オリヴェイラの「顔」への執着、死んでいく人々、足を引きずる人、扉とガラスの魔力、彼方からの手紙。葬送の物語。視線の力学が作動した時から結末は決まっている。
終盤、フレームの外へ退場していく人物たちに…
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あまり乗り気ではない結婚をした後、(実在のアブルニョーザなる)中年ミュージシャンに恋した美しい人妻が周りの男を不幸にしながら自らも葛藤する。確かに古典的な感じはあるけど、オリヴェイラの演出もなかなか…
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>>続きを読む鑑賞記録。
マノエル・ド・オリヴェイラ。
主演はマルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの娘、キアッラ。
監督作品の常連、レオノール・シルヴェイラ、ルイス・ミゲル・シントラの出演も嬉しい、…
ラファイエット夫人による17世紀のフランス古典文学を、舞台を現代の上流階級の集う社交界に移して描く。
宝石店の娘カトリーヌは、熱烈にアプローチする青年フランソワの愛に応えることなく、医師のクレー…
本作は17世紀の古典恋愛小説を、道徳と精神性を断承しながら、時代のみを現在のパリに置き換えて物語る実験的な試みを、洗礼された映像で包み込んだ、恋愛映画の傑作とされているキアラ・マストロヤンニの気品あ…
>>続きを読むはじめの切り返しで視線が交錯していた。同じ空間にいるという根拠もない、虚構でしかないのに、何かに惹かれるようにふりむくことで、男女が見つめ合うだけで恋愛の劇がはじまる。つまり、視線の劇。しだいに視線…
>>続きを読む夫が亡くなってからの、有名歌手の迫り方が、奇妙な単旋律の音楽(執拗なインターホンで途切れる)と相俟って、急にサスペンス風の演出になるけど、オリヴェイラ的には「こんなのも出来るんだよ?」感があって、マ…
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大学のフランス文学概論Bの『クレーヴの奥方』の授業内で鑑賞。
クレーヴ大公夫人の母が病気で伏せており、歌手の人が見舞いに来る。母は夫人の心を見透かしている。母が亡くなると夫人は知り合いの修道女にそ…