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オフィサー・アンド・スパイのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

3.8
ロマン・ポランスキー監督が、ロバート・ハリスの小説「An Officer and a Spy」をもとに、歴史的な冤罪事件“ドレフュス事件”を描く。
ベネチア国際映画祭銀獅子賞受賞。
原題:J'accuse
(2019、132分)

1894年、フランス。
ユダヤ人のドレフュス大尉(ルイ・ガレル)は、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告され、フランス領ギアナ沖のディアブル島(悪魔島)で流刑生活を送ることになった。
前任者サンデール大佐(エリック・リュフ)に代わって新たに防諜部長の座に就いたピカール中佐(ジャン・デュジャルダン)は、ドレフュスが書いたとされる密書の筆跡が、実は別人、エスティラジー少佐のものである証拠を発見する。
ところが、軍の上層部は組織ぐるみで事実の隠蔽を図り、ピカールは左遷される…。

~登場人物~
①反ドレフュス
・アンリ少佐(グレゴリー・ガドゥボワ)
・ゴンス将軍(エルヴェ・ピエール
・メルシエ将軍(ウラディミール・ヨルダノフ
・ボワデッフル将軍(ディディエ・サンドル)
・ビヨ将軍(ヴィンセント・グラス)
・ベルティヨン筆跡鑑定人(マチュー・アマルリック)

②ドレフュス擁護派
・作家エミール・ゾラ(アンドレ・マルコン
・ラボリ弁護士(メルヴィル・プポー)
・ドレフュスの兄

③その他
・ピカールの愛人、ポーリーヌ(エマニュエル・セニエ)

ドレフュス事件を正面から真摯に扱った作品。
軽妙な役柄の多いジャン・デュジャルダンが、真面目に演じていて新鮮かつ好演。
ラスト・シーンは、○○も"ユダヤ人差別"については体制派であること、差別問題の根は深く、すぐには解決しないことを示している。

~ドレフュス事件の経過~
・1894年夏、ユダヤ人陸軍大尉ドレフュスが無実の罪で逮捕される。
・1894.12.22 、ドレフュスに軍法会議で有罪判決。
・1895年3月、ドレフュスはフランス領ギアナ沖のディアブル島に送られる。
・1896年、フランス陸軍情報部は、情報漏洩者がエステルアジ/エスティラジー少佐であることを突き止める。
・1898.1.11 、(ドレフュスの兄はエスティラジーを告発→)エスティラジーは軍法会議で無罪となる。
・1898.1.13、 エミール・ゾラが新聞に「私は告発する」と題する公開状を発表。
・1899.9.9、ドレフュスは再び有罪となるが、エミール・ルーベ新大統領が特赦を出してドレフュスを釈放。
・1906年、破毀院(La Cour de Casation)が有罪判決を破棄。ドレフュスは無罪となる。
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    ①3.3以上が鑑賞のめど。3.5(特に3.8)以上がおすすめ。4.0以上が最高。 ②ベスト10は製作年順。 ③レビューは2年1月以降(再)観賞作品のみ。 ④フォロバはしません。誤字脱字も含め悪しから…

    ①3.3以上が鑑賞のめど。3.5(特に3.8)以上がおすすめ。4.0以上が最高。 ②ベスト10は製作年順。 ③レビューは2年1月以降(再)観賞作品のみ。 ④フォロバはしません。誤字脱字も含め悪しからず。