二階堂家物語の作品情報・感想・評価

「二階堂家物語」に投稿された感想・評価

ワンコ

ワンコの感想・評価

4.3
切ないけど…滑稽
程度の差こそあれ、こうした家柄とか、古い因習に縛られている家は沢山あるような気がする。
そして、男の子が生まれないとか、婿が来ないとか、その「先祖代々」は、ある日突然問題に直面する。
現代社会になっても、半ば権力と一体化した年寄りは、お妾さんだとか、二号さんだとか社会通念とはかけ離れたことを言い始める。
本人は少しでも自由になりたいと思っていても、結局半分は、理想や綺麗事で、実は自分もその因習に、既に、捕縛されていて、「先祖代々」や「女性への抑圧」はまた繰り返される。
ただ、これは日本に限ったことではないのではないだろうか。
だから、パナハンデ監督は女性や外国人の視点も交えながらも、愛情も皮肉もたっぷりに、ちょっと滑稽に撮ったのではないか。
こんなことは、実は世界中に転がっているのだ。
そして、人なんて、どこにいても、おんなじレベルなのだ。
自由を語るパトリックが、さも異文化を理解してると言わんばかりに、一族相伝の典型のような雅楽を学んでいるのも、ある意味で滑稽だ。
先祖代々を不自由の象徴のように語りながら、パトリックだって、離れて暮らす両親のことが心配で、結婚して戻るプランを考えていたじゃないか。
みんな、そんな大差ないのだ。
そう、こうして「先祖代々」は続き、そしてほころび、徐々に形を変化させても、人々は我が家の伝統とか言って、ずっと変わらないと信じ込みながら、何も気づかずに過ごすのだ。
この映画の英語のタイトルは、
THE NIKAIDOS’ FALL
だったじゃないか。
その場その場に居合わせて、葛藤する人はきっと切ないに違いない。
ちょっと気の毒でもある。
でも、やっぱり滑稽で…。
魅入ってしまう不思議な映画だった。
AnnaUtsumi

AnnaUtsumiの感想・評価

3.5
彼氏がきたりおばあちゃんが亡くなったりするとこで物語が動く。動きはするね...生々しくなりすぎずに美しい範囲に収まってるのがいい。
2019/02/10 新宿ピカデリー Sc.7
超超超超大傑作!!
男の子を亡くし跡取り息子がてきず離婚した父と長女の物語

全員が全員素晴らしい演技
その中でも加藤雅也と石橋静河が特に凄い
父とある男性の対話シーンと火葬シーンが特にどストライクすぎて感情の大嵐

火葬場の石橋静河の泣きの演技は口元の動きにドカンとストレート入れられた
冒頭の描写が悪い意味で惹き付けられてしまった。ハルの強い願いがひしひしと重く重く伝わってなんとも言えない感情になってしまった。ラストの描写も同じく。だからと言って嫌いではない。
名家の存続の為、仕方がないこと、受け入れなくてはならない。分かるんだけども…
辰也、由子、ハル、沙羅のそれぞれの思い、葛藤、物凄く伝わってきました。
監督・脚本が外国の方とは思えませんでした。
mako

makoの感想・評価

3.8
本作は、NARAtiveから誕生した映画です。 
NARAtiveとは、なら国際映画祭の映画製作プロジェクト。今後の活躍が期待される若手の映画監督を招き、奈良を舞台に映画を製作。日本の第一線で活躍するスタッフが集結し、地域の人々の協力のもと映画をつくり、完成した映画は、国内外は飛び出し、奈良の魅力を人々に届けます。(フライヤーに記載) 
監督はテヘラン出身のアイダ•パナハンデさん。 
エグゼクティブ•プロデューサーは河瀬直美さん。 


奈良県天理市を舞台に、代々続く名家の跡継ぎ問題に悩む親子3世代の物語。 
家系存続ため、祖母ハル(白川和子)は、孫息子を亡くし離婚した息子辰也(加藤雅也)に好意を抱いている美紀(伊勢佳世)と結婚して世継ぎ•男の子を産んでほしいと思っている。 
辰也は代々続く家系が途絶える危機と好きでもない美紀との結婚に葛藤。 
辰也の娘由子(石橋静河)は家系存続のため、自分の気持ちを犠牲にしようとする父と自分の人生の間で葛藤。 
三者三様の思惑と葛藤が描かれていて、結構重苦しさがありました。 
今どき、まだこんな問題を抱えている家があるのかと少し驚きながらも、ある事を思い出しました。 

