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『山椒大夫』は、1954年に公開された溝口健二監督の代表作の一つです。森鴎外の同名小説を原作とし、中世日本の戦乱期を舞台に、人買いに売られた姉弟の過酷な運命と、母と子の再会を求める旅路を描いています…
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絵画のように美しい。
ススキの波、ラストの海と山と働く人のシーン、安寿の入水のシーンなどが特に美しい。
台詞が聞き取りにくくて集中力が欠けてしまったのが悔やまれる。
音も最小限のせいか緊張感が増す…
平安時代の末期、父を訪ねる旅の道中、人買いの手によって丹後の山椒大夫に奴隷として売られた厨子王と安寿の悲劇的な運命を描く。
「人は慈悲の心を失っては人ではないぞ。己を責めても人には情けをかけよ。人…
録画視聴
NHK BSP4K
小さい頃読んだ「安寿と厨子王」の絵本だったか童話だったかの悲しい話な記憶が、何故か今でもずっと頭の中に残っている。安寿の入水シーンは美しくも辛い。復権した厨子王の政治…
一家離散と”奴婢“⁉︎という、我々にはパンクじみたテーマ。消滅した日本独自の神聖さもフィルム全体に染み渡っていて、良い。
鴎外版(原典)にあった地蔵の治癒能力も排したのは英断。あのぬるい救済が入って…
慈悲の心。自分を犠牲にしてでも情けをかける男の人生に救いはあるのか。妹もある意味教えを守った。
話がなかなかしんどかったが、落ち着いており奥行きのある映像で見ていられた。ディゾルブ。水面に立つ波。
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