Tメンの作品情報・感想・評価

「Tメン」に投稿された感想・評価

ノワールというより実録モノ。プロパガンダ的でもある。が、照明や撮影が作品の軸となって「硬い中心」となりアンソニーマンの作品となっている。
にく

にくの感想・評価

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A・マン監督『Tメン』(47)。TメンとはTreasury Department(米国財務省)の潜入捜査官。元役人が偽札が横行する現状を観客に直接解説する導入部は30年代のギャング映画の冒頭字幕(ギャング撲滅を訴えた)を思わせる。マンの乾いた演出とJ・オルトンの構図の組合せの妙。
蛸

蛸の感想・評価

4.4
財務省の特別捜査官=「Tメン」の偽札事件潜入捜査を描いた作品。
40年代後半における「セミ・ドキュメンタリー」と言われる一連のノワール作品のうちの一本。
事実がベースとなっている実録犯罪捜査ものということで説明的なナレーションで物語が進んでいく(今で言うところの再現ドラマか?)。
しかしそのナレーションは映画が進行するにつれて減少していき(最終的に復活するが)、それに伴い映画への没入度は上昇していく。この、ドキュメンタリーとノワール(的なドラマチックさ)という対立するジャンルの間を揺れ動くかのような歪な構造が非常に魅力的だった。

冒頭、(凄まじく説明的な場面から打って変わって)影の中からぬっと現れる人物を捉えた「触覚的なショット」(影がその顔を立体的になぞる)にまず引き込まれる。これに限らず、ノワール的な影を上手く活用したカッコいいショットは全編に渡って頻出する。
特に、悲劇的なクライマックスである物語後半の「ある場面」。文字通り登場人物の顔に落ちる影を近くから捉えることによって、その人物の感情を表現しているシーンの映像的な力強さにやられた。
この場面は、映画の全編にわたって定点観測的なワンシーンワンカットで演出された場面が多いだけに、大きなインパクトを持っている。
ワンシーンワンカット演出は「事実を覗き見る」かのような感覚を想起させるという意味でドキュメンタリー的な演出だが、その意味でドキュメンタリーとノワールの対立がここでも大きな効果を上げている(「事実を覗き見る」ような効果は奥行きのある画面構成によっても得られていた。)。
他にも、ローアングルの多用による緊迫感の演出やロケーションの素晴らしさ(サウナや、クライマックスの貨物船!)、銃撃戦のリアリティ、極めて印象的な暴力シーンの数々がこの映画を彩っている。


物語的には勧善懲悪でノワール的な不安感とは無縁な結末を迎えるが、潜入捜査官モノとしての不安感に満ちたサスペンスや陰影を駆使した映像表現は間違いなくノワールのそれ。
全編にわたって、主人公含むキャラクターたちの背景の説明がほとんど存在せず、記号的とすら言えるキャラクターのやりとりがここまで面白いと言うのは驚異的としか言いようがないと思った。
再び大阪・西九条のシネ・ヌーヴォの「フィルム・ノワールの世界 vol.3」二本立て鑑賞へ。

Tメンというと最初、何の仕事をするのかわからなかったが、正確には財務省の特別税務調査官(Treasury Department Men)の略称。『アンタッチャブル』でアル・カポネを追い詰めたエリオット・ネス財務省特別捜査官がほぼこのポストに当たるようだ。麻薬を取り締まるGメン(Government Men)ほど有名でないが、 潜入捜査をし、アメリカ社会の闇を暴いていく。

今作ではイタリアンマフィアの偽札ルートを追ってオブライエンとジェナーロの二人が偽名を使い、マフィアのドンの下で働き始める。それぞれマフィアとして裏社会の偽札ビジネスに関わる一方、捜査官として捜査を進めるが、見た目も行動も悪党になりきっていて最初は身元がばれない。しかし、ジェナーロは、休暇でロスに来ていた妻と街で出会ったことがきっかけで、財務省捜査官であることがバレてしまう…。
nofm

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4.1
冒頭からお喋り野郎が話しまくるのに笑う。

サウナでのサスペンスや、終盤すべてを悟った夫婦の切り返しなど忘れ難いシーンが多かった。
ri2

ri2の感想・評価

4.1
2019年1本目。
冒頭の長官の説明口上から始まり、途中途中の説明的すぎる語りが、すごくいい。
ストーリー展開も人物像も魅力的で、観ててドキドキ、ちょっとハラハラ、たのしかった。
dude

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4.0
実話ベースの潜入捜査もの。撮影良いしずっと面白い。偽名使ってのスパイ中に奥さんとばったり会ってしまう場面とかサウナでの殺人とか。グラス落としてからのアッパーは一回やってみたい。
冒頭のテロップからありゃと思い、長官が長ゼリフを吐くあたりにプラン9を感じつつ夜霧の波止場が出てきて撃ち殺される情報屋の場面があってなかなかに面白いかなと思ったらショッパイ。偽札捜査官が身分を偽って潜入するから少しばかり複雑。チャイナタウン、外国人、バー、サウナ、波止場、貨物船とどれをとっても面白くなりそうなロケーションながら物語を語ることに終始していて期待を裏切られた。バーの場面で急に浮き輪とかミラーボールが出てきたうえにフラッシュ付きのカメラが出てくるところがラングっぽい
大学の授業で観たもの。
細部は覚えてないけれど、2人がああなるとは正直思ってなかった。

このレビューはネタバレを含みます

ジョン・オルトンの素晴らしい撮影に唸らされる。サウナでスキーマーが殺される時の光と蒸気の見せ方が見事だ。ボスの直轄の秘書のメアリー・ミードが風格たっぷりでカッコいいわ。
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