ペテロの帰り道の作品情報・感想・評価

「ペテロの帰り道」に投稿された感想・評価

絵本みたいな不思議な世界観で、喧騒のない落ち着いた雰囲気が心地良かった。

弁当のおかずをあげたり、シーシャまわしたりする何気ない行動に対して、コロナの影響で違和感を感じてしまいつつも、その分、愛おしくも感じた。色々変わってしまったなー(漠然)
minorufuku

minorufukuの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

通信制で高等教育を受講しているヒロインは、財布を拾ったことをきっかけに50代くらいのおじさんと出会う。彼は自分のことを「神様」と名乗っていた。それから度々ヒロインは散歩途中のおじさんと遭遇し、交流を深めていくのだが、ある日おじさんは忽然と姿を消してしまい......という話。

進路や育ててくれた家族への思いに悩む多感な時期の高校生の心の揺らぎを瑞々しく描いている作品。謎めいたおじさんをはじめ、ヒロインが出会う様々な人々との対話を通じて彼女自身も明確にできない悩みや不安がゆっくりと浮かび上がってくるところが丁寧で心地よくて好感がもてた。ロケーションの選び方が絶妙でとても印象的な画を取る監督さんだなあと感じた。 カレーの匂いは誰かが誰かを待っている匂いというのは良い表現。
おじさんとの出会いのシーンのあとに、ヒロインや他の人物がその馴れ初めの説明を何度か繰り返す流れがややクドいかなあと。また、ここは評価分かれそうだが、幼い時に父を無くしているヒロインの心理や母との関係性がはっきり描かれていないためややヒロインに感情移入しにくい作りになっていたかもしれない。おじさんの正体が曖昧なままで終わる点は個人的には良かったと思った。

鑑賞後、舞台挨拶があったのだが、主演の女優さんが17歳なのにすごく大人びていて驚いた。次回作のヒロイン役の方も登壇されていたが可愛い感じの人なので次ぎも期待大。

エンドロールで出てきたお弁当担当という記載がクスりとさせられた(^^)
薫

薫の感想・評価

3.4
主要な登場人物は主人公と神様だけ。
他の人物は2人の物語に寄り添うだけ。

純粋な少女が少しずつ変わっていく、
汚れるわけでも大人になるわけでもなく。

街のコミュニティに根付いた、
見る人にとっては宝物になる映画。
父親を亡くし将来に悩む女子高生が、“神様”を名乗る不思議な中年男性と出会う話。

ハキハキ話す主人公とボンヤリと話す神様のコントラスト、そして教会や神社、建物の屋上など、天界を想起させるロケーションが印象的。



自分のことを必ず誰かが見ている。
少なくとも、神様は見ている、と。




終映後、出演者とプロデューサーによるトークショーが行われました🗣

役作りや他の俳優との接し方の難しさや、現場の雰囲気などについて、楽しそうにお話しされていました😊
全く前情報無しで観ました。
ロケシーンの天気が気持ちよくて、全体的夕景に見えて、とても良かった。

主人公は財布をネコババしたり、決して良い人では無いのはリアリティあって良かったけど、それに反して出会った人がとてもフランクだったりして、人物の描き込みの差を感じた。

あと味噌煮込みのシーンは必要だったのか?そんなシーンも多かった。もう少し物語に組み込んでも良いんじゃないかと。
岡田結実のシーンは浮いてて、あそこは大人の事情的なのを感じた。ああいうのもうまく話に取り込んだら効果あるのに。

ワンシーンワンカットの作りは見やすかった。
が、バー?の場面は出演者が思い思いに喋って、声がぶつかりまくり少しうるさいかなと。監督はリアリズムでやったんだと思うが、微妙にストレスだった。

でも、この映画がダメなわけでは無いです。
こういう映画もあるんだな。

四日で撮ったのは感心。
ワンコ

ワンコの感想・評価

3.8
【彷徨う神様】

八百万の神様なんて云うが、僕は、ひとりに一人の神様がいると思う。

ネコババはダメだよとか、
まだ高校生なんだから、夜遊びはやめなよとか、
せっかく家族が応援してくれてるんだから頑張って勉強しなよとか、
社会と向き合ってみなよとか、
ボランティアは良いことだよとか、

これは、一人ひとりが持ってる神様の声だと思う。

何か、道徳心とか、正義とか、優しさとか、希望とか、そういうものの塊が神様なのだ。

残念ながら、無いって人もいるかもしれない。

それに、世の中が複雑になりすぎて、何が正しいのか分からないことも沢山ある。

だから、神様も迷うのだ。
場合によっては、彷徨っちゃうかもしれない。

でも、打算とか、因習や習慣だからってことじゃなく、自分自身に問いかけてみたらどうだろうか。

結構、それなりの答えに辿り着く気がする。

一人ひとりに神様がいる。
絶対、これは正しいと思う。

こうして生まれる調和の方が、宗教に押し付けられた秩序よりも、素敵な気がする。

僕はお寺の血筋で、縁あって神職の資格も持ってるけど、本当にそう思っている。
コロナ禍による度重なる緊急事態宣言発令や、長引く雨で下を向いてばかりで空を見上げることも少なくなっているこの頃だが、本作を観るとヒロインの水華をはじめとしたキャラクターたちのように抜けるような青空を仰ぎたくなる。
水華は幼い頃に父親を亡くし、通信制の高校生ということもあって友人も少なく、たまに放課後等デイサービスで働く兄の満と会うくらいで、住んでいる建物の屋上に自分の居場所である“秘密基地”で過ごしている。
そんな彼女が自称「神様」の不思議なおじさんと出会ったことから少しずつ変化していく。
このおじさんとの交流で触発されたことで年上の友人が出来たりして、以前よりは世界が少し広がる。
17歳の水華は子どもから大人への過渡期にいて、或る意味、とても不安定。
父親という人生の道標となる存在がおらず、これからどう人生を歩んだら良いかビジョンもない。
そんな時に現れた不思議なおじさんは、恰も彼女の人生をちょっと“軌道修正”する役目を負った存在のようだ。
兄の仕事にも触れることで視野も広がったように感じられる水華だが、彼女に影響を与えた「神様」はいつの間にか風のように去っていく。
最後の最後のシーンで水華の視線の先にあるものに優しさや温もりを感じた。
幼い頃に父を亡くしていて、高校は通信制で友達もいない、そんな女の子の水華。
彼女は財布を拾ったことがきっかけで神様を名乗るおじさんと知り合います。最初はボケちゃったおじさんと思っていた水華ですが……というストーリー。
自分がこんなおじさんに出会ったら興味本位で仲良くしちゃうかもなーと思いました。自分の場合、ダブルおじさんになってしまうので二人で喫茶店でクリームソーダを飲んでいたら絵的にちょっとなとか妄想しながら観ていました笑

主演の吉田あかりさんはこの映画が初主演だそうですが、堂々とした演技に見えました。まだ17歳だそうでこれからもっともっと映画で観る機会が増えればいいなと思える期待の新人です。
舞台挨拶で感極まって泣いていたんですが、監督がこういう世界にいるといろんな意味で大人になってしまうからこういう感情を持っているのが素晴らしい的なことを言っていて共感しました。
映画で感動して泣くことはあっても、嬉し泣きなんて何十年してないかなぁ。

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