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『最愛の大地』に投稿された感想・評価

matsu

matsuの感想・評価

4.0
「アイダよ、何処へ」に引き続き、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争関連の作品を見ました!! アンジェリーナ・ジョリー初監督作品!!

1990年代、セルビア軍がムスリム(イスラム教徒)の居住地域に侵攻し始める。

若き画家のアイラをはじめ数十人のムスリム女性がセルビア軍の従軍慰安婦として連行される。

セルビア軍の中にアイラの恋人、ダニエルがいた。実はダニエルの父はセルビア軍最高幹部の一人であり、ダニエル自体も幹部クラスの軍人だった。

ダニエルとアイラは密かに愛し合う。ダニエルはアイラが軍人たちに襲われないようにうまく立ち振る舞うが、それも長くは続かず…

第二次世界大戦後、最大の虐殺のあったボスニア・ヘルツェゴビナ紛争。民族・宗教・人生についていろいろ考えさせられる映画でした。
アンジェリーナ・ジョリーの初監督作品は、セレブ女優としてではなく、長く国連UNHCRの親善大使を務めた人道支援家としての彼女の面がよく出た作品だと思う。
アンジーの映画だと油断していると、いきなり心にズシンと来る。
この作品は、1992年にボスニア・ヘルツェゴビナが独立宣言したことに端を発し、ボスニア人、クロアチア人、セルビア人が、民族間で3年半に亘り繰り広げた泥沼の紛争を描いている。
この紛争に関してはドキュメンタリーを観たり、ルポルタージュを読んであらましは知っていたが、改めて映像化されたものを観ると背筋が凍る。
日本は、遥か昔に「蝦夷討伐」という民族間の戦があったが、ほとんど単一民族である為、この作品で描かれた内容は、実感として理解し辛い。
ナチス・ドイツが、ユダヤ人に対し「民族浄化」の名の下で大量虐殺を行っているが、今から僅か20年前に、同じようなことが繰り返し行われていることに、人間の底知れぬ怖さや愚かさを感じずにはいられない。
本作では、対立する民族を夫々代表するような男女が登場する。
画家の卵であるボスニア人女性のアイラ、紛争前は警察官だったセルビア人のダニエル、この二人は民族が違っても、ロミオとジュリエットの様に恋している。
紛争勃発後二人は敵味方に分かれ、アイラは俘虜として収容所に入れられ、ダニエルは部隊長として彼女らを監視する立場となる。
ダニエルは愛するアイラを救おうと色々手を差し伸べるのだが…
戦局が激しくなるにつれ、セルビア人たちのボスニア人たちに対する締め付けは苛烈さを増していく。
果たして、この20世紀のロミオとジュリエットの愛の結末は?
紛争が起こっても、何年も介入せず遠巻きで様子見していたアメリカをはじめとする他の国々。
これらの国々がやっと重い腰を上げたことにより、紛争は鎮火の方向に向かう。
民族間にある、過去からの遺恨や認めがたい感情のもつれは、我々が思うより根深い。
アンジーは、この初監督作品で、この紛争の狂気や人が為した悪行を世界に告発している。
mh

mhの感想・評価

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ボスニアヘルツェゴビナ紛争(ユーゴスラビア紛争のひとつ)が舞台のエンタメ戦争もの。
中でも「Genocidal rape」についてが主な題材。Genocidal rapeはユーゴスラビア紛争から戦争犯罪として認められた比較的新しい言葉。日本語訳は虐殺レイプでいいのかどうかもよくわからない。
日本語版Wikipediaにはまだ項目がないけど、日本軍が南京で行ったGenocidal rapeは英語でしっかり書かれているのでびっくりする。ユーゴスラビア紛争のそれよりもボリューム割かれててインパクトが強い。信ぴょう性の低い証言をもとに書かれているみたいだけど、深く読まないひとはそのまま受け止めちゃいそう。もっとも反日プロパガンダではない可能性もあるからうかつなことは言えないんだけども。
閑話休題。
作中に名称は出てこないけど、女性ばかり集められた収容所はrape camps とのこと。これも対応する日本語なし。
主人公の女性は優遇されてて、若い将校に囲われることで複数の兵士からのrapeは免れている。
この映画ではセルビア人が加害者で、ムスリム(イスラム教徒)が被害者なんだけど、クライマックスの最中「いやいやお前たちが先だから」という会話が交わされる。
歴史を紐解けば1944年ムスリムによる、セルビア人虐殺が起こっていたのだった。(ググったけどわからず)
その後、パルチザンのリーダー、ティトのもとでユーゴスラビアは統一を果たす。
そのカリスマ性と少数民族を優遇する政策で、民族も宗教も異なるひとたちが共存する社会主義国家を実現する。
チィト大統領の死後、民族主義運動が高まりを見せてついには武力衝突に達する。
そんな流れみたい。
エミールクストリッツァの作品ともつながるし、「サラエボの花」ともつながるので、非常に勉強になった。
脚本、監督のアンジェリーナジョリーがすごいね。
面白かった!
【人道に対する罪が初めて成立した紛争】

