ワンコさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

5.0

【人であること】

ストーリー展開もそうだが、父親を演じる佐藤浩市さんにやられた感じがする。

佐藤浩市さんはこれまで様々な役を演じ、おそらく、あの役、この役と人によって好みはあるとは思うが、僕は、映
>>続きを読む

アンダーグラウンド 4K デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

5.0

【今の世界も憂う】

この重いテーマを主にコメディに落とし込んだのは、戦争や紛争は、そもそもバカバカしいのだと、また、社会主義によって、人が考えたり、思考して対応する気持ちを失ってしまうことの悲哀を喜
>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

5.0

【人の価値】

この作品の特徴は徹底した対比だと思う。

午前10時の映画祭の上映で町山さんの解説付きだった。

町山さんは、ファシズムを結束主義と最初に解説していたけれども、その背景にはイタリアの独
>>続きを読む

おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)

3.4

【意味深なタイトル】

タイトル……、旧ジャニーズのタレントが主演の映画で、今このタイミングだと、このタイトルは、結構意味深だ。
誰に対して言ってんのって。
余計なことで、ごめんなさいね。

それに、
>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

5.0

【資本主義的キラー】

予測し、即興はなし、確実に実行する。

観る側に、序盤の「なぜ」と最後の「なぜ」を交錯させる面白い作品だった。

上質な娯楽作品だと思う。

序盤の「なぜ」は、こんなに慎重なの
>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

4.8

【ナラティブ】

人は3回同じウソをつくと、それを本当だと信じ始めるのだそうだ。

この映画は、ナラティブをメタファーに構築されたストーリーだ。

ナラティブとは、一義的に「物語」と簡単に訳されること
>>続きを読む

唄う六人の女(2023年製作の映画)

3.9

【大人の寓話】

一部の映画サイトにサスペンス・スリラーと書いてあってけれども、そうじゃないと思う。

リテラシーの問題か。

僕たちの世界の抱える問題を寓話に落とし込んだ物語だ。

日本は、人口減少
>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.6

【無題】

フィンランドの目下のリクスはロシアだ。
時代は様変わりしたのだ。

2023年4月、フィンランドはNATOに加盟した。

この作品は、特定のコアなファンに訴えるものがあるんだろうなと思料す
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

【木漏れ日】

※東京国際映画祭2023開催にともなう先行上映。

ヴィム・ヴェンダースが、自身のどこかは日本人だと云うようなことを言っていた。

ただ、彼のこれまでの様々な視点から撮られた映画作品を
>>続きを読む

私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?(2022年製作の映画)

4.5

【労働組合活動家】

映画「私はモーリーン・カーニー」の中の”コアな”サイド・ストーリーであるアレバ社の解体は、東芝の解体に似ている。

福島原発事故の影響はあったにはあったが、それよりも甚大だったの
>>続きを読む

デンジャラス・ビューティー(2001年製作の映画)

4.3

【世界平和】

※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション 。

今改めて観ると、この「デンジャラス・ビューティー」は、本
>>続きを読む

ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)

3.8

【恋愛はコントロール不能】

※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション 。

この複雑な子供まで巻き込んだ男女の恋愛関係
>>続きを読む

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

5.0

【何を感じるか】

※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション 。

「硫黄島からの手紙」は、アカデミー賞で、外国語映画賞
>>続きを読む

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

4.1

【日本だったら】

映画は、事件の発生の年を一年前倒しして、フィクション感を出そうとしたらしい。あまり意味がないように思う。

人質の解放についても、もう少し回数は段階的に分けられたらしいけれども、宣
>>続きを読む

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

3.8

【暗躍する組織たち】

2001年9.11後のアフガニスタン戦争のニュースで何度となく耳にしたカンダハルが映画のタイトルだったことや、原作者のアフガニスタンでの経験を元にした作品とのことで興味を引かれ
>>続きを読む

リゾートバイト(2023年製作の映画)

3.4

【(洒落怖+洒落怖)÷ 2 = ?】

“洒落にならないくらい怖い話”を「洒落怖」と言うらしいが、その代表にして渾身の長編作品が、この原作になった2ちゃんねるの「リゾートバイト」だ。

上段に「……だ
>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

5.0

【アメリカのもうひとつの歴史】

アメリカの暗い部分と、これをそのまま放置しておけないとするもう一つの姿もコントラストとして表した作品だ。

渾身の一作になったんじゃないかと思う。

特に、マーティン
>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

5.0

【to be free】

最近、Bunkamuraル・シネマのリバイバルで「A.I.」を観たばかりだったので、対比という意味でも面白かった。

「A.I.」では、存在の自覚や記憶、愛情といったものが
>>続きを読む

眠りの地(2023年製作の映画)

