草原の輝きの作品情報・感想・評価

「草原の輝き」に投稿された感想・評価

ひでG

ひでGの感想・評価

4.1
これもかつてのテレビ洋画劇場で放映したかもしれないが、今回が初見。

あの「エデンの東」から7年後、エリアカザンの名作。
いやあ〜思ってた以上に懐の深い作品。「エデンの東」より好きかも。

いろんな切り口がある映画だけど、
まずは、若者の「愛と性の関係を描いた」という視点。

アメリカ映画でも、日本映画でも若いカップルがすぐ?キスをする。特に日本の若い子向けの映画なんかは、キスが最終地点!的な描き方をしてるのが目に付くけど、
当然、その先へ、っていうモヤモヤや興奮や欲望はあるはず。

この映画、ファーストシーンがウォーレンベイティとナタリーウッドという美男美女のちょっと激し目のキスシーンから始まる。
愛し合う2人。
ウォーレンベイティー演じるバッドは、ナタリーウッド演じる ディニーに、その先も求めてくる。若いなら、愛し合う2人なら、当然の流れである。

しかし、これもちょっと意外なのだが、アメリカっていうと全てがオープンなようだが、50年前の地方都市では、結婚前の性行為はタブーに近く、彼らの両親ともそのことを口に出して反対、心配している。
「お前、まさかあの子と最後まで行ってないだろうね?」と。
まるでアジア映画を見ているよう。こんなにお硬かったっけ?アメリカって、

とにかく2人の周りの大人がうざい!
その干渉がウザい!
特にディニーの母親とバッドの父親。この2人の干渉親に関しては、本作の真のテーマにつながるので、後述する。
まあ〜周りの大人のこのしょーもない態度!

表面的な恋愛劇として眺めていくと、
恋愛を発展されるのに何の障害もない若い2人を、周りの大人が寄ってたかって邪魔する映画とも言える。

が、表面的には邪魔をしているように見えるが、正確に言うと大人たちは、「答え」を持っていないのだ!

象徴的なシーンがある。
バッドが町の医者に相談する。
「僕、ディニーを愛しています。だからセックスしたくなっちゃうんです。抑えきれないんです。どうしたらいいんですか?」
意を決して口に出したバッドに対して、医者は全く答えることができなかった。

彼らの最大の悩みである「愛と性の葛藤」について、大人たちは答えることができない。

答えられないならまだマシ。
ディニーの母親も バッドの父親も、とんでもないことを押し付けてくる。

母親は、
「女はそんなこと=セックス、なんて誰も望んでないのよ。私だって結婚後にお父さんかそう望んだから、それと子供を産むためたけにしたのよ。」

父親は、
「バッド!モヤモヤする若い時の気持ちは俺にもあったぞ。そーゆーのは、どっかの安い女とやって解消すれはいいさ。女なんて誰でもおんなじさ。」

この2人の何たる異性感、人間観、
新作も含めても最近観た作品中でもトップクラスのウザ親。

でも、この親に対して、最初は反発しながらも2人は親の引いたレール上を歩き、やがて別れという最も望まない結果に至る。

ここでこの映画の最大のテーマが浮かび上がってくる。

それは、
「人生は最終的には自分自身で決断しなくてはいけない」ということ。

そのことを浮き立たせるために、かなりディフォルメして描いているのだろうが、
2人の親が子供に課した、そのバックボーンの薄いこと!
ディニーの母親は
「私も代々されてきたから」

バッドの父に至っては、経済的な支え【株価暴落】がなくなると、自らの人生さえ失っていく。

ディニーとバッドは、とてもいい子だ。だから、そんな親でも反発したり苦しんだりしながらも従おうとする。

そして、2人にとって、最も大切にしていたものを失ってから、初めて気付くのだ。


ネタバレあり


人生は自分で決めていくもの、と。
皮肉にも、その決断は、2人の道を分けていくことになる。

このラストの別れは、切なかったなあ、哀しかったなあ、
だって2人は悪くないんだもん、、

でも、巨匠は、悲恋だけでなく、
ちゃんとバッドを、バッドが選んだ今を、
リスペクトしている。

小さな場面でも、演出が冴え渡っている。
世間的に「エデンの東」ほど取り上げられていないけど、名作です!
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.8

