マリア・カザレス、映画の陰影が密かに生命を宿したような女。
美しさにも色々な区別があるけれど、彼女のそれは常に静けさと共にあり、滅びゆく時を予感させる。陶器の仮面のような表情の下では、情念が99.9…
ブレッソンは元々写真家・画家であったということもあるのだろう、斜め45度のカットへの拘りがとにかく半端なく、1カット目からラストまでよどみなく持続する。
この構図は何をもたらすのだろう。人物は俯瞰で…
ブレッソン的作風は『田舎司祭の日記』から始まるわけだが。とはいえ今作はブレッソンがとる上質なメロドラマを観ることができる。中々な風の勢いに乗って帰ってくる手紙。ウェディングドレスを着たアニエスが気絶…
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