害虫の作品情報・感想・評価

「害虫」に投稿された感想・評価

「あらゆる悪徳こそが人間存在の本質であり、善とはただかろうじて悪ではない状態に過ぎないのだと考えるのならば、およそこの世で最も真実らしくないものを――」
むちゃくちゃ良かったが、うまく言語化できない……。
SNSより少し前のネットの感覚、閉鎖的な場所で一人書き綴られる日記みたいなフィーリングをそのまま映画にしたみたいな。息苦しい。独善すら細ってゆく暗い青春。宮崎あおいが奇跡的に儚い。これも一種のファムファタル。『害虫』というタイトルがむちゃくちゃいい。皮膚のあかぎれ裂けるよなナンバーガールの音楽も。何度でも見返したい。
kazco

kazcoの感想・評価

4.1
臨界点ギリギリでいつ溢れるかわからない、溢れていてもどこか冷静な視点で見せる。
静けさと危うさをない交ぜにした空気をよくここまで閉じ込められたなって、自分でも何言ってんのかわかんないけど。

そして、ナンバーガールがハマり過ぎている。疾走する少女は歌詞から出てきたよう。
あとね、この時の宮崎あおいをこの役所でカメラに収めたっていうのは素晴らしい、大正義。
少しずつ少しずつズレてゆく
元々がズレていたのか
周りや環境でズレていったのか

多分どこにでもある話
ラストのその後の人生が
安易に想像できてしまう

これを最低なラスト又は
不幸せなラストとも取れるが

彼女自身は
幸せでも不幸せでもなく
流れてゆくんだと

きっとみんな女の子は
この境目で生きてる
彼女は道を進んだだけ

あと、手紙の
『私は今、平気で生きています。』の
とこが残酷にも取れるけど
これがリアルでとても好きです。
JTK

JTKの感想・評価

3.2
塩田明彦監督といえば「月光の囁き」という変態純愛映画(超お気に入り)の傑作があり、その完成度及び極私的偏愛度と比べてしまうとイマイチですかね。周囲のロリコンおじさんを翻弄するには宮崎あおいちゃんでは何かこう背徳の香りが足りないというか説得力がない。可愛いのだけれど。嫌いな世界観ではないだけに惜しいというか。
しかし、どの日本映画見ても光石研さん出てきますね(苦笑)
しの

しのの感想・評価

3.5
羽が舞う冒頭から、いい映画感が漂う。
高校の時に観て、大好き!と思った映画。今観るとややヒリヒリしすぎるけどやっぱり素晴らしい映画。27歳を目前に見返しました。

サチ子(宮崎あおい)自身が害虫でありゴジラだ。あんな女の子になりたいと思った高校生の私。思い出した。無理に決まっとる!恥ず!

家庭環境がよくない宮崎あおい不登校の宮崎あおいなんか同級生より妙に大人びて見えるそんな宮崎あおいに憧れるナツコこと蒼井優。私はどちらかと言えば蒼井優的なそうゆうタイプでしたね、まさに。
レイプシーンのドアの使い方と撮影がめちゃめちゃドキッとした。宮崎あおいが走る止まるの一連の撮影もいい。宮崎あおいとたまの人があそぶシーンも最高。

このレビューはネタバレを含みます

世間一般にいう「良い子」の中に馴染めない、家庭に問題を抱えた女の子の闇。

シングルマザーで唯一頼りたいはずの金髪ルックの母は、男に依存しすぎてメンタルが不安定。母の視線は娘である自分ではなく、男に向いているという状況でそこに信頼関係はない。

サチ子は感情に乏しい訳では無く、不良少年達には普通のかわいらしい、活発な女の子の顔を見せて積極的に輪に入ろうとしているが、学校や家では無表情で無感情。
精神年齢が周りよりも高いのか、同年代の「良い子」達を冷めた目で見ている。

自分の居場所を探して、不良少年達とつるんでいるが、やはり人間関係を作るのは苦手なのか、もう一つ壁を乗り越えて仲良くなろうとは出来ないように見えた。
不良少年タカオへ好意を持っていたはずだが、彼が唐突に行方をくらましても探そうとした気配はなかった。

サチ子はいつも状況を淡々と受け入れて、また無表情になる。それは母の交際相手から襲われた時もまた同じだった。

クラスメイトの夏子が何とか学校に来れるようにがんばる姿は、これはこれで健気で良い子なんだけど、サチ子には伝わらないことが切ない。

ラストシーンで、先生がようやくやって来たのにサチ子は声をかけることはしなかった。
観る人によって、どうとでも解釈できる作りだけど、もしも再会したとしても、私にはこの先生がサチ子を闇から救えるほどの存在にはとても見えない。
サチ子は先生とすれ違った事も、ただ淡々と受け入れたのだと感じた。

ちなみに、作中で宮﨑あおいが笑うシーンは数えるほどしかないのだけど、その笑顔の破壊力にはやられますよ…
kg

kgの感想・評価

2.0
内容とあんま関係ないけど、冒頭の校門のシーン、今こんなことしてるとこまだあるのかな?
死亡事故以降は、あまりやらなくなったはず。

俳優陣が、当時は駆け出しで今は大物、な人たちがたくさん出てます。
kos

kosの感想・評価

-
家でも学校でも無い何処かや縦でも横でも無い関係の大事さみたいなもの
二宮

二宮の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなにめちゃ良かったのか

おとなの見方を持つ前、やわらかいままの世界との関わり方 吹き込まれた価値でなくその場で測っていく自分と他者の関わり 重さ 軽さ
悪そうな男も、どう悪いかほぼ出てこないんだよな 会ってる間のことしか分からない 悪いってどんな暮らしかまだイメージされない知らなさを見た感じがした いや話のテンポ的に省いたくらいかもな……
想像して気を使ってすることも分からない子供の世界そのままじゃないかな

子供の肌や髪、土手や夕暮れの町、そんなものが、作為も要らず単純で素朴に美しく妖しいことも思い出させてくれる

自分がじっさい同じ年頃だったとき観たらそんなに感じなかったのは、客観的に整理されたからとかだとまあ思いたい……
これを害虫、ゴジラと呼ぶ監督無慈悲だな
でも、ちゃんと育てるって言われることは親が価値観を与えてこんな真似させないことだってことじゃないかなとか思った そうしなかった業の塊って言い方はわりと筋が通ってて しかし何が正しいのか結論の出ないことだな 仕方ないのかなあ
あと強烈なロリコン表現 ナンバガ案外はまってた
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