショナル揃いの豪華すぎるメンバーなので、最後までウキウキ楽しめました。ミュージカル好きは必見の名作です。
hepcat

hepcatの感想・評価

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やっと観れた〜〜

舞台はパリ
ロシア生まれロシア育ち真面目な奴は大体友達のシドチャリシーは一個も道を踏み外さず生きてきた

パリに行った同志達はみんな何かと理由つけて帰ってこなかった

パリに派遣されたチャリシーは私は大丈夫よと振りを振っておいて、結局はパリを楽しんじゃう、新喜劇系の映画

ロシアだけあってバレエがダンスで多く出てくる!
今まで観てきたミュージカル映画の中で1番ダンスうまいきがする( ^∀^)
かっこよくすぎる!!

冒頭のアステアの絶妙なバランスのパンツから見える淡いピンクのソックスも凄くおしゃれ
今まで観てきた映画衣装の中でこの映画のパンツが1番綺麗にできてる!
mmm

mmmの感想・評価

3.8
シネスコ、立体音響を皮肉ったアステアとペイジュの「Stereophonic Sound」、アステアとチャリシーが交互に歌う「All of You」、アステアの独壇場「The Ritz Roll and Rock」。
どれも素晴らしいが、1番の見所は生着替えが美しい「Silk Stockings」だろう。とにかく脚を強調した踊りに魅了されっぱなしだった。検閲を食らったのも頷ける。

締めに「Too Bad」を持ってくるのは意外だった。
事実上最後のフレッド・アステアによるミュージカル映画。
最後のRitz Roll and Rockは60歳間近のフレッド・アステアによる渾身のダンスだが、時代の変わり目を感じさせられる
LaserCats

LaserCatsの感想・評価

3.7
子供の頃に観たミュージカルのひとつ。
シド・チャリシーは役によって全く印象が変わるのですごいなぁ。素敵でした。
aqui

aquiの感想・評価

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黒タイツから絹のストッキングに履き替えるシーンが好き。
アステアはジンジャーとのコンビもいいんだけどシドとだとダイナミックでまた最高。
パリに派遣されてるロシア役人?の3バカトリオがうける。
どこかで見たことあるこのタッチ、そう、歴史の教科書なんかでよく見たカリカチュア。映画の本筋も、エルンスト・ルビッチの名作「ニノチカ」をリメイクとしたラブコメミュージカルとは謳いつつ、紛れもなく冷戦下におけるソビエト風刺のプロパガンダ的要素をほんのり孕んでいるような作品。
「絹の靴下」というタイトルも、ヒロインであるニノチカが、地味で野暮ったい黒のストッキング(=社会主義国への忠誠心)を脱ぎ捨て、絹の美しいストッキング(=資本主義への傾倒と自由・娯楽への憧れ)に履き替えるという暗喩を含み、オリジナル版のシンプルなタイトルよりも、たいへん面白いかと。

舞台は花の都・パリ。パリに滞在する音楽家を帰国させたいソビエトは特派員を派遣するが、彼に仕事を頼みたい映画業界のアメリカ人スティーブンは彼らをやり込めボロフの帰国を遅らせる。更なるやり手の特派員として派遣されてきたのが、自国に忠誠を誓う美女ニノチカであった。

オリジナル版とちがうのは、ニノチカとスティーブンはお互いの身分を知った上で恋に落ちていくということ。ミュージカルらしく、彼らは踊ってキスをするだけで、国を飛び越えた恋愛にはまっていく。
シリアスにすればいくらでもシリアスに持っていくことができるプロットだが、リアリティを排除した明るく楽しいミュージカルで見ていてほっとできる作品。
確か同じ年、マレーネ・ディートリッヒも恐ろしく美しい脚線美を披露してますが、このシド・チャリシーの美脚も必見です。

作品の華であるチャリシーの美しさ。いくつかの作品でアステアやケリーの相手役を演じたミュージカル女優ですが、彼女のダンスシーンはやっぱりプロフェッショナルで素敵。

なんといってもタイトルの通り、「絹の靴下」に履き替えていくニノチカのソロシーン。部屋のいろんなところからドレスアップのアイテムを取り出すところが楽しいし、ストリップさながら、チャリシーが豪華な部屋で自由に伸び伸びと踊るのがとても美しい。ここは間違いなく、この映画のハイライト。
スタジオセットで陽気に踊るふたりもいいし、ソビエトに帰国してからのニノチカの家(シェルター?)での群舞シーンも素晴らしい。そこでのチャリシーのソロダンスも圧巻。

チャリシー自身、「ジーグフェルト・フォリーズ」などでは群舞の中のセンター程度で、「雨に唄えば」でもケリーの相手を務めながら役名はなかったし、こういうところから出てきたのを振り返ると、ダンサーたちのなかに未来のスターが隠れていたりするのかなとおもってワクワクしてしまう。

フレッド・アステアは言わずもがな魅力的ですが、この時すでに還暦目前。全盛期のキレッキレ感はさすがになく、それでも彼のダンスは品がよく楽しくて、サービス精神旺盛な彼だからこそ、新しい流れのミュージカルダンスにたゆまぬ挑戦心を抱いているように思う。
コール・ポーターの先鋭的なミュージカルナンバーは今聴いてもいろんな意味で笑えるが(ハリウッド風刺を歌った♪stereophonicは傑作)、ラストの「♪the ritz roll and rock」は、新しさを追求するあまり逆にどこか古臭さを感じてしまって好きになれない。それでも、待ってました!なアステアの燕尾服、いつものごとく小道具をふんだんに使ったエンターテイナーなダンスはとても好き。

そしてこの映画、なにがいちばん魅力的かって、個人的にはピーター・ローレの存在にほかならない。

こういう娯楽作品は、「三人のおっさん」が揃うととにかく笑える。いつの時代もそうではないですかね。
わかりやすい例でいえば、「踊る大捜査線」のスリーアミーゴス、「木更津キャッツアイ」のthe三名様もそうだし、小津作品では「秋刀魚の味」や「秋日和」の道楽中年三人組が笑わせてくれるし、わりと最近のものだと「最高の花婿」の兄婿三人衆や「ロブスター」のシュールな凸凹トリオもその例に倣う。

そして「絹の靴下」では、ソビエトからの特派員三人衆がコメディリリーフで、中でも秀でて面白いのが、この彼ピーター・ローレ。
「カサブランカ」「マルタの鷹」「毒薬と老嬢」どの作品も端役ながら圧倒的存在感を放ってきたローレですが、まさかミュージカルに登場してこんなにキュートに演じてくれるとは思わなかった!おじさんになって、若い頃とはまた違った魅力。

三人衆のなかで、群を抜いて小人な時点で絵になるし100点あげたいところなんですが、序盤、映画最初のキャストみんなが入り乱れるダンスナンバー、踊れないローレが、テーブルと椅子の背もたれに肘を引っ掛けてひとりひたすらコサックダンスをしているんだよね、ここ、最高です。
ハゲ散らかした髪を振り乱してキスマークつけてホテルに戻ってくる画だけで可愛いし、ニノチカの家で軍人が行き来するときについヘマをやってしまうローレも可愛い。

古い映画もミュージカルも興味なくていいけど、この可愛すぎるピーター・ローレをぜひ1度観ていただきたい。
みんな大好きピーター・ローレ。元祖かわいいおっさん。
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