スターダストのネタバレレビュー・内容・結末

『スターダスト』に投稿されたネタバレ・内容・結末

この頃ミュージシャンを描く映画が目立つ。
本人出演のドキュメンタリー、周りにいた人々の証言や過去の映像から迫るドキュメンタリー、役者が演じる伝記的ドラマ。
本作「スターダスト」はデヴィッド・ボウイを役者でありシンガーでもあるジョニー・フリンが演じている。
ブレイク直前の1971年、アメリカでの数ヶ月に的を絞った、地味な時代を描く映画。
この映画、誰をターゲットにしているのだろう?

世界に知られる伝説的アーティストの映画を作る場合、どんな役者をキャスティングしてもファンの幻滅や反感が湧き起こるのは避けられない。特にその容姿や声をこよなく愛する熱烈なファンが存在するボウイの場合は。
ジョニー・フリンはこき下ろされている程酷くない。第一勇気がいった事だろう。そっくりさんではないけれど、時々ボウイを思わせる発音やイントネーション、笑い方、声の出し方をしていて、かなり頑張っていると思う。「世界を売った男」のジャケット写真以外の写真と比べたなら、結構似ているところもある。生ギターを座って弾いてるところとかも。
角度によってはジギーの姿のジョニーにも美しさを感じることもあった。第一ボウイ自身がカメレオン的な被写体だからね。
ただ、体の線はいくら頑張っても違い過ぎ。
そのクセにボウイの歯並びの悪さを強調する、あの歯の演出はなんなんだ?(ボヘミアン・ラプソディのフレディの出っ歯の強調も酷かったけど)。ジョニー・フリンが気の毒になったわ。彼は歯並び、悪くないので。

実はこの映画の本質はロックショーを描く物ではなく、バディ・ムーヴィーであり、ロード・ムーヴィーだ。マーキュリー・レコードの宣伝マンのロン・オバーマンが、ボウイのアメリカでの唯一の理解者、崇拝者として登場。ボウイと二人、彼の車でアメリカ中をドサまわりするうちに、一躍世紀のロックスターとなる「ジギー・スターダスト」へのヒントを得る。みたいな話に作られていた。
オバーマンに「レジェンダリー・スターダスト・カウボーイ」のレコードを手渡され、イギー・ポップが地球一イカれたヴォーカルだと語って聞かされると、「ヴィンス・テイラー」はもっとぶっ飛んでて、ステージ上で自分はエイリアンの神と名乗ったエピソードで返す。
こんな感じで。

ヴィンス・テイラーがジギーの敷石になっているとボウイ自身がが語っているし、ジギー・スターダスト」の名前は、このイギー・ポップの名前(IGGY)とレジェンダリー・スターダスト・カウボーイが由来であると言われている。が、オバーマンとの会話で思いついたという事実はないだろう。
監督もこのオバーマンは『映画バージョンのロン』だと言っている。

「1人の信者が世界を変える」というテーマ自体がどうやら映画の創作。

だとしたら、この映画は完璧にオリジナルストーリーであり、ボウイである必要がない。
成功前夜のミュージシャンの自信と不安ここにあり。なバディものでいいはず。
精神病に対する恐怖とか、英米のカルチャーのギャップとか、そんなの置いておいて、ストレートにロックスターを育てた一パブリッシストとの友情物語の方が感動できるだろうに。

事実を曲げている部分も気になる。
1971年、ワシントンD.C.から物語は始まるが、この年はボウイにとって空白の年ではない。映画でも妻アンジーのお腹が大きくなっているように、息子の誕生という大きな出来事がある。新たにRCAとレコード契約を結び、そして1971年12月発表の名作『ハンキー・ドリー』のレコーディング。
しかし、新アルバムはなかった事にされ、一言も触れられない。
あのですね。『ハンキー・ドリー』には
Changes 
Oh! You Pretty Things 
Life on Mars?
という、今でも大好きなこれらの曲があるんですよ。ベストアルバムには初期の代表作として必ず入ってくるような曲ですよ。
特に「Life on Mars? 」のPVは今でもボウイ初期の象徴とも言える怪しく美しくポップな傑作です。ボウイも転機になったアルバムだと述べています。
これを無視していきなり1972年ですか?しかも突如ジギーが出来上がってる?
違うんですよ。いきなりブレイクじゃないんですよ。

ボウイの権利管理団体から、この映画に対して一切の協力をせず、ボウイの楽曲の使用も許可しないと言われ、ボウイの曲は一曲も流れません。他の映画には色々使われてるのにです。
恐らく他人がボウイを演じる事に協力したくないんでしょうね。
しかし、いかんせん、ボウイの曲が使えないというのは痛い。特に最後にジギー・スターダストを観せたいのなら、致命傷。
 