続けて2回観た。
ずっと観たかった。
近所のレンタル店6分の1でしか置いてない。

3年続いた紛争下で敵同士でありながら
惹かれ合う2人のロミジュリ展開…と思いきや、そんな甘くは無い。
昨日の親友が、恋人が、今日は敵になる。
そんなSFみたいな事が現実に起こる。

ちょっと今まで観てきた戦争映画と違うぞ、と思ったのは、男と女の考え方の違いが顕著に現れているところ。
たった一言、何気ない一言に
その人間の核がまるごと投影される。
それを聞き逃さない事の大切さ。
どんなに相手が優しく、その時唯一の味方で、更にイケメンだとしてもね…笑

話の展開もウマいけど、とにかく主演の2人がもう…!!最高。
目の表情の移り変わり、少しの間や息遣い。
セリフには無い、動作にも映らない気持ちがダダ流れてくる。
美男美女というだけではない魅力。
キャスティングした人最高か!
2人が出てる作品を全部観たい所存…!笑

まずオリジナル音声×字幕で観て、すぐ吹替×字幕でもう1回観た作品なんてめちゃくちゃ久しぶりで興奮中。
そしてやっぱりオリジナルと吹替で言い回しが少し違ったりして、改めて1文字の違いって大きいなぁと思う。
「守りたい」と「守ってやりたい」とでは天と地との違いがある気がする。
今作はオリジナルがロマンティック多めで、
吹替が現実味多め。
あまり語りすぎない大事さってある。と思う。

ラストシーンのすぐ後にもう1回ファーストシーンを観るとグッとくる映画って
本当たまに出会うけど、この作品もその数少ないコレクションに堂々加えたい…*₍͘⚯̯૧₎

人間ってグニャグニャとその立場や状況で変わってしまう所が魅力であり、恐ろしい事でもある。
今日の大切な人が、明日もそうであるよう願う。

2017.11.09レンタルDVD
Tveitster

Tveitsterの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

今の時代の日本に生きていることは、本当に恵まれているんだと実感する。
少し前にこんな紛争があったなんて。
ダンスシーンで油断してたら、いきなりの爆撃。
女性へのレイプシーンが多くて、目を背けてしまった。実際に、妊娠させて中絶出来ない時期になったら解放して、そのコミュニティを崩壊させる目的があったとか。同じ人間とは思えない。
今も完全に和解したわけではないようだけど、世界中の紛争が無くなることを祈るばかり。
yukko846

yukko846の感想・評価

3.9
ながら観になっちゃったけど、なんだかすごいいい映画だったぞ。アンジーすごいじゃないか。なんでこんなにマイナーなんだろう。暗すぎ、リアルすぎるからかな。正視できないようなシーンも多くてちょっとびびった。
いち麦

いち麦の感想・評価

2.0
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景に、敵対関係にある2派間の男女の恋愛を描いたA.ジョリー監督デビュー作。セルビア系によるボシュニャク系弾圧は非人道的で残虐極まりなく、まるで現代のホロコーストかと。
先を追いたくなるストーリー展開と雰囲気のあるカットで最後まで飽きさせない。ただ、ヒロイン=アイラの言動や表情が自分の目にはリアリティーなく映り、気持ち悪いほどの違和感を覚えた。最初のラブ・シーンの映像テイスト等は特にそう…。思わず、おいおい、これ違うよな〜って思ってしまった。演じたザーナ・マリアノヴィッチが美しく魅力的なのは、もう両手を上げて降参なのだが。
あとこの手の社会派の作品としては台詞から伺えるはずの情報量が致命的なくらいに少ない。対ムスリムという構図だけでこの地の紛争の複雑さを削いでいるのも何とも腑に落ちなかった。実に惜しい作品だ。
aya

