鹿江光さんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

鹿江光

鹿江光

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獣は月夜に夢を見る(2014年製作の映画)

2.0

≪40点≫:なぜ今、性を寓話化するのか。
つまらないというよりは、退屈な作品だ。ノルディック映画特有の灰色感というか、静寂感は見て取れるが、それもこれも全部が形だけを真似した継ぎ接ぎだらけのもの。
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

3.5

≪70点≫:苦しみの連鎖の中で。
久しぶりに京アニ独特のデザインを観た。やっぱり綺麗で、キャラクターたちにも愛嬌がある。女の子はとことん可愛いし、男の子は自然と親しみやすさが滲み出ている。
予備知識な
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

3.7

≪78点≫:内側の自分と外側のあなた。
まず発想からして素晴らしい。目覚める度に顔が変わる主人公。しかも性別・年齢・国籍・体格までもがランダムで変わり、毎朝「初めまして」の自分に出会う。つまり、個人を
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.7

≪75点≫:魂で人を愛するということ。
夫婦である以上、そこには男女の関係があり、異性への愛がある。しかしその愛する人が、“愛する人でなくなっていく”としたら……。目の前に愛する人がいるのに、その人は
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ルーム(2015年製作の映画)

4.2

≪85点≫:“世界”と生きていく。
かくも恐ろしい監禁事件。よくあるサスペンス映画であれば、この状況から脱出できるかどうか…その緊張の一瞬にすべてが集約していくだろう。しかし本作は、監禁という「閉鎖的
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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.5

≪70点≫:別々の道で正義を貫く。
ヒーロー映画を観ながら、誰もが一度は思うことだろう。街壊しすぎ、犠牲者多すぎ、やりたい放題やりすぎ。いくら悪者を倒すためとは言え、代償がでかすぎるのではないか。「大
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リスボンに誘われて(2012年製作の映画)

2.5

≪50点≫:人生の分岐点に立たされる。
主人公がもっと話の主軸に被ってくるのかと思いきや、終始ナビゲーターのような立ち位置で、その辺りが少しだけ拍子抜け。
突然出会った1冊の本に導かれるように、独裁政
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アポカリプト(2006年製作の映画)

3.2

≪65点≫:文明の狭間を奔走する。
時代は変化する。人々にとって必要とされるものは、より便利な形となって残り、古いものは上書きされ、塗り替えられ、廃れていく。様々な物に溢れかえった現代であれば、「時代
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デビルズ・ノット(2013年製作の映画)

3.5

≪70点≫:悪魔のために捧げる生贄。
実話ベースとは知らずに鑑賞。凄惨な猟奇的殺人事件に関する、冤罪裁判。被害者の遺族も街の人々も、どこか集団パニックのようにメディアの情報を鵜呑みにし、証拠不十分な青
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.3

≪85点≫:あの日を経験したすべての人へ。
あの日から5年が経った。僕たちは果たして乗り越えることができたのだろうか。その問いに対する答えは、おそらく無い。既に歴史の一片として認識している人。日常の思
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.5

《90点》:虚構が現実になる日。
これが特撮か?僕の知ってる特撮じゃあないっ!それくらいの傑作。恐ろしいほどに、傑作。全身が震え上がる。とてつもない脅威に対する、今の日本国の力が皮肉たっぷりに描かれて
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ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(2014年製作の映画)

3.3

≪68点≫:尊厳と反乱の物語。
ワンちゃんの世界にアカデミー賞が存在するならば、本作の主役を演じたワンちゃんは、大本命ストライクで受賞していただろう。「中に人でも入っているのか」と思うほどに感情が豊か
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完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)

3.7

≪75点≫:犠牲になった駒たち。
正直に言うと、もっとスリリングで攻撃的な展開を期待していた。「チェックメイト」という言葉と共に周囲の音が消え、盤上に駒が静かに降り立つ……そんな劇的なシーンを期待して
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エージェント・ウルトラ(2015年製作の映画)

3.2

≪65点≫:愛すべきロマンティックバカ。
平凡なダメ男がある日突然覚醒し、「俺って超強ェ!」なコメディかと思っていたら……。思いのほか、いや、想像以上に血生臭いバイオレンス。でも不思議とグロくない。ど
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クロース・エンカウンター 第4種接近遭遇(2014年製作の映画)

1.0

《10点》:駄作の極み。
POVは悪しき王道になりつつある。ホラーとSFスリラーのジャンルでは特にそうだ。今回も実際に起きた超常事件をPOV方式で描くという、語り尽くされた古めかしいパターンだ。
ただ
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バケモノの子(2015年製作の映画)

3.7

≪75点≫:血縁を超えたつながり。
やっと観れたー。面白かった!「家族の結束」「母と子の巣立ち」と続き、今回は「互いを支える父と子」だ。ただ、家族というよりは「精神的血縁者」という方が近い気がする。
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.5

≪70点≫:今日という1日が愛おしい。
人生は「選択」の連続だ。何かを得れば、何かを失う。2通りの今日を生きることはできない。ただ、我々はそんな当たり前のことに気付きにくい。今日という「1日」がどれだ
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アントマン(2015年製作の映画)

3.8

≪78点≫:敵に回すとヤバい奴。
いやぁ面白かった。基本はコミカル調で、アクションシーンもかなり見応えがある。小さくなったり大きくなったり、視覚的にも緩急がはっきり付くし、「大小の常識」がまるで通用し
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ピンクとグレー(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

