セブンガールズの作品情報・感想・評価

「セブンガールズ」に投稿された感想・評価

ohassy

ohassyの感想・評価

3.5
20年で4回再演したという舞台を、まさに手作りで映画化した作品で、携わった方々の歴史や思い、その熱量ごと楽しむ2時間半。
ロードショーの映画としてはあまりに荒削りではあるけれど、たった5日間で撮りきったというのは恐るべき事実だ。
他人事ながらめまいがする。
仕事でよく「1日しかないなんて!」「3日は欲しい!」とか愚痴っているけれど、これを見たら僕がわがままを言っているみたいじゃないか。
周りのスタッフには黙っていよう。

戦争はそのあまりの特異性から、簡単に僕らの想像を超える環境や人間性を作り出す。
一体どうすれば闇市なんてものが出来上がるのか、無知でぼんやりしている僕には想像すらつかないのだけれど、この娼婦小屋含めて、やはり人間にだってたくましい生存本能が備わっていて、適応していった結果なのだろう。
現在とはそもそも前提が違うのだから、どうなっていたって不思議ではないし、適応していくことに良いも悪いもない。
彼女たちは、毎日喧嘩しながら、時には罵り合いながらも、家族のように助け合って生きていく。
適応している。

もっとひどいこと、例えば生きるためには、騙し合い、殺しあうしかない、という環境だってありえるだろう。
そういえば登場している男たちは、それに近い生き方をしている連中が多く登場する。
個人的な意見を述べれば、やはり男というものは運動能力が高いだけで生存能力は低く、女性の足元にも及ばない。
彼女たちは生きることの本質を見抜いているから、男のようにくだらない見栄やよくわからない欲に縛られたりはしない。

その一方で愛のためなら(それは男であったり家族であったり)命を惜しまないし、自分のことは二の次にする。
それは矛盾しているようにも見えるけれど、実は根っこは同じなのかなとも思う。
自分以外の何かのために自分を犠牲にすることが、結果的に生存の道に繋がっていくという。
ちょっとよくわかっていないけれど。

10年くらい前に興味本位で大阪の「飛田新地」を徘徊したのだけれど、あの雰囲気は、なんというか普段接している世界に比べるととてもいびつに感じる反面、ものすごい生命力を感じた。
当時の僕は入るのはもちろん、店先に静かに座っている彼女たちと目を合わせることすらできなくて、息を潜めて足早に通り過ぎただけ。
目的を持って本気で接していなかったことが、見透かされてしまうのが怖かったのかもしれない。
戦後の混沌の中に存在する娼婦小屋と現代の風俗を一緒には出来ないかもしれないけれど、1人の人間の生き方としては、それほどの違いはないとも思う。

前述のように映画としてはあまりに荒削りで完成度が高いとは言えないけれど、これは今、この流れに乗ること、1人の観客として「参加」するとこで、その完成度の低さを補って余りある体験を得られる。
実際2時間半近い上映を、ちゃんと楽しめたのだからそれはエンターテイメントとして成立しているということに他ならない。
本作の主演・マチさんのアカウント @machi_sevengirls をフォローしたことで観るきっかけをもらった作品、いつかいろんなお話をしてみたい。

これから映画を楽しむには、もっともっと「旬」というものが大事になってくるだろう。
今年はその流れがいよいよ本格的に高まった、節目の年になった。
映画の内容的なことではなく、ムーブメントに乗って映画を体験する。
VHSやDVD、オンデマンドから一周回って、これからはまた映画館での体験が求められるのだろうな。

本作を東京で体験できるのはとりあえず12/27までということで、急いでポストすることにしました。
レビューも荒削りで申し訳ないですが、スピード感も時には大事。
すごい映画でした!戦後のパンパン宿で生き抜く女性たちを描いた、魂に響く感動作!「セブンガールズ」。

終演後のトークショーの後、ポスター右のマチ役坂崎愛さんとお話しできました。ヒモが出て行くことを悟り、ヒモに話しかけるシーンの表情がこのうえなく美しく哀しくかわいい女性でした。そう感じたことをお伝えしてよかった。とても瞳が美しい方でした!
.............

「セブンガールズ」2度目の観賞。物語と登場人物の背景がわかって観るので、台詞や仕草、動きに込められている気持ちがわかり、1度目よりもジーンとしたりウルっときたりすることが多かった。まさに舞台観劇と同じです。

上映後に出演した男性陣の舞台挨拶と主題歌合唱!濃いクリスマスなのだ!!


涙なんか使い捨てだよ
あした雨でも わたしは晴れ
どれくらい泣いたとしても 決して独りじゃよ

うろ覚えの主題歌の歌詞ですが😅、この映画を思い出しながら口ずさむとこの歌の気持ちと、あの時代を生き抜いた人たちの気持ちがじわっと染み入ります。

アップリンク渋谷では27日(木)までだそうです!

