出てくる人物みんなエゴに溢れている。戦後の日本社会、充満する貧困。生活も心も貧しくなり卑しくなり信頼なんて持つことができない。
母親からしたら、貧しいながらも一生懸命働いて稼いで子供の夢を叶えよう…
木下恵介監督にしては珍しい、
徹底したリアリズムで、感傷の余地を与えない厳しい作品。
女手1つで育てた母親の苦労に対し、
子供はあまりに冷たい。
戦後の混乱期で、なりふり構わずお金を工面…
終戦後の混乱期、貧しさ故に随分と多くの人たちがまっとうに生きることを放棄し、汚い仕事にも手を出して生計を立てていたのだろう。
春子は戦争で夫を亡くし何とか女手ひとつで子供二人を食べさせようと、闇市の…
【戦後=FAKE 】
戦争未亡人モノとしてはアンリ・コルピの『かくも長き不在』やカヴァレロヴィチの『戦争の真の終わり』などを彷彿とさせる重苦しいドラマ。幸薄い母親を演じた主演の望月優子が素晴らしい…
戦後日本の歪みを写すようないくつかの映像が流れる。
熱海の旅館。若い芸人が歌わせてくださいと売り込み、宴会の席で一曲歌う許可を得る。
旅館の女中(春子)は娘(歌子)の結婚相手を探している。春子の息子…
ラストの湯河原駅での鉄道への飛び込み自殺まで含めて、冷徹なリアリズムに徹底した傑作。今の時代にも繋がる母親と子供達のすれ違う心情とそれによってもたらされる悲劇、それは同時に敗戦国日本から復興を遂げて…
>>続きを読む「先生、お腹が減るから仕方がなくお米を買う人とお米を売って商売する人とは違います」
初っ端から佐田啓二の歌声聞こえてきて佐田啓二また歌ってるがな…なんだけど本当に良い声しとるな!佐田啓二の役は艷歌…
戦後の日本は政治もそこに住むひとも腐っているみたいなことがテーマらしいんだけど、そんなことどうでもいいくらいにドラマが面白い。
間借り問題を含む住宅難、遅配欠配を含む食糧難、あたりはおなじみのトピッ…