白鳥としては完璧なニナが、もうひとつの役である黒鳥も完璧に演じようとする。舞台と現実と妄想がごちゃ混ぜになって、どこからどこまで実際の出来事かわからず目が回る。万来の拍手で終幕したとき、彼女は一体何…
>>続きを読む思うほどバレエシーンは多くなく、神経症的な主人公の病質と芸術性の絡まりがグロテスクな体の変容で表象される、映像表現に重心が置かれていた。ニナの抑え込んだ感じには苛立ちをたびたび感じつつ、正気と狂気を…
>>続きを読む今敏「パーフェクトブルー」の影響を皆さんが指摘するように、芸術を究めるあまり現実と幻想が混濁する表現は本当に恐ろしかった。役に飲まれるとも憑依ともとれるが、そこに至るまで性的な要求やいわゆる毒親など…
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