運命のつくりかたの作品情報・感想・評価

「運命のつくりかた」に投稿された感想・評価

モチ

モチの感想・評価

4.0
最初に変なミュージカルが入り、心配になったが杞憂に終わる。赤い玄関に赤いドレスで出会い、青い海で別れる。迷彩のポンチョが格好良く、緑の山で再び出会う。一人で軽やかに山を降りるマチュー・アマルリックが素晴らしい。
五年周期でガラッとロケーションが変わるので気持ちいい。
大傑作。
マチューが歌って泳いで登って歌う。拍手。
2016.7.9@アンスティチュ・フランセ東京
これ、すべては映画監督ボリス(アマルリック)の創作の産物に過ぎないって観方の可能性もありますよね、って監督に問いかけたら、映画ってそもそも虚構でしょ、って返されそう!(笑)

ボリスの製作した企業PR映像から、彼はその会社の管理職マリリンと出逢い、鹿を見て(笑)ボリスに運命的に惹かれたマリリンがボリスを誘うパーティでは、彼女は赤いドレスで闘牛の様に刺激的で攻撃的に彼を誘う!(BGMは組曲カルメン!)そんなマリリンを柔軟に受け止めるボリスもまたミュージカル!そんな二人の愛は、三部めのピレネー山での場面にまで巡って行く!

映画監督を目指していた青年が、仕事先のキャリアウーマンと恋に堕ち、子どもが生まれ、彼女に囲われる主夫みたいな存在なり、擦れ違いと人生へのジレンマから別れを決意したら、彼女の方が愛と自由を求めて同性の恋人と逃避行!!残された男は置いてけぼりくらった二人の子どもと新たな人生を歩む為ピレネー山のガイドとなる!愛し合っていたはずなのに、自分自身でいる時間も必要。男は自分の生き方を見直す為に山に籠ったようなもの。しかし人生波乱に満ちているな~。
5年毎に区切られた三部の10年の歳月が、日常の中に意外性を込め展開されるけれど、ほんと、どの場面もユーモアがあり印象的でとても素敵過ぎる!
優しい男に甘え過ぎ身勝手になった女は、ピレネー山に来て、何処に幸せがあったのかを悟る。絶滅危惧種の鳥たちの交尾でさえ、初めての愛の場面を思い起こさせるようだし、山男になったボリスでさえ装っていた冷静さが崩れたり。
最初にマリリンが、男と女が重なり合う映像手法を何と言うのかボリスに訊ねたように、オーバーラップされる場面に示される結末。
些細で繊細に言葉や映像や音楽が繋がって行く素晴らしさ!
これはボリスが撮った映画でないの??!!!

ああああ、マチュー・アマルリックのなんて素敵な色男ぶり!!

原題は‘ひとりの男、それも本物の’的に訳すらしい。
監督から聞かれた方によると、最初のタイトルは「とっても女性的な男の子」だったそうで、
ボリスに柔和さを感じたことは間違いでないのだと思った。自分の欲望を優先する女性たちに比べ、ボリスは色男だけど一歩退いてしまう。海に飛び込み、山が、自然が彼を男にしたのだろうけど、それでも彼は柔和なんだなあ。
あーや

あーやの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

邦題は「運命のつくりかた」ですが、原題は「Un homme,un vrai」。
2001年のフランス映画です。久しぶりにフランス映画を観たら予想していた以上にフランス語にクラクラした。フランス語の音が心地良すぎる。鼻母音とリエゾンに興奮して鼻血が出そうでした。