それでも描きたかったような話だったのか?
というのが、大きな謎。
兄や母の精神病の影響が自分に及ぶのではないかと恐れ、自分の求めている物が定まらず、不安な心に揺れるボウイ…?
いや。別に、彼も弱さを抱えた人間だったんだなとか、別に映画に教えてもらう必要ないですから。David Bowie Is を観た方がいいでしょ。

ボウイのファンでもある監督が、ボウイの映画を撮ってみたかっただけ?
自分が知っていると思っているボウイの姿を自分だけが表現できると信じていた?
ファンなのは認める。
ジギスタのライブ映像の再現シーン(曲はまるで別物なのに)ちゃんとカメラワークとかそっくりに観せてたし。衣装も似て非なるデザインで工夫していたし。そこまでしても撮りたかったのねとは思う。

でもね。他のファンが観ても喜ぶ映画を作った方がいいと思うわ。

ボヘミアン・ラプソディが、なんでウケたと思う?The Beatlesのコピーバンドがなぜ商売になると思う?
ファンがありがたがっているからなのよ。
今となっては観られない、聴くことのできない、当時の姿を体感したい。それだけ。

その意味でもこれは全く全くありがたみのない映画だった。


『ムーンエイジ・デイドリーム』
ボウイの創作、音楽、精神の旅を描いた長編ドキュメンタリー映画が9月16日に世界中の映画館で上映。日本では2023年3月に公開決定。
トレイラーだけで100倍インパクトがある。
あまりに違いすぎる…
主人公の声・歌声がボウイにすごく似ているような瞬間があってどきっとする。
デヴィッド・ボウイが精神病・狂気の遺伝を恐れていたことと、ジギーのようなペルソナを使ったことや、作品ごとの著しい変化を、結びつけて描かれているようだ。音楽を使えない分、心の面に焦点が絞られている感じもして、面白いところもある。
ボウイはとても紳士な人みたいで、イギー・ポップみたいなナチュラルクレイジーにはなれない。だからジギーみたいな仮面を自分に被せて演じていた、という見方もあり、また、それで自身の精神のバランスをとっていたという見方も。
兄の存在がとっても大きい
うわー!がっかり。めちゃくちゃ退屈。全然グラムじゃなかった。ベルベットゴールドマインみたいなきらびやかな感じだと思ってたから余計がっかり。
ボウイ役もなんだかもっさり、顔が悪い。なんとかラストまで観たけど、これはあかん。ダメ。

 こちらの「スターダスト」は劇映画。
 71年実質的2ndAL『世界を売った男』リリース後、プロモーションで渡米したDBの姿を描く。
 主演のDB役に、ジョニー・フリン。

 選りにも選って何故こんな地味な時代のDBを? ともおもったけども、
 後の華々しい変身と遍歴を考えると、とても重要な時期だったとも云える。
 創作の部分も多いけど、
 「このままじゃヤベェな」とDBが感じていたのは恐らく事実だろうし、アメリカで多くの影響を受けて吸収していったのも間違いではないだろう。
 アメリカでのプロモーションの旅は、宛らロードムービーのように展開してゆく。

 ジョニー・フリンのDBに違和感はないけど、どちらかと云えば後年のDBに似ている。
 本作でのDBは若いとはいえフラフラして落ち着きがなく、ちょっと印象が異なる。
 またラストは映画の構成上、「ジギー・スターダスト」まで時間が飛んでしまう。
 その合間に『ハンキー・ドリー』や「チェンジズ」のヒットがあったのになぁ…とだけは云っておきたい。
 つかね、
 本作最大の驚きはDBの楽曲が(使用許可が下りず)一曲も使われていないことで、だから「チェンジズ」もスルーされたし、こんな変則的な作品になったのだろう。
 それ故に、後々評価されそうな気もする。
ボヘミアンラプソディみたいなタイプを期待するとがっかり間違いなしだろう。

本人の楽曲の使用許可が降りなかったのはかなりの痛手で、あえて事前情報をいれずに観るとやはり肩透かしにはなると思う。


だが、伝記映画としては結構良い出来だったのではないかと感じた。
主演のビリーフリンは色々な人が触れている通り、あまりボウイには似てないんだよね。だから見始めた頃は違和感を感じるものの、ストーリーが進むにつれ段々ボウイっぽく見えてくる。話し方や佇まい、かなり研究したんだろうということを感じさせた。