2018.12.20 アップリンク渋谷
2018.12.25 アップリンク渋谷
2018.12.27 アップリンク渋谷
nana

nanaの感想・評価

3.0
映画というより舞台を観ているようで台詞の掛け合いがとても面白いシーンがたくさんあり楽しめた。
ただ、時代背景が終戦直後という設定だったけど、そこが描き切れてない感じが、期待してただけに残念。
eiganoTOKO

eiganoTOKOの感想・評価

1.0

このレビューはネタバレを含みます

好きな皆様すみません。
笑えませんでした。
特にこれはないと思ったのは、アメリカ兵をアジア人(多分日本人)が演じ、コメディ映画とはいえ、今時カタカナの発音で「セブンイレブン イイキブン〜?」などと繰り返すのは例えマジョリティ側だったアメリカ(あるいは今も白人男性は基本頂点だが)でも、英語圏のお客さんが観たら不快になることを考えなかったのでしょうか。第三世界の製作映画で、日本人の描写が「寿司 サムライ 神風〜」と見た目が全然違う外国人が演じてて笑えるの?日本人の誇りも愛国心も全くないけど、そんな私でさえふーん適当だね、って笑わない。
ホワイトトラッシュの白人男性はマイノリティとも言われる時代、過去の歴史を描く際、当時あった差別用語はそのまま踏襲すべき派ですが、アメリカ人の描写があまりにも酷い。付け鼻とかしてないだけマシだったけど、これなら出ないほうがいいです。お客として来ていたニュアンスを台詞で伝える程度ではなぜダメなの?
あとはいぼ痔で悩んでる人に失礼だし、全然笑えない。必然性があり、皮肉や反論を描いて回収しない限り、身体のことを笑うのいい加減やめたほうがいいです。コメディ映画のお笑い表現はもっと幅広い。スタンダップコメディや落語で勉強してほしいよ。

女の生き様を期待して観にいきましたが、ある種そのような台詞も確かにあったけど、結婚を断る美談の描かれ方も、結婚間近でヤクザ抗争に巻き込まれ死を遂げるノワール的展開も、戦争映画としてついでに入れた感満載の原爆症も、一部描かれたたくましさを消し去るほど興ざめです。売春防止法の改悪もせまる現在の日本、労働環境改善を求めるセックスワーカーがどのような表現を求めているのかリサーチしたのでしょうか?
世間様から投げつけられている「悲惨な性労働」のスティグマに負けない映画になってますか?

あと映画に挑戦するのはいいと思いますが、映画表現になってない。舞台なら成立するのかもしれませんが、心の中を全て台詞で言うと、映画ではトゥーマッチ。映像見てなくてもなにが起こっているのかわかるのは映画じゃなくてラジオか朝ドラでしか許されない。喜怒哀楽や見せ場でっせの強調が過ぎるBGM、殴る効果音が入る時と無音の時がある謎。ドスで刺す際のギター。わけわからない工夫に予算かけるなら、映画用に脚本練り直した方がいいです。
上映時間は長ければいいってもんじゃないので、謎のカットイン編集よりも話の流れと山場をしっかり作ってしつこく入るギャグをカットしてほしい。
日常と仕事と戦後を描くテーマは良さそうなのに、ここまで余計なものを入れるとその度にファンタジーというかフェイク感が強化されてしまい、いいメッセージが頭に入ってきません。本当に残念。
この映画は呼吸をしている。
血が通っている。
観ている途中から、観終わった後にはさらに強く感じられる。

元々は結成二十周年を迎える、劇団前方公演墳のオリジナル劇。
監督も脚本も演じる役者も、舞台と同じメンバー。
名の知られた俳優も演出家もいない。
だが、四度の再演をした代表作だけに、役者同士の掛け合いは
乱れることがない。
昨今のデジタルによる映像作りではなく、生撮りでのライブ感。
この作品を演じられるのは自分たちだけ、という熱い脈動が
スクリーンの向こう側から、息遣いとなって届いてくる。

奇跡の映画でもある。
クラウドファンディングを締め切り直前に達成し、自らの手で
ロケ地を探し、わずか五日で撮影を完了。
初上映は、あの「カメラを止めるな」を世に送り出した
新宿K’sシネマ。
大阪シアターセブンでの上映を終え、ミニシアターの老舗、
渋谷UPLINKでの二度目の上映が12月8日から始まることが
決定している。

冗長にならずテンポよく進む展開は、144分という時間を感じさせない。
戦後の復興期に、その日その日を、手を取り合って必死に生きてきた娼婦たち。
敵国アメリカ兵に体を売るなどと、世間から蔑まれさえした彼女たちがどう生きてきたのか。
スクリーンで確かめるしか術はない。
映画という舞台で演じられた演劇作品という印象。ストーリーに込められた愛の数々と作品に対しての愛がすごく伝わってくる暖かい映画でした。
小一郎

小一郎の感想・評価

3.4
人気舞台の映画化。まずまずの長尺にもかかわらず、面白く、飽きることはなかったけど…。

終戦直後、アメリカ軍の支配下にあった東京で、パンパンガールと呼ばれていたアメリカ兵相手に体を売って生活する女性達の物語。ただし、男性はアメリカ兵ではなく日本人が中心だった。

