出張の作品情報・感想・評価

「出張」に投稿された感想・評価

上映後、トークショーがあって「メタファーとして読まれるのを拒否するような画作りをしているのでは」みたいな話に膝をうった。それがとっつき易いながらも難解にも取れる独特の作風になっているのかと。

冒頭の落石事故を知らせる駅の放送の噛み具合のハンパなさから最高! わざとらしさがなくて、どう演出したんだろと思ってしまうくらい。

石橋蓮司の「20代に人生に過剰な期待をさせられ、30代、40代を何もないままに、もう手遅れな50代になろうとしている」というような長い独白が監督自身の反省ならば、そういう分かり易いところも凄く良かっし、私自身に近い感じがして掴まれた。

前半は山ばかりな上に常田富士男が出ているせいか、全部観た訳じゃないけど沖島作品の中では一番、まんが日本昔話していた。従姉妹の店でのことなんか狐の話を連想させるし。常田富士男が去って行く時、山道をジグザグに降るさまは画的にもまんが日本昔話で笑みがこぼれた。あと従姉妹の店でのダジャレは後の『怒る西行』に繋がって笑えた。

松尾嘉代のダメオヤジの妻っぷりも最高。

電車で弁当を食っているというオープニングと同じ見た目のラストのおかげで、石橋蓮司が電車の窓から山岳ゲリラを応援していたシーンが一層泣けるものになっていた。
tjr

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3.8
しがないリーマンが出張先で対政府ゲリラの人質にされるという非日常体験をするが、そもそも元から会社という組織の人質であったという話。基本的に笑える内容でライトに観れるが、生きることの悲哀に関わる映画でもある。
あまりに喋りすぎる石橋蓮司に愛着が湧く事必至。僻地の居酒屋で出会う2人の女は何なのだろう。
今朝の満員電車に揺られながら、自分も含めた「人質」達が揃って移動しているという事実に軽いめまいを覚えた。
mingo

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4.1
10代20代に期待膨らませすぎてその反動が30代にやってきて、毎朝起きるたびにおれはこのままで良いのか?て自問自答するサラリーマンを石橋蓮司が演じるのだが、その悲痛なまでの叫びがリーマンであるものに響く沖島勲監督1の傑作…石橋蓮司の孤独のグルメもとい孤独の旅路。

出張して足止めをくらった先で温泉街に赴くという序盤の流れで傑作の予感。「あ〜ん、H!」石橋蓮司の「H、IJK〜LMN〜♩」ギャグが最高。
盗撮したことによって立場が逆転したときの顔完全にアウトレイジじゃねえか。

誰がなんというとゲリラより人質より大変なのは長年勤めぬいているサラリーマンである。リーマンのための鎮魂歌。
菩薩

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4.2
嗚呼、悲しき中年サラリーマン…。今尚普遍的なメッセージ。
isopie

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2015年6月18日(木)ラピュタ阿佐ヶ谷 レイトショー 特集/過激で、キュートな、ユートピア。

監督第2作は沖島勲が出口出名義で脚本を書いた若松孝二の『性の放浪』(1967)を沖島流に語り直したようにみえる。今村昌平の『人間蒸発』(1966)を仮想敵に、27歳の沖島の書いた『性の放浪』と『出張』のあいだには20年の歳月が横たわっている。若松孝二ともども中年男の実感などは想像するしかなかったであろう前者に対して、47歳の沖島が脚本と監督を務めた今作には、生活の澱と人生の感慨がまことにリアルな実感とともに込められている。主人公の石橋蓮司はまさに沖島の分身である。

それにしても、この映画を撮ったときの沖島の年齢さえ追い越してしまった身には、石橋が半生を振り返る台詞がこんなにも染みるとは。まったく映画ってやつは……!
knight

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4.0
面白かった。
ゲリラより、人質生活より、サラリーマンは大変なんだとよくわかった。
buccimane

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3.5
あの呑み屋ではなくゲリラ隊のほうを懐かしむところ男のロマン以外の何物でもないな
特典映像の沖島勲インタビュー(インタビュアー福間健二)もとても面白い