≪65点≫:他人のことは分からない。それでいい。
冒頭のシークエンスを観て、「あぁこれは『ブラック・スワン』的な話なのだろうか」と思いながら話を進んでいった矢先、思いもよらぬ作品の構造にぶち当たる。な
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スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

3.0

≪60点≫:BB-8の可愛さが異常。
長い年月を経て復活したスターウォーズ新3部作の第1弾。SFならではの空中戦は申し分ないのだが、思った以上にセーバーの戦いがしょぼかった……。まぁまだ覚醒の序盤だか
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ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

3.4

≪68点≫:命を渡るアーティスト。
歴史的な大事件によって失われた「WTC」が、いかにして誕生したのか。その背景には、理解を超えた意志に導かれたひとりの「ワイヤー・ウォーカー」がいた。この作品は、フィ
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女子ーズ(2014年製作の映画)

1.7

《35点》:おふざけの精度。
今や主役クラスの実力派な女優たちが、「何してんねん」と突っ込みたくなるようなコントを演じている。このギャップは一歩間違えれば滑り倒す恐ろしさを孕んでいる。
正義のヒーロー
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オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(2013年製作の映画)

3.0

≪60点≫:孤軍奮闘の若者映画。
特別な力を持った冴えない青年が、人々を守るために敵と戦ってく――そんな古き良き少年マンガのような設定かと思いきや、この主人公、初期設定レベルが結構高い。
死者と死神が
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シンクロニシティ(2015年製作の映画)

3.4

≪68点≫:偶然は正体を隠した神の業。
この作品の感想を聞かれたら、おそらく8割がこう言うだろう。「ありのまま今起こったことを話すぜ!」――まさにポルナレフ状態。サイエンスミステリーというべきか、SF
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ヴィジット(2015年製作の映画)

1.5

≪30点≫:「復活作」の先にある、限界の兆し。
なるほど。こいつぁひでぇ作品だ。今更こんな作品を見せて、我々は一体何に驚き、何に感心すればいいのだろうか。
シャマラン監督の復活作と評価されている本作だ
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グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)

3.0

≪60点≫:丁寧に、いただきます。
イーライ・ロスが「文化としての食人」を丁寧に描いたためか、それとも自分の感覚が麻痺しているのか……この作品からは、おおよそ恐怖というものが感じ取れない。まるで民俗学
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グラスホッパー(2015年製作の映画)

2.0

≪40点≫:群衆の中に紛れる凶暴性。
文字通りの意味で捉えるならば、「映像化不可能」なものは、おそらく存在しないだろう。それが起承転結の物語という形をしているのであれば、映像に変換していくことは可能だ
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PUSH 光と闇の能力者(2009年製作の映画)

2.0

≪40点≫:期待しすぎた。
久しぶりにコッテコテの超能力ものを観ようと思い、探していたらこの作品が見つかった。『HEROES』みたいなやつかなと期待を膨らませていたが……序盤は確かに胸を擽られる感じが
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犬神家の一族(1976年製作の映画)

3.5

≪70点≫:生れ落ちた血の因果。
名前と存在だけは知っていたこの作品。いざ観始めると、グイグイと惹かれていく展開。頭がフル回転。登場人物ひとりひとりが怪しく見え、自分自身で推理していく面白さもある。
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クロウ/飛翔伝説(1994年製作の映画)

3.8

≪78点≫:死神が語る永遠の愛。
噂には聞いていたが……この「クロウ」、かなりイカれた野郎である。『ダークマン』などにも通ずる、「ダークヒーロー」の原点のような独特のカッコ良さがある。
復讐心だけで甦
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

4.0

≪80点≫:沈黙という正義の形。
やっと観る気になったので鑑賞。非常に文学的。視覚的な情報を楽しむというよりは、奥底で語られていることに耳を傾ける作品だ。ヒーロー映画もここまでリアルに映し出されると、
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ミュータント・ニンジャ・タートルズ2(1991年製作の映画)

3.2

《65点》:チープな特撮感がお気に入り。ヴァニラ・アイスのニンジャラップは1度聴けば頭に残る。

ブラック・スワン(2010年製作の映画)

4.5

≪90点≫:得体の知れない涙に襲われる。
泣くとは思わなかった……。才能はそれに見合った器を用意するが、決してその中に水を注ぐことはない。器を満たすのはあくまでも自分自身だ。そのためには狂気の縁に立ち
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チャイルド44 森に消えた子供たち(2015年製作の映画)

3.4

≪68点≫:思ってたのと違う!
ガッツリのミステリかと思っていたら、少し違っていたでござるの巻。スターリン政権で「殺人も存在しない」理想国家に疑問符を抱いた存在が、どういう道を進んでいくのか……。一歩
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キングスマン(2015年製作の映画)

4.0

≪80点≫:定石から少し外れたセンス。
どこまでも面白い!スパイ映画の好きな要素をこれでもかと欲張っているのに、スパイ映画の定石からは外れたセンスが光る。夢のある小道具に、どこまでもコミカルな殺戮。戦
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.2

≪85点≫:発想の勝利!シナリオの勝利!
めちゃくちゃ面白い!発想の勝利とはまさにこのこと!斬新な設定って、普通だったら新鮮なのは最初のうちだけなんだけど、本作は話が進む度に次から次へと新しい発想が出
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