ストーリー自体もユーモアもありつつ、人としてのボウイにフォーカスを当てたストーリーで振り返ると結構楽しめた。

ボウイファン向けの映画で楽曲なし、神格化されているに近い存在のボウイを扱ったこと、なかなかチャレンジングだが奮闘はしたと思う。
1971年スペースオデッセイ以降鳴かず飛ばずのボウイ。アメリカでのプロモーションが全くうまく行かない。受け入れられない原因に精神を病んだ家族を重ね自身がそうなるのではと益々気が滅入ってゆく。渡米中の体験から自身の方向性を明確にすることができたような下りだがその辺りの心理描写はなくいきなりジギー・スターダストにつながる。ボウイを全く知らない人がみたら「だから何なの?」と思うかも。演奏シーンもほぼ無い。ほぼ事実に基づくというキャプション。ボウイがアメリカでどういうことがあったかを知るのにはおもしろい。Iggy PopもStardust Cowboyも話だけ。出てこない。Lou Reedが出たと思ったらDoug Yuleだったりマーク・ボランが実に似てなかったりで鑑賞者を混乱させたり笑わせたり。Tony ViscontiをGuy Stevensと混同してるのではと思わせたり。わざとだと思いたい。この映画の主人公のように何を表現したかったのかが今ひとつつかめない。
20211110
ボヘミアンを求めて見に行ってしまったが、全然別物
そもそもデヴィットボヴィの勉強のつもりだったけど、俺には難しかった…
一人で良かったと思っちゃったよ
 ボウイの曲が使えない制約がある中で、『スターダスト』は、「伝記映画とは何か」という問いに一つの答えを提示することに成功している。

 偶然か必然か、ジョニー・フリンのビジュアルや動きが、ボウイにあまり似ていない点が素晴らしい。ボウイの伝記、と銘打ってはいるものの、ボウイの曲がないこと、主演俳優が本人に似ていないことが、スクリーンに描かれるボウイを、観客自身のボウイ像から遠ざける。あくまでも、あなたの心の中のボウイ、あなたが自己化してしまったボウイと、スクリーンのボウイは別物だと言っているように聞こえる。

 『スターダスト』は、表象されるのは自分とは異なる他者、あるいは他者の絶対性を踏まえた上で、特定の人物にアプローチしている。つまり、そこに表現された人物像は、あくまでも作り手が創造した人物像だ、という明確な線引きの上に映画が成り立っているのだ。

 私はボウイには特に思い入れが強いから、ボウイ本人を超えたストーリーを作り、それがボウイ本人であり、また私なのだ、と捉えてしまう。しかし、この映画は私に警告する。ボウイとジギースターダストが別の人格であるように、ボウイはボウイ、あなたはあなただ、と。

 『スターダスト』は、ボウイの完全再現の潔い諦めが根底にある。このキッパリとした諦めは、ボウイの曲が使えないこと、ジョニーフリンがボウイに似ていないことに支えられている。お陰で、観客は伝記映画に描かれた人物が表象する、他者性に触れることができるのではないだろうか。伝記映画は、描かれる人物を通じて、心の中の自己化してしまった人物像を引き剥がし、絶対的な他者性に向き合わせる可能性を秘める。

 そもそも、ボウイのオリジナルの曲が聞きたいと言うのなら、家に帰って聴けば(笑)と思う。
何の予備知識もなくレイトショーへ、進んで映画館行くなんて五万年ぶり(体感)

途中で気付いたけどボウイの曲が使えない大人の事情があるらしい、アムステルダムを何度も聞かされるのはそういう事か。
ボウイの事をまぁまぁ知ってる者としては音楽的には非常に物足りないが、いろいろ小ネタは興味深かった。

ミュージシャンと営業マンがぶつかりながらも理解を深めるアメリカ横断ロードムービーとしては悪くないのかもしれない。

詳細はブログにて
http://soundsconf.jugem.jp/?eid=850
冒頭に「ほぼ」実話であると脚注される。
ボウイ、“ロックスター”の記録映画として観るのであれば、近年のボヘミアラプソディーの成功になぞらえて、この作品に対して物足りない感が出るのだろうなと予想はつく、陰鬱としていて、本人にとっては切実で苦しい悩みだろうが、まあ他の映画でも観たことあるし、なんなら本人の幼稚なわがままで勝手に失敗しているようにも見える、支えてくれる人もいるし、ドラッグや精神的な病としては、そこまで飛び抜けたどん底感はない。
あまつさえ圧倒的な音楽、ライブシーンなどによるカタルシスがあるわけでもない
栄光の裏には影や苦悩は潜んでいるという当たり前のことをただ描いている映画、
そんな映画は山ほどあると言えてしまうだろう
しかしこの映画を純粋に映画として見たときにこの作品をいい映画だと断言できる

なぜなら栄光が大きくなればなるほど、その影や苦悩はそれに比例して大きくなる。偉大な成功をした人にはそうあって欲しいという幻想を打ち砕く話だからだ。

どんな日常にもドラマが潜んでいて、毎日のありきたりなもの中に感動を見つけようとする作品は最近の流行である。

ボウイの日常は確かに全員にとって共感できる日常ではないかもしれない、しかし、日常の中での内面的葛藤は人間臭く、ロックスターを目指していなくとも、日常を懸命に生きている人間には深く繋がる部分がある

派手でなくてもいい、苦悩してもいい、大きな栄光の裏にある影や苦悩は深く澱んでなくてもいい、そこには個々の切実さがあるのだから、悩んで、もがいてあなたの成功を探そう。

そんな当たり前のことを当たり前に伝えてくれる映画
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