いずれもワケありな女性達のもとに、これまたワケありな男達がやってきて、一組ずつ様々な悲喜劇を演じる、という感じかな。

それぞれ面白かったり、切なかったりするのだけれど、やや散漫に感じたかも。物語全体を一本通すような背骨というかビシッとした芯のようなものを、自分は掴むことができなかった。

●物語(50%×3.0):1.50
・涙あり、笑いあり、なのだけれど…。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・役者さんたちの演技は見応えあり。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・まあまあ。
aw

awの感想・評価

4.9

このレビューはネタバレを含みます

※何回か観ましたので下の方に追記します。

エネルギーを貰いました。
この作品に出会えてよかったです。

演劇を映画にしたことで、どちらか片方だけが好きっていう人とか、リアリティ重視の方によっては合わないのかもしれません。

そんな私は映画も演劇もど素人。
どちらも造詣が深い訳ではありません、
そうだからか、そうじゃないからか、
楽しめました。満足です。
また何度か観たいです。

今は私の中では映画ブームですが、
演劇もいいなと思わせていただきました。

あと、パンフレットも良かったです。
想い、伝わりました。



(追記ここから)
なぜ自分はこの作品がこんなにも好きなんだろう。
分析しようとすれば出来るんでしょうけど、
整理できないし薄っぺらーくなりそうです。

なので他の方のご意見・ご感想を参照ください。この作品が好きって人と僕は同じ意見ですから。


ただ、これだけは言っておきたい。
「演劇を映画にするなら映画じゃなくて舞台を録画すればいい。映画にするなら演劇じゃなくてちゃんと映画にしたらいい。」
そんな意見も目にしましたが、
僕はこのご意見には大反対。

この映画はこのスタイルでいい。
このスタイルじゃなきゃダメなんです。

舞台でやってきた劇団が
その劇団のメンバーで、
演劇のテイストを残して
「映画」を作る。

そこがこの映画の特徴でもあり、
いい所のひとつなんじゃないですか。

映画にするにあたり、あくまで演劇は原作・原案であって、映画化には劇団外のスタッフが劇団外の俳優が演じ、演劇とは全く違うテイストの作品に作り変える...
そういうのもあっていいとは思いますが、
この作品はそもそもそこは狙っていないんですから。

20年間、劇団として
自分たちでやってきたことを
自分たちのやり方で映画にしたい!

その思いが込められているわけです。
それがこの作品からは感じられます。

だから、演劇のテイストを無くしたら、
この劇団の歴史に関係ない人が関わり過ぎたら、
重みのない薄い薄い作品になってしまったと思うのです。


今まで、映画はスタッフや役者の思いがどうとか予算がどうとか撮影でどう苦労したとか、そういった背景は関係なく、出来上がった作品そのものを出来るだけ客観的に評価するものだと考えていました。

でも、最近は少しずつ考え方が変わってきています。

人が作っているものなんだ。
そこに込められた思いがあるんだ。
それら背景も含めて、
総合的に、
観ている側の個人的事情も含めて
映画を評価していいんじゃないかと。

だから僕はこの映画「セブンガールズ」は
いろいろひっくるめての評価です。

平坦な日々を生きている
いや、死んでいないだけだった僕に
それでも生きろと、
どこかに居場所や仲間はきっといると、
好きなことはやっていけと、
変わっていってもいいじゃないと、
変わらなくたっていいじゃないと、
言ってもらったようで感謝しています。

もちろん作品としても、とても面白いんですよ。
ノンストップで続く群像劇。
時間の経過を気にしないで最初から最後まで楽しめる傑作です。

そこに更にプラスアルファを感じる、
ということなのです。


素晴らしい作品をありがとうございました。まだまだこの映画を観ていたいです。
macaroon

macaroonの感想・評価

4.5
ミニシアターで、映画を観る楽しさを、教えてくれた作品です。不思議な世界観と面白い編集をしているなーと思いながら、時間の長さを忘れて、観てしまいました。また役者さん、美術、音楽・・・と全てが「主役」に感じられ、一人一人がとても輝いていた作品です。
人のたくましさや、凛々しさ、清らかさも表現されていています。作品のテーマや内容の好き、嫌いはわかれるかも。ただ、人が生きていくうえで、かかせない『なにか』を教えてくれる映画だと思います。映画を本当に好きな方たちに、是非観て欲しい作品です。

2018年に旗揚げ20周年を迎える劇団前方公演墳の同名舞台を、クラウドファンディングで資金を集めて映画化です。
UPLINKで、たまたま見た感じ。

演劇らしい表現が多くて新鮮。
謎の極端に短かいカットとかあったけど笑

ただ、演劇のメンバーが監督含めそのままのメンバーで実現したかった作品、という想いはひしひしと感じた。
そこも含めての群像劇なのかなと。
映画ができるまでのドキュメンタリーもあるなら観たいな〜
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