赤い雪 Red Snowのネタバレレビュー・内容・結末

「赤い雪 Red Snow」に投稿されたネタバレ・内容・結末

うらぶれた漁村に、未解決の殺人事件。
記憶喪失、監禁、放火、白骨死体。
わけありの人々。過去を暴きにやってきた記者。

ミステリーファンをときめかせる要素の数々。
第三者である記者を主人公に、今、過去の事件が明るみに出るーーー!


かと思いきや。
え?埋められた………!!!!

と、ミステリーの王道コースはなぞらなかったので、わりとびっくり残念でした。

そして、ラストが弱い~。
兄の心理は想像つくし、犯人も当初と変わらず意外性ない。
可哀想な子どもが、いつまで経っても過去を引きずる悲しいお話で、特に落ちてない…?
まぁそれっぽく脚色されてるだけで、ミステリーではなかったってことなんでしょうけども。

ひさびさに観た鬱映画でした。
でも映像はホント綺麗。
雰囲気だけでも刺さる人には刺さる映画だと思います。
白川一希 #永瀬正敏 漆職人
木立省吾 #井浦新 ルポライター
江頭早百合 #菜葉菜
江頭早奈江 #夏川結衣
宅間隆 #佐藤浩市

映画『赤い雪』を観て、そして本を読んでから、ずっと考えている。
サスペンスの括りは確かにおかしい…
そして犯人を浮き上がらせるだけの話でも無い。
記憶の欠片を探す旅だったと思うし、もっと奥深くを覗かないと分からない事が多々あった。
記憶の欠片は何も一希のみで無く、早百合の記憶の欠片も失われてると思った。
30年の時を経て、パズルのピースが揃った先に、いったい何が残るのだろう…

親に愛されなかった早百合と一希、何処か歪でいる。
全ての登場人物、馬から滴り落ちる漆の赤い色、何度も塗り込められる漆が、一希の記憶を封じ込めているように見えた。

早百合が蛇口を執拗に磨く姿
一希が仏像に何度も何度も漆を塗る姿
この対比が凄い

早百合の母、早奈江の真っ赤なコートと真っ赤な口紅、ここにも赤が使われていて、赤い雪の映画を観ると、赤が脳裏に焼き付く、赤から離れられなくなる、こんな所も中毒性があるのかな?と思った。

早百合の記憶にある自分を置いて出て行く母の後ろ姿、そして宅間の布団の中に縋るように入り込む早百合。
憶測だけど、この間のシーンに早奈江は2人によって殺害されたのでは?と、観ている者の想像力を掻き立てられる。

早百合に一希が呟いた言葉『君はお母さんとは別人だ』
この時の早百合の表情が実は気になっている。
一希から、あの母とは違うと言われて安堵しているようにも見えたし、逆に自分が言った嘘に一希が騙されて、してやったりの表情にも見える。

実際は菜葉菜さんが涙が溢れて止まらなかったシーンだと聞き、そこで監督にはあまり泣いてはいけないシーンで、一筋の涙で良いと言われたと後から聞いた。

もし嘘だった場合、早奈江が警察署に連れていかれ、刑事が事情聴取している時、早奈江の嗤い声が響き渡り、早百合は外のベンチで座って待っている。
その時、何度もライターを着けたり消したりしていた。
あの火事の時、早奈江が拓巳くんの入った袋に火を着けたと早百合が一希に言ったが、早百合が火を着けた可能性も考えられる。
刑事が何度も早奈江に事情を聞くが、狂った様に嗤うだけで、完全黙秘でいるのだから、早奈江の中で自らが火を着けたのではないのに、見当違いの問い掛けを繰り返す刑事を嘲笑っているようにも見えた。
早百合をも使って、あらゆる事をさせてたかと考えると、鬼畜の何者でも無い…
あくまでも私の想像に過ぎないけれど…

早奈江を消した後は、宅間の捌け口になり、早百合は何の為に生まれて来たのだろう…
哀しい運命を背負って、誰にも愛されずに生きて来た早百合...切なさが込み上げる。

一希も父は忙しく、母の愛情は全て弟に持って行かれ、寂しい幼少期を送っていた。

二人ともが親から疎まれている境遇で、加害者家族、被害者家族と相反する状況から一遍、実際には一希にも原因があり、早百合が一希に放った言葉『本当の事ってなんだよ、みんなお前が悪いんだろ』に繋がる。

全てがパズルのピースであり、『巡り合わせが悪かった』1つでも揃わなかったらこうは成らなかったと早百合が言う。
最悪な形で揃ってしまったパズルのピース、けれど、そのどれも、これもが、早奈江という悪女に引き寄せられる様に派生している。
早奈江の淫靡な赤い口元は魅惑的であり、そこから眼が離せなくなる人も多くいるだろう。
1度嵌ったら抜け出せない蟻地獄。
恐いけれど触れたい心理が働き、寄ってくる者を喰い尽くす。
夏川結衣さん演じる早奈江の出演シーンはそれ程無いが、余りにも鮮烈で、あの嘲笑うような嗤いも頭から離れない。
聴覚も視覚も良くも悪くも揺さぶられる。
これで、漆の匂いでも劇場でして来たら、完璧かもしれない。