若い頃はその時の一瞬一瞬が何よりも大切で、それがだめになったら何もかも失ってしまったのかと思うほどに絶望する。
本当はそんなことないのだけど、それくらい若者は刹那的に生きている。

そういった若者の成長の様子を美しくも現実的に描いていて、好印象だった。

若者の話だけでなく、親のエゴが絡んできて親子の話でもあるところがよかった。
ちょっと内容は違うけれど若者の成長と葛藤の話と親子のいざこざの話という点では、最近の作品の「レディ・バード」とちょっと似ているかもしれない。

ただ、この映画は1920年代の世界大恐慌真っ只中のアメリカが舞台であるというのもミソなのではないかと思う。
だからこそ将来への不安が一層大きかったのだろう。

タイトルの「草原の輝き」が出てくるワーズワースの詩の1節がまさにこの映画のテーマになっていて、本当にその通りだなと頷きたくなる。

Though nothing can bring back the hour
Of splendour in the grass, of glory in the flower;
We will grieve not, rather find
Strength in what remains behind...

まさに青春時代の輝きを美化しすぎず、人生の糧として前向きに捉える姿勢にとても共感したし、人生の教訓としても素敵な映画だと思う。
凝り固まった親の価値観のせいで引き裂かれた美しいカップルの喪失と再生の物語。劇中でも引用されるワーズワースの詩の一文がタイトルにもなっています。「残されたものに力を見いだすのだ」
若い二人はきちんと人生に向き合って前に進みます。切ないけれど立派でした。名作です。
こづ堂

こづ堂の感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

女が焦らしすぎて、男を失い、メンヘラになる悲しい話だった。ただ、役者の表現力が高く、衣装も美しく、壮大な作品になっていた。
記録
世界恐慌になる前のアメリカを舞台に1人の男と1人の女の青春恋愛物語。詩人の詩を主題に主人公たちのあまりにも悲劇的に切なく描いている。W・ベイティの出世作ではあるが、この映画は唯一N・ウッドの名演が光り、彼女は自らこの役に望んだ作品である。
ほべ

ほべの感想・評価

4.0
昔の、叙情的な音楽で始まる映画すきだなあ…良いシーンもたくさんあった。
恋愛にまつわるタラレバ話はラ・ラ・ランドとかにも通ずる普遍的なテーマだと思うけれど、情熱的で情緒不安定な青春を超えて大人になる瞬間がもう…良い!ワーズワースの詩を軸にすんなりまとまっている、とても綺麗な映画でした
yadakor

yadakorの感想・評価

1.0
この偏差値38くらいの感じ、(エリアカザンに共通してて)見てるだけで頭どうかなっちまいそう
ほんっとうにただただ他人のお人形遊びを2時間見たというだけ

このレビューはネタバレを含みます

○こういうあまり良い気分にならない映画は見ていて辛い。主人公たちが自分たちの力で現状を打破していく方向ならなと。

○辛さ、切なさは最後の詩が代弁してくれる。
1920年代のアメリカを舞台とした青春映画。青春映画なんだけど、よくある皆で青春謳歌しようぜ!的な感じではないです。むしろその真逆。

多感な青春時代に親や時代に振り回され、歯車が狂っていく2人の男女。
その2人の複雑な感情を見事に描いていましたね。それを演じた主演の2人も素晴らしい。

あんまり見ててハッピーな気持ちになれる映画ではないですが、一度見ても決して損は無いと思います。
三鷹オスカーで鑑賞。(二本立て)

ウォーレン・ビーティ(当時の表記)とナタリー・ウッドの「性を考える青春映画」。

現実と映画の中の話をゴッチャにするのは良くないかもしれないが、実際に、某映画監督と肉体関係まで持ったナタリー・ウッドが、この映画における貞操を守る女性を演じることに違和感をおぼえた。
>|