静と理の杉下右京、
動と情の亀山薫、無敵の
特命係いざ政界の巨悪へ！
刑事ミステリーサスペンスの
最高峰、よりスケールを増した
第3シーズンへ！

「相棒season3」

好評を得て更なるスケールを持って作成された第3弾。このシーズンの特徴としては、政界の闇に特命係が遂に対峙した点でしょう。社会派ドラマとして外せないネタであり、その大胆な設定はこの作品に忖度やタブーが無いことを表しました。そして見事なトリック、ギミックを用いたミステリー、サスペンスを展開。名実共にNo.1ドラマになって行きました。

まずは政界の闇に特命係が初めて対峙した第1、2，3話「双頭の悪魔」3部作。3部作（１話はスペシャル）と言う長尺。官房長すら更迭されると言う権力を持つ内閣官房長官朱雀武比古、その愛人と噂された片山雛子衆議院議員の正に双頭の悪魔と対決。朱雀=本田博太郎、片山=木村佳乃の見事な悪役ぶり、危機に陥りながら逆転する特命係の胸のすく活躍と正に名作。そのラストは片山雛子をセミレギュラー、人気キャラへと押し上げました。故に中々これを超える政界ネタがないのも事実。原点にして最強の3部作でした。

またこの冒頭の3部作で薫ちゃんは所轄へ転属、その先に特命係の理解者刑事課長海音寺こと竹中直人が（笑）。更に美和子さんの浮気発覚…鹿手袋こと西村雅彦さん登場…。シリーズの縦軸となる訳ですが…正直西村さん苦手…世界から浮いてますからね。

所轄の薫ちゃんと朱雀のせいで免職され、海音寺に雇われた右京さんと言う不思議な特命係が活躍するのは第4、5話「女優」。こちらもまさかの横溝正史ばりのタブーをぶっ込んできて…怖…。ゲストは人気の羽田美智子さん。後に特捜9で同枠のレギュラーに…(^^)。3部作2部作と連発するのは作品人気の証拠。自信の現れですね。

女優回としてもミステリーとしても王道を行くのが第17話「書き直す女」。高畑淳子さんがゲストで水谷右京と丁々発止のやりとりを見せてくれます。そして全シリーズ唯一の永久欠番第7話「夢を喰う女」。魔女高岡早紀見参。この方の男を虜にする演技…恐ろしくなります。それで放送禁止になったかと思うくらい（勿論別理由です。）。これを見れたのはラッキーでしたね。最終話「異形の寺」には高橋惠子、高橋由美子のまさかのジェンダーネタがきました。社会派にしてトリッキーな尼寺設定と言う…。因みに津川雅彦の瀬戸内米蔵衆議院議員も出演。冒頭の3部作と合わせ、重鎮として作品を盛り上げてくれました。

瀬戸内さん、片山雛子と人気キャラが出始めた中、更にセミレギュラーが初登場…陣川警部補（笑）第6話で初登場「第三の男」。素晴らしいタイトル（笑）。コメディリリーフとして作品を長らく支える原田龍二の人気キャラはここから。ここで早とちり、熱血漢、惚れっぽくて事件関係者に惚れてまうと言うキャラ出来上がってます。セミレギュラーの一人北海道のマギー演じる栄一くんが再登場するのは第16話「人間爆弾」。ザンボット3かと思う強烈なギミックであり、後にボマーでカイト編で流用されてますね。コメディで始まり、悲劇で終わるスタイルの話でした。

セミレギュラーで忘れてはならないのは生瀬勝久演じる平成の切り裂きジャック浅倉六郎。シーズン2ラストに死して尚、第18話「大統領の陰謀」にて復活（笑）。これは亀山薫、美和子との友情のお話で実は政界を巻き込む社会派な事件でもありました。亀山と美和子のお話としてはシリアルキラーが初登場する第12話「予告殺人」。こちらさ人間爆弾と同じく犯罪のギミックが面白いネタ。美和子さんも電話交渉の相手に選ばれてしまいます。亀山の優しさが美和子さんへ通じる回。