今まで生きてきた中で、早百合の心に唯一響いた言葉は、きっと一希から言われた『君はお母さんとは別人だ』だと思う。
早百合はいつでも、モノのように扱われていたし、誰も優しくなかった。
一希は早百合に唯一の言葉をくれた存在だった。

そして一希は早百合を首を絞めて殺そうとした時に、今迄の鬱積した思いが解き放たれた気がする。

そう考えると因果としか思えず、お互いが唯一の存在。

ラストは二人で船に乗っていて、早百合が立ち上がっているシーンだけど、私の中の続きは、早百合は一希を抱き締めるのではないかな…と感じた。
宅間を始末したのは、一希のあの言葉が切っ掛けで、前に進もうと早百合は思ったと想像する。
全てのピースが揃った今、親から愛されなかった2人の新たな旅路に思えた。
それが例え行き先が茨の道だとしても…

木立省吾についての考察もしてみました。あくまでも持論です。
自分の思う、赤い雪の世界観を大事にしている方にはお勧めしません。

火事のあった翌日の現場検証
木立の部屋の机の上には叔父と一緒に撮った写真、そこに映る木立のセーターは赤
机に乗ってるハサミの柄も白、ホチキスも白、デスクライトも白
全てが白のモノが置かれている机に、写真立ての中の木立のセーターは赤で違和感を感じる。
窓からそれを見つめる木立が着ているセーターは白で
きっと、早奈江を見た親戚達は口を揃えて、あんな真っ赤な唇に派手な赤い色のコートを着た女なんてと、言ったと思う
その色を認識出来ない木立、それでも赤が鮮烈に脳裏に焼き付いたのは違い無い気がした。
早奈江は赤の象徴であり、木立もまた、赤に渇望を覚え、早奈江の所在を執念の様に追いかけていた気がする。
そう考えると、木立は足を踏み入れては行けない所まで行ってしまった。
最終的に早奈江に関わった人間は全て不幸になる。
綺麗な花には毒があるという言葉のまま
見れば見る程、一番、木立の異常性が恐ろしい。
勿論、誰一人まともな人は居ないかもしれないけれど、誰よりも異常に見える。
確かに真実を突き止めたいというルポライター気質かもしれないけれど、
木立もまた、早奈江が放つ禍々しい赤に魅入られた1人なのだと感じずに居られない。
鮮烈かつ毒婦の臭いを放つ早奈江には並々ならぬ執着が見られ、叔父の死因を追求してると思いきや、実は早奈江に執着をしていたのは木立自身
その執念ともいえる執着が恐ろしかった。

配役については、この方々しか思い浮かばない程、完璧で、菜葉菜さん、永瀬正敏さん、井浦新さんの役は然る事乍ら、佐藤浩市さんのクズっぷり、夏川結衣さんの毒婦っぷりも素晴らしかった。
そして音楽、映像美、私自身は大変好みだった。
しかし、観る人を選ぶ作品である事は確かで、好き嫌いがはっきりと出る作品だと感じた。
実際、今年1番リピートして、劇場で15回観た作品
毎回、今日はこの役の視点でと、そんな風に観ていたのでとても楽しめました。
花は虫や風が訪れてようやく命が宿り樹々は鳥たちが啄み種を運んでもらうように私たち地球上の生命は欠如を抱いている。"隙間"を持っている。


記憶も一人だけの"それ"にはさしたる意味はないと思っている。自分とは異なる記録媒体を持つ他者と共有し補完し合うことで満たされていくのだ。家族や友人や同僚や隣人そして恋人と。それはやがて同じ"景色"となって共に感じることができるって素敵なことであるし幸せだ。果てには距離や時間を越えられると僕の中にたしかにあるんだ。ここからは本作とは関係ないけれど人は死んだって記憶の一部だけは物質世界のどこかに宙ぶらりんになるとさえ思っている。自分とはまた別の新しい生命が"それ"を拾うまで。


本作は"それ"が事件の関係者同士で行われる。30年の時を経て狂気を帯びて交錯する。いなくなった弟の在処を探しに。これは先に書いた僕が心の中に持っている"聖なる"ものとはまったく別のものだ。


この監督は"その人の闇の本質"を映し出す力を持っていると思った。


佐藤浩市さんはあれこそ真の姿だと確信してしまうほどに。
夏川結衣さんの笑みはかつて恋人にしたであろうとおもえるほどに。
井浦新さんの他人とのパーソナルスペースは現実も3メートルだろうと!
永瀬正敏さん、貴方はどれだけ長い月日待つのが得意なのー!とw
菜葉菜さん、これは監督の分身だろうと!あんなこんな....ここから先は言えない。


雪上で激しくこれまでの人生を、欲望を、記憶を!埋め合わせるのだ。景色が同化する!!