しがない新米映画監督のボリスとキャリアウーマンのマリリンがある職場で出会い、真っ赤な部屋で真っ赤なドレスを脱いで愛し合い、子供が生まれるも5年後には海辺で別れて、そのまた5年後にピレネー山脈で再会してまた愛し合う。というお話。
マリリンを演じていたエレーヌフェリエールが気前良く序盤から両乳をさらけ出してくれたのですが、ガタイが良くて男らしい体つきに垂れた乳が色気無くて全く興奮しなかった。見ちゃったー♡♡♡ってな気分にならなくて、うーん。。
美人だし、ショートカットは似合ってたけどね。ただ色気が皆無。
対するボリスを演じたマテューアマルリックに恋した!!!ボサボサの中途半端に長い髪のぽっちゃり体型。キュン♡
柔らかい声でミュージカル調の音楽を歌うところもかわいかった。目がでかくて、ひとつ間違えたら不気味になりそうなファニーな顔つき。私のモロタイプ。
最後にピレネーで再会したときは短髪の髭面になってたのですが、それはそれでワイルドに仕上がってました。紐を頼りに岩肌に沿って足場を確保しながら山を登ってゆくのは、私には到底無理です。でも男の人が着実に登っていく様は色気がありますね。趣味で本当に登っていたのですかね。山登りには慣れている感じでした。
山小屋で愛し合う時も始めのぽっちゃり体型とはうってかわって、筋肉で身体が覆われていた。特にうつ伏せになった時のお尻がきゅっとしまっていて、きれいな形。思わず触りたくなりました。

ちんちくりんの私が他人の身体のことばかり書いていても仕方が無いので、映画についても綴ります。
フランス映画って1960年代のヌーヴェルヴァーグ辺りはことある事にクローズアップされることが多いのですが、2000年代以降の作品はあまり取上げられないのが現実。でもこの作品はヌーヴェルヴァーグの瑞々しさと運命的な愛をテーマに描いていて、実にフランス的な映画でした。
音楽は時々流れるアコースティックギターの優しい音色とダンスシーンのみで、殆どが会話のみ。
音楽は少なくても自然の音や景色をとても大切にしていました。イビザ島にて海が光を反射する様子や風の動き、砂の上を歩く時の熱っぽさが映像にしっかりと残っています。
海も良いのですが、特に良かったのはピレネー山脈でのライチョウの求愛音。活字やと「カカカカ、シュー・・」とでもなるのでしょうか。その音がまるで小さい民族楽器が奏でる音色のない音楽のようで神秘的でした。音だけではなくて山の景色もとても丁寧に撮っているなぁと思ったら、監督のラリユー兄弟はピレネー出身やったんですね。2人の他の作品も見たくなる。
備忘録としてもっと内容に関して書かなあかんのですが、とりあえずもうフランス語の音が美しすぎて・・・。ラストに愛し合っている2人と室内がオーバーラップされた映像も美しかったのですが、優しい伴奏の上を流れていくフランス語の音ばかり聞いていました。Les doux paroles en français me manques..
obao

obaoの感想・評価

3.9
@シネ・ヌーヴォ
原題 “un homme, un vrai” は “男らしい男” という意味なのですか!?(Google翻訳にて)なるほど、だから劇中で誰もがマチューのことを “色男” だと言っていたのですね。

そのマチュー・アマルリック…今作では母性本能をくすぐる系のどちらかと言うとダメ男でした。

運命的な恋に落ちたボリスとマリリン。5年間の夫婦生活ですれ違い姿を消したマリリン。そして、ふたたび5年の歳月が流れ再会するふたり…

赤い照明の赤い部屋、青い海、山々の大自然…そこでのオオライチョウの求愛ダンスなどの美しい映像。そして、メロドラマにミュージカルやドキュメンタリーの要素を加味したラリユー兄弟の初の長編映画はなかなかの意欲作でした。



《以下、ネタバレを含む…》





ふたりが再会するのがピレーネの山奥ということで、美しい自然と転落の危険を思わせるロッククライミングが観客の心拍数を高ぶらせ、リスとマリーと名乗るふたり…ボリスがマリリンだと気付いているのか気付いていないのかの演出に、ドキドキが増幅していき・・・マリリンと子どもたちとの再会には胸が熱くなりました。

【フランス映画祭2016 in 関西】にて
籠

籠の感想・評価

3.5
ラリユー兄弟は初期からずっとイカれていてマチューをうまく使っていたのだと今頃知る。フィリップ・カテリーン(似たようなギタリストとは別人?)の音楽を聴くとリュック・ベッソン辺りで絶望していたフランス映画音楽への偏見が解消された。
胸いっぱいになって、思わず5点をつけてしまったが、4点にした「愛の犯罪者」のほうが好きかも。ほかの作品もみたいです。