佐藤泰志の同名小説が原作です。
両側を海に挟まれた砂洲の街「海炭市」が舞台。
佐藤泰志の生まれ故郷の函館がモデルの街になります。
今作では、北海道の中都市で生きる名もなき人たちの小さな物語が…
どの話も淡々としていながらとても重く、息苦しい。
そして、どの話もわかりやすい終りを迎えない。
どんよりとした日常は、決して姿を変えず、物語が終わってもなお、どんよりとしたまま続く。
その、後に引く…
函館三部作の中でも一際暗い。
観光客で賑わうレンガ倉庫街や、函館山から見下ろす100万ドルの夜景の煌めきの陰で行き詰まった人たちの営みがあって、それは救いようもないほどに朽ちているのだけど、それでも…