このレビューはネタバレを含みます
相米慎二は、こういう“いちばん単純な感情の物語”をいつも驚くほど巧みに操る。
たった1時間28分の小品なのに、見終わったあとに残る余韻は長く、静かに痛い。
速水典子の存在がすべてだ。彼女の顔、その…
久々に見ると今まで気づかなかった部分が印象に残る。走り去る速水典子の足の速さや、日本的としか言いようがないあの狭いアパートの室内で飯を食っている男と服を脱いで裸になる女が接近している時の息遣い、こた…
>>続きを読む相米に対しての期待値が上がりすぎているため、後から思い返すとむしろやや平板に感じられるかもしれない。が、埠頭のシーンとか、速水典子✖️寺田農の演技に目を見張り、真っ直ぐすぎる抒情的な音楽に乗りたくな…
>>続きを読む相米慎二監督『ラブホテル』(1985)
接近しても合体しても離れていて散っていくことー
肉体と心の距離の伸縮が刻印されていくような長回しショットの連続。
撮影の篠田昇氏のとらえる空間に驚愕する…
お人好しレイプおじさんに惚れてしまうヒロイン像は今となっては時代錯誤も甚だしいが、切られた電話に独白するくだりの破滅的な自己肯定感は令和のメンヘラ女コンテンツにも通ずるエモーショナルがある
長回しの…
ストーリーラインの始店と終点をつなぐ鏡(おっさんが情事を見て物語は始まり、情事が終わった後おっさんが鏡でじぶんの顔みて映画はおわる。「映画」の始まり終わりではない)には何の意味があるのだろうか。ショ…
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