この映画、オープニングのアニメーション(曲は♪People,get up and drive your funky soul / James Brown)で、全てを表してる。 綺麗で現実離れした楽しい毎日と秘密を含んだ親娘暮らし。舞台のほとんどがLondonなのに、フランス語で進むストーリー。 何もがフワフワした世界は、母親の登場とともに崩れはじめる。でもこの映画の凄いところは、その先も覚悟を持ってフワフワを貫くところ。 このエンディング、嫌いじゃない。
観ている途中から、ストーリーや場面の展開がずいぶん早いなぁというか、物語のハイライトの連続を見ているように感じていたのですが、ラストシーンに至ったとき、あぁそうかこれは一人の男性の約十年の回想の物語だったんだなと思いました。彼の心の中を照らしたとき、明るく輝きを放つ忘れられない記憶の数々、そう思うと腑に落ちました。 原題はフランス語で『Demasin tout commence』(明日は新しい一日)。私にとっては、「上を向いて歩こう」というポジティブなメッセージが胸に残る映画でした。観た人それぞれが、鑑賞後に大切な人との記憶が呼び起こされるような、そんな物語だと思います。