狂おしいほどドス黒い真実の愛の物語。


"私"が大事にしている"言葉"なのでここには書けないけれど、思い焦がれている必ずそうなると信じてる現象のイメージを監督も持っていてその一端をラストシーンに乗せてくれた。信じられない。ハッピーエンドだと受け取ったよ。

余談になるけれども、
毎年マレナの元へ帰ってくるクレペタン。ちょう好き。男の理想。


あ、眠くない時にね。
サスペンスの皮を被ったヒューマンドラマと感じました。
種明かしと言えるものはあまり無く、描きたいものが事件の真相はミスディレクションであり、記憶の曖昧さ、脆弱さを表す物語なのだと思います。
謎解きのお話ではないのでそれを期待するとつまらなく感じるでしょう。
永瀬さんは、職人の役が似合う。

それも含めこの作品は、役者さんの、役者魂に引き上げられている。

雪山の中での死闘は、見ているこちらまで苦しくなった。。



ストーリーでは、自分の都合の良いように記憶を書き換えてしまっているのは、誰しもにあるなのでは。多面的な見方ができる人間になりたいものですね。
過去と現在の交差の仕方と音楽が良かった

上映後のトークショーで監督が雪の色味や登場人物の衣装にこだわったと話していて、視点を変えてもう一回みたいなと思った
原作も読みたい〜
いろんな小さなところが語っているのでなんとなく展開は読めるしちょっとよくある話やなーと思ってしまったかな…。あと辛い話は現実だけでいいかなって個人的には思ってるのでドーンと気持ちが落ちるのみで救いがないのが辛い、、、。
さゆりの演技はすごかった。あと佐藤浩市がこんなじいちゃんの役するんやー!ての。
終始緊張感のある雰囲気で背中バッキバキ…。ご本人はとても可愛らしい方でそこが救いだわ、、
いろいろなことに暗喩というか、ほぼ直喩があり、その意味してるものを自分なりに考えたのだけど、買い物を1つしかしないさゆりがどうしてあのシーンはたくさん買ってたのかは結局よく分からん。
なんか、なんのカタルシスもなく、謎もあまりなく、どこかのシーンに小気味良さみたいなのも無く、、うーん、、
この作品のインディペンデントな雰囲気に、豪華な実力派俳優陣がいまひとつハマらず、逆に浮いて見えたような印象で、ちょっともったいなく感じた。

しかし、それぞれの役者さんたちの演技と存在感はもちろん文句なしで、特に菜葉菜さんの静かなる熱演には引き込まれた。

終始寒々しくどんよりとした風景と雪の深さは、埋もれそうな不安感や生きづらさを表しているかのよう。
雪が印象的な映画って幾つか思い浮かぶけど、これもその一つとして記憶に残りそう。

ストーリー的には、昨今の気持ちの重くなるニュースを思い浮かべたり、人それぞれに色んな解釈のできるような余白のある見せ方で、考えさせられる作品であると思う。

しかし、わかりにくいところも多くて謎が残るぶん、モヤッとしちゃう感じ。

不思議なインパクトを残すような幻想的なラストカットが、妙に心に焼き付いてる。


鑑賞後の舞台挨拶では、甲斐さやか監督と永瀬正敏さん、菜葉菜さんのお話から、この作品への愛がひしひし伝わってきてほっこりしました。

観た直後はモヤッとしていた部分も、いろいろとお話を聞いているうちに、なるほどな~とじわじわと腑に落ちてくる感じがとても良かった。

心につもり積もっていた感情や、それぞれの生いたち、その日の天気や、その時にふと芽生えた感情などなど…
いろんな要素やタイミングが重なって予期せぬことが起こりえるということ、それを表現したかった…というようなことを監督がおっしゃっていたのが印象的でした。

ラストシーンへのそれぞれの解釈が聞けたのも、とても興味深くて面白かった。

井浦新氏の解釈も、聞いてみたかったな~。
話しは暗いが、ラストシーンは(画的に)美しい。"記憶は曖昧なもの"という部分に掛かっているかも知れないけど、"真相"も"物語の着地"もまぁまぁグレー。
永瀬正敏さん、菜葉菜さん、甲斐さやか監督の舞台挨拶あり。
救いがない話は苦手なんだけど、でもなぜかこの作品はすごく引き込まれた。監督が脚本をこの人しかいないと思って書いたとおっしゃっていた通りキャストは本当にぴったりだったと思う。
特に菜葉菜さん本当によかった...!そして佐藤浩市さんがあんなクズ役に染まるとは。

セリフは最低限で音を聴かせる感じだとか観客に委ねる感じとかとても好き。(途中ちょっと長いなーと感じたけど...)
映画ではあの人やあのシーンは結局どうなったの?って気になるところもあったから映画原作を買いました。これから読むのめっちゃ楽しみです。
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