たむ

サーカスのたむのレビュー・感想・評価

サーカス(1928年製作の映画)
4.7
チャップリン映画祭で4Kリマスターされた映画史上の大喜劇映画です。
時代としても、本作が最後のサイレント映画です。
チャップリンサイレント映画の集大成的な映画とも呼べるのですが、スラップスティックなギャグがてんこ盛り。
最初から最後まで、秩序が崩壊した中で混乱の笑いが描かれていきます。

映画は1927年にトーキー映画が始まり、本作以降もチャップリン映画は表現の上では、サイレント表現にこだわります。
しかしそれは、トーキー映画でサイレント映画を撮り、音をつけていくので、純粋なサイレント映画ではないです。
本作がサイレント映画でサイレント映画を撮った最後の作品でもあると考えると、これまでの集大成、これからのチャップリン映画を作り上げる種がまかれてもいます。

特にこの映画のあとに撮る『街の灯』と比較すると面白いことが分かります。
映画は最初に映った人が主人公とすると、本作の主人公はチャーリーではなく、ブランコ乗りの女性です。
チャップリンの映画なので、放浪紳士チャーリーの視点で観るか、彼女の視点で観るかでこの映画は変わってきます。
構成も絶妙に対比されており、彼女を救うチャーリーが英雄でありながらも孤独になっていく。
それは彼女が再生していくからでもあるわけです。
これをチャーリー視点で強化された『街の灯』そして何より『ライムライト』へと進化していきます。
本作は、物語作家としてのチャップリンの序奏としての映画でもあるように思えました。
ギャグの面白さ。
映画の切なさ。
映画史上の大喜劇映画ですね。
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    たむ

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    5,000mark超えました。 泣ける映画も、笑える映画も、怖い映画も、スリリングな映画も、おバカな映画もみんな素晴らしい! 映画は感情の芸術です。 映画史とサスペンスと葛藤を軸に、作品に興味を持…

    5,000mark超えました。 泣ける映画も、笑える映画も、怖い映画も、スリリングな映画も、おバカな映画もみんな素晴らしい! 映画は感情の芸術です。 映画史とサスペンスと葛藤を軸に、作品に興味を持ってもらえるようなレビューを書いていきたいです。 いいね、コメント、フォロー嬉しいです。 知らなかった映画を知る事が出来たり、自分とは違う見方を知れたりが楽しいです。 フォローバックさせていただいています。 監督作品でハッシュタグを作りがちです。 #スピルバーグを語りたい #クリストファー・ノーラン監督を語りたい! #グザヴィエ・ドラン監督を語りたい! #庵野秀明監督を語りたい #キェシロフスキ監督を語りたい #現役最強イーストウッド監督 #ヴィム・ヴェンダース監督ブルーレイボックス #ロメール監督を語りたい