方や亀山薫の優しさが裏目に出てしまった回は第11話「ありふれた殺人」。上田耕一さんの名演、時効問題を扱った社会派作品にしてあまりの悲劇に、亀山薫と共に涙が…。右京さんの法の前の正義は揺るがずとも、その矛盾を心に刻む回でした。法の前の正義が揺るがない回がもう一つ。第13話「警官殺し」。時として正義が暴く真実は苦いと言う相棒らしいテーマ。官房長と対決せざる得なくなりますが、今回は官房長、右京側でした。

官房長絡みであれば…初の年末年始スペシャル第9話「潜入捜査」。嘗て公安の参事官だった小野田官房長の役割を活かした作り。珍しい右京、亀山の扮装による潜入捜査が見れます。またご多分に漏れず、公安には闇が…。ゲストはなんと温水洋一。正に代表作になりましたね。見事な熱演でした。

熱演では…若き吹越満さんが犯人の調律師として水谷右京と対決する第15話「殺しのピアノ」。コロンボ形式の倒叙ミステリーとして優秀な回でした。ピアノを弾ける右京さんにビックリした回でもありましたね。また演者全てが芸達者で熱演した、まるで舞台の様な第8話「誘拐狂騒曲」。渡辺哲の肖像写真だけで笑えてしまうコメディなれど、まるで舞台の様に一室で行われたシチュエーションコメディのスタイルが素晴らしくて笑えました。

舞台をテーマにしていたのは名門女子高校の演劇部で起こる悲劇に特命係が介入する第14話「薔薇と口紅」。薔薇とつくのでヒロコママ登場かと思いきや、そちらは17話。女子高が舞台で違和感アリアリの特命係とゲスト涼風真世さんが対決します。こちらも女優回か。そうするとサスペンスの裏女王筒井真理子さんゲストの第10話「ゴースト」も忘れがたい。筒井真理子さんも怖いが相手役も怖い…話でした。

良く考えると片山雛子筆頭に女優さんが目立つシーズンでしたね。犯罪もジェンダーレスに…。美和子、鹿手袋問題もあり、美和子さんも目立ってましたからね。薫ちゃんと変な関係になって。冒頭で語った通り、政界の闇と戦うと言う相棒のもう一つの柱が出来上がったシーズンであり、社会性がより増し、ミステリー・サスペンスとしての力を増したシーズンであることは間違いなく、お勧めですね。是非ご覧下さい。

• #相棒ワールド

【Season3ランキング】
1位：ありふれた殺人
2位：女優～前編～～後編～
3位：予告殺人

【各話数レビュー】
●1 双頭の悪魔
★★★☆☆
美和子さんの浮気が軽いトラウマ。よくこれでヨリ戻ったな。亀山くん移動あったりで散々だな。亀山くんの新しい上司は刑事課長の海音寺さん。この人がいい人で良かったね。右京さんに人情を語る課長。課長優しくて好き。「話のとっかかりに・・・！」って伊丹さんww内村さんもなんか強いww芹沢と瀬戸内さんがじいじと孫wwwwwww瀬戸内さんの役者さんの重厚感が色っぽい・・・と思ったら官房長♡♡♡♡♡たまらない♡♡♡♡♡右京さんのお願いなら大抵叶えてくれる官房長好き。中園さんの髪がある！！！！

●2 双頭の悪魔Ⅱ〜堕天使
★★★☆☆
あうあうあう・・・！大河内さん・・・！「そっか！片付ければいいんだ！☆」亀山くんアホ可愛い。右京さんを鼻たれ小僧っていうスザク官房長官すごい。あと片山雛子の秘書さんすごい印象に残ってる。

●3 双頭の悪魔Ⅲ〜悪徳の連鎖
★★★☆☆
伊丹さん・・・。あと片山雛子の悪女ぶりが凄まじい・・・悪女というか究極のナルシストとサイコパスも入ってる。朱雀さんと愛人だったのすごいな・・・。真偽は分からないけど。瀬戸内さんぐう聖。亀山くんの推理かわいい。双頭シリーズはろくな女出てこないな。

