熱狂はエル・パオに達すの作品情報・感想・評価

熱狂はエル・パオに達す1959年製作の映画)

LA FIEVRE MONTE A EL PAO

製作国:

上映時間:106分

ジャンル:

3.3

「熱狂はエル・パオに達す」に投稿された感想・評価

Mitsunoir

Mitsunoirの感想・評価

3.5
ブニュエル的な期待していたものが全くと言っていいほどなかった。
人との関係とはengageすることで、つまりあるベクトルを持つことで、違う方向に動こうとした時に引っかかるって感じかな。理想と現実の間はカオスだなぁ、以上で。。。。
ベネズエラが舞台なのにフランス語?とかタイトルから想像したのに比べて大人しめだなとかジェラール・フィリップが全然魅力的に見えないなとかヌーヴェルヴァーグが台頭した年の作品にしては前時代的だなとか、ネガティヴな要素が冒頭から目立ってそこから挽回できずあまり楽しめなかった

同じ年のブニュエル作品ならナサリンの方が断然良かったな
pika

pikaの感想・評価

3.5
見ながら何度もブニュエル作品なんだと思い返しても忘れてしまうくらいジェラール・フィリップのスター感が強烈、であるのにそこまで魅力的じゃない。
画質が最悪でイケメンがボヤけているせいか、遺作だから体調不良のせいか、ずっと「モンパルナスの灯」の死ぬ寸前なモディリアーニみたいな虚さ。

クライマックスで、脚本が練られていてそれにシッカリと順じた演出であると気付かされるが、鮮やか!と言うよりそれくらいないと物足りないだろうと思ってしまう。
ブニュエル作品と言うより極一般的なフランス映画という印象が強く、政治に於ける理想と現在に揺れる男の恋愛の絡んだ人生観というテーマは面白い。
エル・パソ?(((*≧艸≦)ププッ。
マ

マの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

人間関係や書類上の契約といった社会的な制約がどんどんうざったくなってくるのが面白かった。序盤は不倫相手との関係を続けるのが目的だったのに、それが足かせになっちゃう感じとか。囚人と比較して語られるとその皮肉な視点がより浮き彫りになるし、鎖で繋がれた政治犯を解放して、それを命じた本人は指令を無視したとして死刑になるのを、「それは彼の死と自由を意味した」と締めくくるラストは上手いなあと思った。この映画ではもはや、社会的なルールと鎖が同等の物として描かれてる。(車で逃げ出そうとした女もそれ自体を罰せられたというより上からの指令を待てなかったという理由で死んでしまう)
あとはストッキングを脱がさせないようにするシーンも面白かった。どんだけ足好きなんだ。
梅田

梅田の感想・評価

3.0
署名をするかしないかが行く道を決めていて、肝心なことは肉眼で見ていない、という細かい演出が上手かった(闘牛を見物しているのに、闘牛士が牛を捌き切れなかった瞬間だけ視線を外している)。
ただあまり面白くはなかった。ブニュエルっぽさは薄いかも。
jnk

jnkの感想・評価

4.0
あんまブニュエルっぽくない政治劇と昼ドラ的なラブストーリーって言っちゃうととんがったとこなくてつまんなく思えるけど、甘くてありがちな話がブニュエルらしいエンディングの余韻に集約されるのはそれはまた味わい深いもので。
サスペンスとしてもだれないしラストの突き放しっぷりはかなり好き。
P後輩

P後輩の感想・評価

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撮影はガブリエル・フィゲロアで音楽はミズラキ、監督はブニュエル、出演はジェラール・フィリップという布陣なのにイマイチ面白くない。
フィリップとのキスシーンでマリア・フェリックスが微笑みながらするのだが、あれはいい。

観ていて気付いたことは、ブニュエルの映画ってよく、年の差カップルという設定からドラマが動くってことと、ジェラール・フィリップって榎本孝明にどこか似ているということ。
そして両者ともわたしの好きなタイプでは、ない。
エディ

エディの感想・評価

2.5
シュールレアリズム監督のルイス・ブニュエルによる架空の小国の独裁政権者仕える主人公が、独裁からの解放という理想と恋愛の狭間で悩む物語。昔観たときに何を言わんとしているのかさっぱり判らなかったが、改めて観ても判ったのはこれは駄作だということ。
舞台は大西洋上の小島で、その島はバルガス提督が統治をしていたが、提督が暗殺された事で、提督妻と不倫関係にあった大佐友人のグアルが後任になる。グアルは元提督妻を手に入れるため、元提督秘書官で妻が好意を寄せていた秘書官である主人公バスケスを陥れようと、秘書官から保安長官に昇進させる一方で、陥れる罠を用意した。そんな中で、グアル政権下で過酷な扱いになった囚人たちが不満の狼煙を上げる。。。

恐らく映画の言わんとしていることは、主人公バスケスが独裁政権による圧政ではなく理想の国家作りをしようという意気込みの一方で、独裁政権トップの座にいた提督の妻への愛との間で揺れ動く苦悩だと思う。それを小国の首都エルパオに進軍する暴徒化した囚人集団と掛け合わせてのタイトルだろう。
しかし、脚本がしょぼいせいか、ミスキャスティングかわからないけど、肝心の主人公バスケスがそこまで苦悩しているように感じないのだ。バスケスを演じているジェラールフィリップは、アランドロンと並ぶフランスを代表する美男俳優で、どちらかというとど真ん中の恋愛映画への出演が多い。そんな彼を起用しているので、バスケスは女性から見て魅力的な男には見えるが、政治の駆け引きの中で生き抜けるような面の皮の厚さを持ち合わせているように見えないし、恋愛と理想の間に苦悩しているようにも見えない。ジェラールフィリップが妖艶な妻やグアルなどの脇役に完全に負けてしまっているのだ。なので、ロマンスも政治的駆け引きも全てが中途半端。
最初観たときは、ルイス・ブニュエルの作品だからきっと深い意味があるのだろうと思っていたが、改めて観ても判らないので、キャスティング、脚本の何れも失敗した駄作だと感じた。
ジェラール・フィリップはこの映画の撮影中に体調を崩したので、この作品が遺作になってしまったが、ジェラール・フィリップのファン以外観る価値は無いかもしれない。