闇の曲り角の作品情報・感想・評価

「闇の曲り角」に投稿された感想・評価

NYの町にまだ高架鉄道が走っていた頃が舞台。友人から濡れ衣を着せられ刑務所に入った男ブラッドが、出所後に心機一転探偵となる。そんな彼が美人秘書とコンビで自分に張られた罠を暴くために真相を追うストーリー。

熱血漢の割に脇が甘く罠にハマりやすい探偵役に『情無用の街』(1948、ウィリアム・キーリー監督)でFBI捜査官を演じるM・スティーブンス。母性本能に溢れる優秀な秘書役のL・ボールはこの後、テレビの「アイ・ラブ・ルーシー」のコメディアンヌぶりで有名になるが、この映画はその製作前で日本では残念ながら未公開だったそう。

脇役にあの『ローラ殺人事件』の初老コラムニストのクリフトン・ウェッブ、鍵を握る怪しい男にウィリアム・ベンディックスと地味ながら役者も揃い、美人の三角関係を巡った殺人事件にうまく伏線が張られたフィルム・ノワールでした。
めちゃカッコいいが構成変えたらもっと盛り上がったのでは?と思った。
ネット

ネットの感想・評価

3.5
かなり典型的は探偵ノワール。こういうのを見たかったんだよ!ファムファタールはいないけど、女性秘書という相棒がいい。
途中の殴り合いがかなり暴力的で最高だった。地味な調査パートもあるが、妙なリアリティがある。

このおじさん知ってる。「ローラ殺人事件」でも若い女の子にベタ惚れして痛い目に遭ってた。
私立探偵が殺人事件に巻き込まれる典型的なフィルム・ノワール。ちょいと影のあるハードボイルド探偵が、妻を寝とられた美術商の陰謀に巻き込まれるが、純粋でタフな美人秘書に支えられて窮地を脱出しようとする。ヒロインが色っぽく、生き生きとした理想的なキャラクター。探偵はクラーク・ケント風のイケメンだが、ハードボイルドになりきれず、割りとダメンズなので、他にもう少しいい男がいそうなもんだよなーと思う。美術商の若妻も、コケティッシュな魅力があっていい。市街地でのカーチェイスがあったり、粋な映像演出が時折見られ、ノワールの中でもちょっと上質な感触になっている。
2018.4.22 DVD(字幕)
大介

大介の感想・評価

3.3
もっと単純なのかと勝手に思ってたんですが、思ってたよりひねってあって楽しめた。

ハードボイルドっぽいサスペンスって感じかな。

いくつか少しチープな描写があるのは、まぁ仕方ない。


主役のマーク・スティーヴンス、全然知らない俳優さんなんですが、なかなかよかったと思います。でもクレジットは4番目(汗)。

ルシル・ボールが一番上にクレジットされてましたが、「荒野の決闘」でクレメンタインを演じてたキャシー・ダウンズのほうが美人に見えてしまって、ヒロインとしてはいまいちパッとしなかった。

また、もうひとつ主人公に惹かれていく描写があってもよかったと思う。

クリフトン・ウェッブは以前に観た別の作品と丸っきりおんなじようキャラクターで、ちょっとビックリ。


終盤はちょっとあっけない印象ですが、まずまず満足です。


序盤の映画館の入り口のシーンで、大したことない二人の会話を聞いた受付(?)の女性が、目を見開いて驚いているのは何故なんだろう。

あと、警官がパトカーのサイドステップに乗ったまま追跡するというのは、当時は本当にあったんだろうか。恐ろしく危険だと思うんですけど(汗)。
2017年5月12日
何年前か? wowowで、ビデオ録画していたのを見ました。
確かに演出は、見応えありました。
R

Rの感想・評価

4.5
これは! フィルムノワールの傑作っす! まず映像がホントにカッコいい。光と影のハイコントラストがめちゃめちゃ効果的に使われてて、妻の不倫キッスを目撃するシーンを筆頭に、尾行の尾行の帰りを待つシーン、カーテンが風にそよぐスリリングな待ち伏せシーンなど、闇の深いシーンがたまらないcool beauty。エーテルで眠らされた状態から目覚めるとそこに死体があるシーンの、あのすぐには現実に戻れない感覚もとてもリアルな演出。しかも、雰囲気だけじゃなくストーリーの展開も実に面白い。一体何でオレが、誰に雇われた男に尾行されてるんだ?ってミステリーから始まり、それがメインかと思いきや、すんなりと昔自分をハメて投獄に追いやった元同僚の仕業だと分かってしまう。あいつめ、オレをどうするつもりだ?って思ってたら、少しずつ観客だけが黒幕の事情を知り、主人公はその巧みな罠を抜けることができるか?という展開になる。で、最終的には、メスの欲張りとオスの嫉妬はやっぱロクなことにならんなおい!ってとこに着地して行くんやけど、本作の運命の女は、何かとてもイヤな感じだったね、最後までカワイイふりしやがって。金目当てで不幸の渦に自分ではまり込んでおきながら、その始末の仕方かよ!っていう笑 こんな女に引っかかる男の気が知れぬ! と大いに憤慨して楽しみました。まーかなりの美女なんやけどね、バカな男たちめ。主人公を演じる男優さんはすごくいい男で見てて喜びを感じるレベルでした。面白かった!
かなりの傑作。裕福な画廊が妻の不貞に気づき、間男に裏切られた過去を持つ探偵を利用し、間男を葬り去ろうとする話。殺し屋はなぜか白服が多いアメリカ映画の例。
不貞に気づくキスが影で演出されるのだが、唇同士が離れる際、相手の唇に引っ付いていた唇がぺりっと剥がれるように離れる感じが影にちゃんと映っておりエロかった。画廊の奥さん役の、キャシー・ダウンズが美しすぎる。
いわゆる巻きこまれ型の典型であるが、「ローラ殺人事件」で美しき女性に執着する老紳士を演じたクリフトン・ウェッブがここでもまた同じような役柄をこなしている。

特筆すべきはヘンリー・ハサウェイの手腕で、部屋に入ってきた男の影に振りかぶられた杖の影、そこにドサッと落ちる死体。キスしている影からの旦那の悲痛な表情。など要所要所での影の使い方。マーク・スティーブンスが犯人に仕立てられたときに流れている対位法的なショパンなど随所に光る演出が見られる。

ノワールに分類される作品群の中でも、上位の完成度を誇る一作であることは間違いない。