無能の人の作品情報・感想・評価

「無能の人」に投稿された感想・評価

tokuo

tokuoの感想・評価

4.0
あえて押さえた「笑い」を、ちりばめた作品 凝った作風…危なげな所がない
しかし、地味。
好きでした。石を探しました。興味を持ち、清澄庭園へ。変な落下地点ですが、銘石に大分詳しくなりました。この作品のお陰です。
今まで見た映画のリストを作っています。レビューは後で記述します。
石の夢を見た。
河原の石を売る。この広い宇宙に私たち家族三人だけみたい。。。
ザン

ザンの感想・評価

3.7
つげ義春ワールドを竹中直人風味にて。石!高額では売れまいな。
Koshi

Koshiの感想・評価

3.7
「父ちゃん、ボク迎えにきたよ」

原作を読んでからの鑑賞。

主人公は漫画家。だけど仕事がない。このままではこの先漫画で食っていけないと思い、中古カメラ屋や古物屋を営んだりしたが結局どれも上手くいかなかった。
そして、今は石を売る商売をしている。しかし、1つも売れたことはない。当然だ。その辺の川辺で拾ってきた石だからだ。
この映画は、漫画家なのに漫画を描かず、石を売る商売をしているそんな「無能の人」のお話である。



基本的には原作を忠実に再現しているのだが、いくつか場面が原作とは前後しており、改変が見られる。原作の雰囲気を保ちながらの改変なので、原作を読んだ人も納得できるんじゃないかと思う。上手く107分にまとめ上げられていたなとも思う。
最後のシーンからのエンドロールは、素晴らしかった。自分の中でこの作品の評価があのラストシーンでぐーんと上がったと思う。


また、「日の戯れ」という作品が、この映画の中で再現されていた。競輪場の車券売り場窓口の場面である。原作よりも映画のほうがなんだか可愛らしい話だなって思った。あのときの風吹ジュンは可愛らしかったなあ。




私の1番好きな場面は、石のオークションの場面である。原作では主人公の石に誰も見向きもしなかったのだが、映画ではしっかりオークションが始まった。
奥さん(風吹ジュン)が、途中から参加する場面には笑わされた。奥さんが夫の石の値段を吊り上げる役をするのである。4万円までは驚くほど上手くいっていたのだが、欲をかいたのか、5万円だと言ってしまい見事にドボン。自分がお買い上げしたというオチには、大笑いした。1割のマージン代も狂会に取られて5万5000円の損害である。
全く夫の石に見向きもしなかった奥さんが、あんなにオークションで盛り上がるなんて思わなかったので妙に可笑しかった。あのシーンは確実にこの映画の見所であろう。





原作はとにかく何をやっても上手くいくことがなく、救いようのないくらい終始暗ーい話であった。しかし、この映画は少し違う。
原作の暗さは確かに健在なのだが、その暗さの中に一筋の希望の光を映し出している。
それが竹中直人監督の『無能の人』なのである。
moa

moaの感想・評価

4.0
漫画の様にデフォルメされていない分 悲壮感がとてつもない
ただ、最後が暖かい
Kirisshy88

Kirisshy88の感想・評価

3.7
【内容一部】
かつて少し売れた漫画家(竹中)は、今は絶筆中である。理由は自分の望む漫画を出版社が受け入れない、という芸術家にありがちな潔癖的な理想論によるもので、出版からの商業的依頼を拒否し続けている。
もちろん食べられるはずもなく、中古カメラや水石販売など、漫画以外の様々な副業にトライするが、本気になれずにことごとく失敗し、働く妻のヒモとして貧困生活を送っている。そこに鳥捕獲の名人や石売りの夫妻などが現れ、男女の話を絡めて物語は進行していく・・・

【感想】
理想の漫画かビジネスか、妻と離婚すべきか家庭の維持か、生きるべきか死ぬべきか、といった1か0の選択が漫画家に迫る。
物語は、ありがちな夫婦喧嘩や屁理屈、愚痴など竹中監督らしいユーモアを交えた会話型で進むが、この「人生1か0かの選択」と「自由とはどういうことか」という問いは鑑賞者にも鋭くつきつけられ、ゆったりしたぺースや全体に漂う緩慢さとは裏腹に観る者に緊張感や苛立ちを与え続ける。よってこの漫画家夫婦が選択した結末も鑑賞者それぞれの人生観で評価がかなり異なるのではないだろうか。

時折、挿入されるシュールなカットと家具が何気に良い。
お金がなくて生活が苦しいから、普通に見れば、悲しいお話。だけど、そこにある夫 スケガワの自分を失ったような生き方や、妻のある種、夫に失望しているという意味では一線超えている冷めすぎた夫婦関係が、ストーリー展開を引き立たせて。どこか笑えてしまうような不思議な気持ちにさせてくれる物語。
人を見る目もなければ、先見の明もないため、仕事はいつも空回りしてしまうが、そこがどこか暖かくも哀愁を感じてしまうような人柄
竹中直人の熱意は買うけど、つげ義春の一ファンとしては微妙。
つげ作品は映像化に恵まれないのかなあ