どこにでもある毎日のくらし。昭和20年、広島・呉。わたしはここで生きている。 すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が…
どこにでもある毎日のくらし。昭和20年、広島・呉。わたしはここで生きている。 すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。
たぶん、
目に映る景色や街並みはいつかの誰かの墓場。些事を重ねた日常が、顔もなく、声もなく、幾重の時を超えて降り積もっている。わたしが辿る物語も、死んでしまえば絵空事。誰の記憶にも残らず、いつか山を…
戦時中の庶民の描かれ方にリアリティがあり、現代と連続的であるように感じられる
だけど、敗戦に対して抱いた感情については想像も及ばず断絶があるのを感じた
昔の人は生存のためにほとんどの時間や資源を…
民間人である主人公が戦争の中日々を生きていくストーリー。
当時の女性の立場や役割が描写されていて興味深いです。
柔らかいタッチとは裏腹にどこまでも過酷な状況の中、辛い境遇にめげる事なく生きる登場人物…
やっぱり歴史は続いている。だけど歴史に飲み込まれたくはない。閉じられ、ふわふわした世界に生きる女性と、そんな優しくも恐ろしい世界から抜け出そうとする女性。全てを知ることはできないし、盲目的な視野の外…
>>続きを読む画面上、昭和20年を刻む日付が苦しい。
夏に近づくにつれ、隔週、日ごと、分単位で記録される日々。まるで時計のごとく、秒単位で映し出される日常は、それだけ一分一秒が長く、でも愛おしくも感じられた毎日だ…
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会