害虫の作品情報・感想・評価

「害虫」に投稿された感想・評価

K丸

K丸の感想・評価

4.7
個人的には邦画の歴史に
名を残す大傑作だと思う。

なんだけど、この映画、どこがどう良いのか、
考えてみると上手く説明できない。
ハッキリと言葉にならない。

いや、技術的な良さを挙げることはできる。
BGMを使わないことで、物と物がぶつかったり
擦れたりする生活音を強調させていたり。
そうかと思えば突然音楽をいれて、
暴走的とも言えるような演出が始まったり。
直接的なセリフでなく、俳優達の含んだ演技によって
登場人物の感情を表したり。
手紙などによって断片的に事実を見せていったり。

しかし、そうした技術的な面だけでは
断じて、この映画の良さを説明し得ない。
ように感じる。

とにかく自分はこの映画を
技術がどうこうとかの理屈を超えて
「美しい映画」だと感じた。
この感覚は純文学に似ている。

上手い説明を思い付いたらまた書き足そうと思いますが、
今、書けることはこれくらいです。
疲れてて内容覚えてないけど、ナンバーガール流れた瞬間眼球と聴覚ギンギンに冴えました。Iggy Pop Fan Clubをギャルと聴くのが夢です。
まわりのクラスメイトもみんなちゃんと中学生ぽくてそこが良かった。蒼井優ちゃんが入ってるバトン部で1年生だけ半袖の体操服だったり、そういうとこにグッとくる。並んで歩くときに4人とも足が左右揃ってるのとか、子供っぽくて良かったなぁ。監督ニクいね
ryo

ryoの感想・評価

-
サチ子の行動にドキドキした。
危険な空気に身を置いてしまう彼女が
いつも危なっかしくて見てられなかった。
男の人を引き寄せるフェロモンのような
男の人を惑わす独特な匂いを放ちながら
運命を彼女自身が作り出してるみたいで。

男の人にとってサチ子は”女”だった。。
ellie

ellieの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一体、サチ子は男を寄せては男を狂わす、ファム・ファタールだったのだろうか。

全編に漂う退廃的な空気感が結実するとき、この映画のタイトル、害虫の意味がうっすらとわかる。

一見普通なのに隠しようのないほど強烈な香りを放ち周囲を翻弄するこの主人公、カリスマ性と潜在能力を秘めた当時の宮崎あおい以外見当たらない。

十代女子の残酷さも、それと対称的な男子の幼稚さも、下卑た大人の思惑も火炎瓶によるクラスメイトの家の火事も、嫌な後味を残すラストシーンも、すべてが意図されたリアルでまるでリアルじゃない、個人的に大好きな映画。
しゃび

しゃびの感想・評価

5.0
『害虫』というタイトルのセンスがとてもいい。

この映画における害虫はもちろん、宮崎あおい演ずる北サチ子である。この映画においては「害虫=乱す者」というような意味合いだろう。

サチ子は人を機械的に近寄らせる性質を持っている。コンビニでサチ子をつける男(石丸謙二郎)も帰り道からそれる時、少し迷いながら、魔法にでもかかったように引き寄せられている。

一方サチ子の関心の対象は刹那的なものばかり。喜怒哀楽が瞬間的にしか作動しない。それが本を無作為に選び取る仕草や、缶蹴りを楽しむ姿にもよく表されている。

社会には不文法のルールがたくさんあり、その制限のなかで人は活動している。強制的なルール変更を行う引力を持った存在は、 社会にとって害虫でしかない。

この映画で描かれているのは、一貫して社会と害虫=乱す者との間の不調和である。中学生という設定は映画との相性が比較的悪く、このテーマを描くには難しい部分も多いと思う。しかし、この映画はそれを逆手に取る形で見事に描ききっていると感じた。

宮崎あおい出演作としては、とても初期のものだが、個人的には代表作の1つと言ってもいいと思う。彼女の特徴の1つである、表情のギャップがとても上手く活かされている。
mayu

mayuの感想・評価

2.5
宮崎あおいが可愛すぎる。
蒼井優が可愛すぎる。
途中のナンバーガール最高すぎる。

サチ子が『害虫』なのかもしれないが
私的にはサチ子は『蜜』で
それに群がる周りの大人が『害虫』
って感じた……。
奏

奏の感想・評価

3.0
宮崎あおいと蒼井優の共演に惹かれて借りてみた。
ストーリーは???って感じ。
見ていて苦しかった。
監督は女性かな、と思ったぐらい。
女の人生は元々危ういものなんだな。
早いうちから自分というものが男にとってどういう存在なのか嫌でも自覚させられる。
やまこ

やまこの感想・評価

4.8
やるせなさと虚無感が残る、それでも観てよかったと思える魅力があった。
タカオがとても好き。
『害虫』ってタイトルが悲しい。

今見るとキャストとかちょい役に木下ほうかとか伊勢谷友介とか芳賀優里亜とか大森南朋とか出ていて面白い。

あと、サチの役に宮崎あおいで夏子に蒼井優というのが今だとむしろ逆のキャスティングの方が行人的には納得できるような感じがあるのもすごく時代を反映している気がして。

塩田明彦監督といえば私の世代だと悪名高い「どろろ」が印象に強いところですが、この「害虫」を観る限りなぜアレを作ったのかと問い詰めたくなる(まあ書籍で自戒していたりするらしいのですが)。全体的に雰囲気が黒沢清の「叫」っぽいんですけど、やっぱり川とか廃墟じみた建物が原因なのだろうか・・・。

ファム・ファタールな宮崎あおいというだけでゾクゾクくるんですけど、あの幼く自分でもわかっていないまま他者を陥れていくまさに天然デストロイヤーがたまらなくツボなのである。あれ、ラストをどう考えるかということで行くとむしろ伊勢谷が当たり屋青年と同じ末路になりそうな可能性がありそうで。

まあでも、不自由なまま自由を謳歌しようとして結局は袋小路に自らを追い込んでいるわけだし、最終的には緒方先生を巻き込んで道連れバッドエンドという未来も見える。

サチ自身が自らの感情に振り回されているというのがなんとも。しかしキュウゾウさんは放火犯として確実にムショ行きですが、それを考えるほどの余裕がないというかそれよりも逃避を選ぶのが実に中学生らしいというか。

それにしてもげに恐ろしきは蒼井優よ。宮崎あおいに積極的に関わっていきながらせいぜいダメージは好きだった人をNTRれただけなのですからね。母は自殺未遂、タカオはボコられ(まあ彼は常習犯ぽいのでサチがいなくても遠からずああなっていたでしょうが)キュウゾウさんは間違いなく豚箱行き。徳川も自業自得というかサチにまったくの落ち度はないわけですが、サチがいなければ夫婦として円満にやっていけたかもしれないわけで。

そう考えると蒼井優はやはり只者ではない。



しゃぶしゃぶシーンの遠のいていく食卓演出とか、机を引っ張って自らノイズキャンセラーとするところとか、なんか胸にざわつくシーンが多いのも印象的。

おそらく、この世で最もタチが悪い種類の人間の一人がサチなのでしょうね。みなさんの周りにサチがいたら関わらないのが吉。
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