このレビューはネタバレを含みます
ジャケツによる温もりは幸せの象徴
内容
工場をクビになった青年は元同僚達に詩を配っていた。その間に母は毛糸になり、ジャケツになっていた。寒い冬が来る。
これを見る前に友達から、安部公房の作品…
安部公房作品によく見られる人間の物質化、並びに資本主義批判。今回は老婆がオーバーワークで赤いジャケツに変化。
人々が心血注いで働くことで政府が人民に幸せをもたらしますよ…と。
全体的に煤けた退廃的…
川本喜八郎監督による切り絵アニメ第二弾(DVDジャケットは人形アニメ「道成寺」のもの)。原作は安倍公房。
工場を解雇された青年は仲間を励ますビラを配る。帰宅して眠っている横で、老母は内職の糸車に紡…
安倍公房特集にて
原作・安部公房の短編アニメ。
川本喜三郎のアニメ質感と湯浅譲二の音楽が良い。特に二人で即興的に演奏される音楽。サイレントにして生演奏で上映を観たい。
生活苦しい労働者と搾取する…
疲れて果てて綿になってしまった母。糸になった母は老婆に編まれてジャケツになるが、貧しい労働者たちにはジャケツを買うお金なんかなく買い手はつかない。鼠の手により赤く染まるジャケツ。
貧しい労働者の苦…
傑作。同じ画を他の場面で用いることはアニメでよくある手法だが、ドリー効果を本作ではもたらしている。爪を噛む男。綿糸に吸い込まれる老母。雪は実写を被せる。ソリッド。母の心臓の血で染められたジャケツ。字…
>>続きを読む箱なりジャケツなりに安部公房は抑圧を物質に転化させてシンボライズさせている。川本喜八郎が人形のみならず2D表現もおこなっていたことに驚き。石井監督曰く「ダークでソリッド、愛情を感じさせる一本」とのこ…
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