4.5

【痛快】

※Amazon Prime作品。

この映画「眠りの地」の影の立役者はハルじゃないかと思う。

現代アメリカの病んだ部分という側面はあるものの、実は、この作品は、日本で、最近クローズアッ
>>続きを読む

大雪海のカイナ ほしのけんじゃ(2023年製作の映画)

3.8

【今、こんな時だから、考えてみた】

TVアニメの続篇で完結編だ。
TVアニメはAmazon Primeで視聴出来ます。

TVアニメから合わせて観て、シンプルなストーリーながらリテラシーが問われる…
>>続きを読む

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.8

【ときめいた人へ】

※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション 。

「ビフォア・サンライズ」から続く物語だ。

パリ。
>>続きを読む

かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

4.0

【I’m glad you came】

※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション 。

マックスの冒険譚。

かいじ
>>続きを読む

トゥルーホラー:悪魔が私に殺させた(2023年製作の映画)

4.2

【真実の行方】

※Netflix作品・ドキュメンタリー

最新作の「死霊館のシスター」を観たばかりの僕がこんなことを言うのは何だが、心霊やオカルト好きの人には別の意味でぜひ観てほしい。

真実は何か
>>続きを読む

死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.5

【本当は人怖(ひとこわ)】

本当はホラーは苦手なはずなのに、ちょっと前に、TOHOシネマズの午前10時の映画祭でリバイバルの「エクソシスト」を観て、あれこれ考えたりしたもんだから、ついつい、これの作
>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

4.5

【ほどよく、たっぷりで、それなり】

鰹節は、男性のナニのメタファーだよななんて思った。
前後に擦(こす)られて削られて😁

ただ、この「春画先生」は、”ほどよく”エロティックで、ユーモアが”たっぷり
>>続きを読む

A.I.(2001年製作の映画)

5.0

【”I am, I was.”と対比されるものについて】

※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション 。
先週から今週に
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

【問いかけるもの】

ストーリーの中の構成にいくつか違和感はあったのだけれども、この映画「月」は、ストーリーや描写というより、実は自分自信と向き合ってみるよう促した映画作品じゃないかと思う。

あの重
>>続きを読む

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

4.0

【熊?はいる】

※レビュータイトルは、最近の「熊はいない」という映画にちょいと通じるところがあったので、パロってみました。

ヨーロッパに限らず日本でも似たようなことはあるんじゃないかと思う。

>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

5.0

【繋ぎ、紡ぐ】

ずっと観ていられる作品のような気がする。

帰りに立ち寄ったセブンイレブンで立ち読みした「サンデー毎日」に、アイナ・ジ・エンドさんのインタビュー記事が載っていて、そこには、彼女はもう
>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

4.0

【発想の転換】

監督がガイ・リッチー、主演がジェイソン・ステイサム。

自ずと小気味の良い展開とアクションやドンパチに期待が集まってしまいがちだが、この「オペレーション・フォーチュン」については、期
>>続きを読む

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

4.2

【United Network Command for Law and Enforcement】

※個人的なプチ・ガイ・リッチー祭り

ドラマ「ナポレオン・ソロ」のリメイクだが、ドラマを観たことがな
>>続きを読む

スナッチ(2000年製作の映画)

3.9

【Snatch(ひったくる)】

※個人的なプチ・ガイ・リッチー祭り

「ロック、ストック & トゥ・スモーキン・バレルズ」に続く、ガイ・リッチーの長編第二作目。

「オペレーション・フォーチュ
>>続きを読む

レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)

4.2

【アメリカの断面】

※Netflix作品。アメリカでは劇場公開にもなったらしい。

示唆もあって、思いがけず面白い作品だった。

この「レプタイル-蜥蜴」の舞台となったスカボローはメイン州の人口2万
>>続きを読む

ノーウェア:漂流(2023年製作の映画)

4.0

【母は強し/祈り】

※Netflix作品

全体主義が覆う近未来のスペイン。
抑圧され明るい未来が見えない世界。

内戦とフランコ独裁を経験したスペインならではのストーリー設定だと思うと同時に、今現
>>続きを読む

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994年製作の映画)

5.0

【人間と業】

※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション
今週はトム・クルーズ・ウィークっぽい。

配役が決まっていた
>>続きを読む

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.5

【人間の業】

※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション 。
今週はトム・クルーズ・ウィークっぽい。

この作品を改めて
>>続きを読む