パヴェウ・パヴリコフスキは、もう1つのイーダの運命を描いておかなければならなかったのかと、前作となる『イーダ』(2013年)をようやく観て思った。だとしたら、よく分かる。とてもよく分かる。
それは…
【鑑賞メモ】
凍てついた教会跡。
舞う人々。
スターリン。
ネオンサイン。
見つめる聖母の眼。
オープニングクレジットで監督の名前を見て、あれ、と思っていたらやっぱり「イーダ」の監督だった。フック…
このレビューはネタバレを含みます
これも戦争がもたらす男女の悲恋の物語のひとつだ。
とても素朴で美しいポーランドの民族音楽のシーンから映画は始まる。
音楽家のヴィクトルは、民族音楽舞踊団を結成するために数々の民族音楽を収集している…
"2人"で景色の綺麗な「向こう側」へ。
時代と場所が流れて2人の物理的な距離が引き離される。
いくら離れても2人の心の距離は引き離されず1本の糸で繋がっていて手繰り寄せ合う。
国に支配される。権力…
すっげぇ。冷戦下でなんとかして生きてきたちょっと難しそうな話から、一言でスコンッと脳みそ空っぽになった。
セリフのパンチ力に脱帽。瞬発力ある笑いも大好き。カメラ良すぎ。脳みそ震える和音と声。あれ狙っ…
恋人と祖国への愛、二重の思いを音楽(歌)によって雄弁に歌い上げていく至極のメロドラマ。ベタっとした人物描写はなく時間省略も的確なので、中弛みすることは一切ない。(前作でも驚かされたが)静謐で抑制の効…
>>続きを読む男女の出会いと別れ。二人の人生はあまりに冗長で最適化されていない。冗長で無駄こそが愛では?人生では?それでいて映画は省略されて無駄のない。会話も殆どなく、あるのは豊かな音楽と映像だけ。それらを繋いで…
>>続きを読む冷戦下のポーランド。音楽舞踊団を率いるピアニストの男と歌手を夢見る女性が、時代の波に翻弄される恋愛映画。
監督は、『イーダ』でポーランド映画として初のアカデミー外国語映画賞を受賞したパヴェウ・パヴ…