前科者が社会復帰しようともがく姿の悲喜交交が時にシリアスに、時にコミカルに描かれており、良くも悪くも「ああ、人間ってこうだよな」としみじみ感じました。
役所広司はキャラクターの実在感がひとりだけ段…
本当に真っ直ぐで真面目な方なんだろうね。
正義に立ち向かえないのは、きっと想像絶する苦しみで、もう一度捕まるのと丁度天秤にかかるくらいなのかなと思ってしまった。
少し、正義の貫き方が違っただけなの…
前半はよくある難しい系のおじさんが更生していく系かと思ったけど、さすが原作を元にしてあるだけあってリアルに溢れていて良かった。
演出と音楽のたまに出るドヤ感に少し冷めつつも、役所さんの演技が素晴らし…
前半、不器用すぎるおっさんへの「イライラ」っていう感情で観ていて
最後、おっさんに対して「これからだろ!」と応援する気持ちに変わってるのは
おっさんが好きなんではなく、おっさんを支えている周りの人へ…
社会性取り戻そうとしても、意志に反して取り巻きやこれまでの過去がそうさせない
、慣性ひきずる感じ、リアルだった。
西川美和監督ってこういう、辛いんだけどホントそうだね、ていう描写に長けてらっしゃる…
こんなにも感情が揺さぶられる映画に久しぶりに出会いました。
一度社会からあぶれてしまった人間の社会復帰の難しさ。
誰しもが社会と自分との関係で悩むことはあると思いますが、苦しいほど共感する場面が…
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会