それは長男を妊娠中の時、今から17年前。 
倉敷に住んでいた頃、母親学級での話です。 

妊婦さん: 「性別は知っているけど義父母にまだ知らせていない」 
私たち: 「どうして?」 
妊婦さん: 「本家なので男の子を望んでいて、女の子って言えずにいて」「産まれるまで、性別は言わない」 

みたいな事を聞き、未だにこういう事があるんだなと驚きました。名家かは知らないけど家を存続させなきゃという思いは田舎だと特に根強くあるのかもしれない。 
うちは名家でも本家でもないからそういうのに縛られなくていいけど笑 

本作では辰也が心惹かれる女性沙羅(陽月華)がいて、沙羅も辰也に好意を持っているけどある事があり一緒になれない。それを独白する沙羅のシーンに胸が痛みました。 

こういう家柄にとって嫁は子を産む道具なのか。 
でも必ず産まれてくる子が男の子とは限らない訳でそれってどうなんだろう。 

ラスト、私の予想していた展開にならなかったし、その描写に気持ち悪さを覚えました。 

楽しい内容ではないけど、日本の家制度や田舎特有のあるあるもあり観飽きることなく鑑賞できました。 


◆雑談◆ 
11日に『ヴィクトリア女王 最期の秘密』の後に鑑賞。 
早く感想を書かなきゃと思いながら心に余裕がなく忙しさも相まって書けずにいました。 


劇場鑑賞 #32
2019 #49
ミル

ミルの感想・評価

3.5
石橋静河見たさに観ました。

白川さんがいい。
石橋静河もいい。

最後、こういう終わり方か、、、。
田舎育ちなので、妙にリアルでした。
服装など。

重ためですが、観終わってからラストというかそれぞれの選択がベストだったのか考えさせられる映画でした。

げんじろう(田中要次さん)も可哀想だなと最初は思ったけれど、映画だから凝縮されてるだけであって、あの感じの左遷はあるよねと思いました。
げんじろうが65歳くらいだったら、揉めずに納得したかも…。

この後、それぞれが幸せになれるのだろうか…と思い出しながら今日は過ごそう。
BGMもなく田舎の自然の音だけなのに、飽きが来ることもなく見られた。
静謐さと横顔で物語られる映像が素晴らしい作品。

加藤雅也がかっこよかったです。
初見の陽月華が美しかったです。吉田羊かと思ったら違いました。

とにかく美しい風景と表情が、静かに多くを語りかけます。
この映画恐ろしいなぁ。


石橋静河さん観たさに足を運びました。
思った以上に重たい物語でした。
そして、
結構、身につまされる話でもありました。

私もかなり珍名なので、姓を後世に残したいとは思います。
珍しいってのは、少ないってことで
ウチの一族は男がとっても少ない。(゚д゚;) アブナッ...
女ばかりが生まれやすい。
そして何故だか遺伝による、左利きが圧倒的に多い家系でもあります。
一代の3分の2以上が左利きになってしまいます。
つまり、
昔の8人とか9人の兄弟の時代には6~7が左利きだったというね。
               '`,、('∀`) '`,、

母には二人の姉がおりますが、結局は姓を継ぐために末っ子の母が婿をもらいました。
父はかなりありふれた苗字でした。
一族を見渡しても、22世紀に姓を繋ぐべき男が皆、早死にしており
なんか、呪われた一族なのかな?'`,、('∀`) '`,、
金田一さんに調べてもらおうかな'`,、('∀`) '`,、
ごくごく自然に男子が減っているわけですね
┐('~`;)┌

だから珍しい苗字になってしまい、
珍名辞典に載るようになっちゃうわけです。

ウチは名家ではないので、姓を守る義務感はさして重たくはのしかかってきませんが
名家である二階堂家の跡取りは、そりゃ大変でしょうね。
お気の毒です。

まぁ珍名さん一族の男子は、
遠回しにプレッシャーをかけられますが、
もし未来にウチの苗字が無くなっても、それは自然淘汰されただけで、
生命力のない一族だったということですね。┐('~`;)┌
そりゃ、誰の所為でもないわ!





2019.2.26     横浜シネマリン