現実を撮影する時に映る現在は編集という作業により過去化されるわけだが、とりわけブレッソンによる現実はその過去化された現在よりも遅延し、しかしあたかも最初からそうであった現実のように単にあるだけだと、…
>>続きを読む社会性と人間性の間の余白が見える。環境破壊や消費社会への批判から「外部の崩壊」と若い青年シャルルの内的苦悩が描かれていた。シャルルの死に至る過程は、ただの個人的な悲劇ではなく、当時のフランス社会や高…
>>続きを読む"痛み"が可視化される映像には感嘆するばかり。人だけでなく、空ショットも意味性を持ちすぎているほどで、この尺ながら圧倒的な強度で一人の青年を追う。
より根源的な感覚での痛みや苦しみは本来分かり得ない…
若者の内面と社会の崩壊を重ね合わせた終末論的叙情の極北。
シャルルという青年が、政治や宗教への幻滅と、環境破壊への無力感のなかで深く沈んでいく。彼が思考するほどに社会との断絶感が増し、最後にはあっけ…
水面の波紋から発砲に繋ぎ、ラストも被弾を見せずに終わる、アクションの起点/決定的瞬間を切除する編集の鋭さが増していると思う。
モンタージュによる断絶感はリアクションと分断された『スリ』『バルタザール…
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