熱波の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

『熱波』に投稿された感想・評価

熱波はミゲル・ゴメスが、ムルナウの「TABU」と同じ題を借りながら、構造そのものを反転させて再編成したような作品だった。
ムルナウ版が「楽園から失楽園」へと直線的に崩壊していくのに対し、こちらは「現…

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1990
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ある人物の死が、その人自身の物語を立ち上がらせる

カメラを見る2人の視線に射られる
深い霧が景色を覆い
揺らぐ炎が彼らの姿を照らし出す

描かれる罪は、愛だけか?



They looked a…

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milk
3.8

そういえばまーくしてない。

前半の薄気味悪いおばあちゃんの発言、その過去が第2部で明かされる。言っちゃえば不倫をしてた話なだけではあるけれど、後半の2部はナレーションのみになり、ほんとうの無声映画…

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Juzo
4.7

映画の構造そのものが記憶の在り方を体現しているように感じた。
前半(現代パート)は現実的で乾いたトーンだが、後半(過去の回想パート)に入ると、まるで夢の中に引き込まれるような没入感がある。とりわけ後…

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4.0
2部に入って、過去はずっとモノローグ?→無声映画を意識?そして、音楽が同調→モノローグのはずが、2人の語りになり映画表現の豊潤さを感じました。
映画好きから支持されるのがわかる。

老婆の死とともにその青春時代が回想され、禁断の恋愛によって「楽園」から追いだされてしまったその原罪とポルトガルの植民地政策が重ねられるという良くも悪くも端正な内容。夏目漱石の「こころ」みたい。
雨の…

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あぁ
3.5

かつての不倫相手、ヴェントゥーラに語られるアウロラの回想録。

妊娠中のアウロラと不倫して別れたという事実をただ述べているだけで、不意にマリオが殺害されたりはしましたが、それ以上のドラマがなかったの…

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スタンダードサイズ・モノクロ。
ポルトガルの植民地での開拓者がワニに自ら喰われたという短い言い伝えから始まる冒頭。一部の「楽園の喪失」で耄碌した婆さん・アウロラが周囲の人間を振り回す描写を隣人の視点…

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水蛇
4.1

まあ不倫ものなんだけど、植民地やオリエンタリズムを重ねることで奥行きとしての業の深さが出て好き。「熱波」にした邦題がじっとりした湿り気を伴ってやってくるようなそういう無我夢中な雰囲気。あえてサイレン…

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mare
3.5

最初は茫洋としていて掴みどころのない一部から、実に洒脱な境目を敷いてから展開される二部へ。二部になればほとんどが回想のシーンであり、追憶をなぞっていく構成へと変化していく。モノクロの気品を携えながら…

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