ayaの感想・評価

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KINENOTEより/評点: 評価しない /鑑賞日時: 2014年11月13日 /鑑賞方法: WOWOW /鑑賞費: 0 円
劇映画としては、今作が初監督作品となるのだが、実は2007年に『A Place in Time』という実験的なドキュメンタリー作品を監督している。『A Place in Time』は日本では未公開となっているが、どんな内容かというと、アンジェリーナ・ジョリーや彼女の知り合いであるアン・ハサウェイやジャイモン・フンスー、ジュード・ロウなどのハリウッドスター達が難民キャンプや孤児院を訪ねるというもので社会派なものであったが、セレブの自己満足や売名行為と言われ作品としては、あまり評価されていない。

アンジェリーナ・ジョリー自体がもともと、セレブの自己満足なんて言われ方をしてきているのだが、そんな雑音を跳ね除けての初劇映画。しかも今作も社会派な内容なのだ。

どれだけ自己満足などと罵倒されても、アンジーの描くものは、戦争の悲惨さやそれによって引き裂かれた家族や絆、子供たちが犠牲になってしまう環境などと一貫して社会派なものばかりである。

セレブがカメラを同行させて、国の抱える問題や悲惨さを伝えることに関して、批判する人は多いのだが、逆に開き直って、売名行為だとしても財力や知名度のある人が行くことで助かる人達は実際にいるということだ。日本でも3.11のボランティアとして名乗り出た人達の中には、税金対策だったり、売名行為だったりする人は実際にいたのだが、その人達の行ったことで実際に助かっている人は多いわけで、お金持ちだからやれるんでしょ…なんてネットで批判ばかりして何もしない人より全然良いのだ。

国連UNHCRの親善大使を長く務めてきた彼女のワールドワイドで個性的な視点がドラマチックでありながら社会派な作品を作り上げている。極端な話、元々の理由が売名行為であったとしても、アンジーの作品で心を動かされて行動を起こす人が少しでもいれば、それはアンジーの功績と言えるのだ。

少し脱線してしまったが、映画の内容に戻すと、正直言って今作は傑作である。とても初劇映画作品とは思えないほどのクオリティで、アンジーが監督していると知らないで観るとヨーロッパのアーティスト監督が撮ったのではないかと思うほどだ。

「昨日の敵は今日の友」という言葉があるが、今作で描かれるのは「昨日の恋人は今日の敵」状態である。紛争によって敵味方に分かれた男女の悲劇を描いた作品ではあるが、この2人の関係性が実に巧妙に作られている。

「恋人同士」といっても、実はそこまで長い付き合いではないのだ。そのまま付き合っていたら、結婚していたかもしれないが、別れていたかもしれない…そんな状態の恋人同士だったのだ。

この微妙な距離感は、2人の心情に大きく影響している。「愛しているから国なんてどうでもいいから逃げよう!」ではなくて、深い仲ではないだけに国の方針や使命感と恋心、緊張感が極限の状況下で常に揺れ動く心情がとても繊細に描かれていて、人間ドラマとして見ごたえのある作品だ。

「好き」だと言うことが許されなかった時代を生きるしかなかった男女の切なくも美しい悲劇はアート的でもありながら、2人の視線を通して紛争の悲惨さを巧妙に描いている。

アンジーの監督作品は、その後の『不屈の男 アンブロークン』や『白い帽子の女』でも微妙で繊細な心の動きを描き出すことに成功している。

『マレフィセント2』など女優業は、最近上手くいってないアンジーだけに、女優業よりも、監督として活躍する方が今のアンジーには合っている気がする。
kiko

kikoの感想・評価

2.5
ボスニア紛争前に交際していたセルビア人のダニエルとムスリムのアイラ。デートの最中に紛争が始まり‥。んー。紛争の深堀りもなく、敵対する相手との恋愛も薄い。壮大に撮りたかったんだろうけど、こじんまりでストーリーも、とっちらかってる感。腑に落ちない箇所も多々あり。いまいちでした。
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