●4・5 女優～前編～～後編～
★★★★☆
この作品は被害者に一切同情出来ず、加害者に同情してしまう。これは殺意が湧いても仕方がないんじゃないのか。もはや正当防衛だと思えてくるもの…。精神的に押さえつけられてるし、殺さないと完全に離れられない気もするし…。良い弁護士さんをつけて、早く出てこられるといいね。初めは悪女で強かな女優がマネージャーも含め世間を騙して1人勝ち逃げする系の話かとも思ったけど、戸籍謄本のくだりから予想外で良かった。
大河内監察官好き。海音寺さんの俺が雇ってやる、とか頼りになる(笑)この人と官房長がいなかったら特命係終わってたな。そして右京さんそれはいくらなんでも亀ちゃん怒るって…。内村部長「殴るなとは言わん！！」wwwそういえばこのゲスト主演の2人おかしな刑事で共演してなかった？記憶違いかもだけど。

●6 第三の男
★★★★☆
陣川くん初登場回。この女友達2人ヤバいな。

●7 夢を喰う女
★★★★☆
相棒史上唯一の欠番作品。別に欠番にしなくても…フィクションでしょ？テロップいれればいいじゃない。「最も邪悪な人間もまた、天使の顔をしているそうですよ」。ラスト後が気になる。

●8 誘拐協奏曲
★☆☆☆☆
醜いけどスカッとかな。

●9 潜入捜査
★★★☆☆
温水さんが冒頭から出てきた。豪華だなと思って調べたらスペシャルだった。亀ちゃん整備士似会うな〜〜〜〜。噂をされると痒くなる伊丹初出かな？課長が大木さん小松さんと死体釣り上げた回これか。伊丹さんと美和子さんの２ショットもある。あと右京さんが亀山くんに「何グズグズしてるんですか。」だって。取り調べのストレス発散かな。温水さん公安か。そして東京ドーム貸切？？？すごい。この話はラストがな〜〜〜。北潟にも森本にも設楽にも同情はできないし、なんだかな〜〜という話。

●10 ゴースト
★☆☆☆☆
左京さん(笑)動機はなんだったんだろう。

●11 ありふれた殺人
★★★★☆
まずタイトルがさ。ありふれた殺人って。この頃はまだ時効があったんだな〜。2010年の法改正によって殺人事件の時効は撤廃されたけど、撤廃遅過ぎない？犯人死んじゃったし教えちゃダメな理由は？異形の寺よりもこれが最終回スペシャルで良かったと思う。もっと丁寧に描かれたバージョンを観てみたかったから。正名僕蔵さん良かった。

●12 予告殺人
★★★★☆
芹沢wwwお弁当めちゃくちゃ食うじゃんwwwwあ〜〜笑いあってる姉妹見て泣きそう・・・。この犯人死刑確定だろうな。あと被害者の会の男性、最初犯人だと疑ってみてましたごめんなさい。特命係だけじゃなく美和子さんも伊丹さんも芹沢くんも被害者の会に行っててマジ偉い・・・被害者の子も喋れるようになって良かった。ありふれた殺人がダメならこれが最終回スペシャルでも(笑)

●13 警官殺し
★☆☆☆☆
大河内さん好き。官房長と右京さんの沸騰した鍋のくだりこれが初出かな？

●14 薔薇と口紅
★☆☆☆☆
同級生に覚醒剤ばら撒くとかマジかよ。校長先生可哀想だな。

●16 人間爆弾
★☆☆☆☆
若杉栄一再び。

●17 書き直す女
★★★☆☆
あーそっか、返り討ちにしちゃったんだ。ヒロコママ〜愛してる。

●18 大統領の陰謀
★★★☆☆
亀山くんの夢に出てくる朝倉さん。芹沢くんにお礼を言う亀山くん。バカモンの発声練習あるのか(笑)大統領から浅倉さんへの報酬少な。まとめとしては不倫はよくない。幽霊を見過ごす右京さん。

●19 異形の寺
★☆☆☆☆
まずタイトルよ。異形って。亀山くんの時に多い超常現象とかお化けの類いのお話好き。鹿手袋さんと仲良くしてる亀山くん、本当アホ可愛い。しかもちょうどいいところに掬うものがwww骨を拾い当てたwww課長も死体を釣り上げてwww瀬戸内さんと官房長の２ショット眼福。レディーXの命名素晴らしい。美和子さん面倒臭い女だな。右京さんの幽霊を見る能力の欠如wwww捜一トリオと相棒2人のごちゃごちゃ良き。あと瀬戸内さんずっと煙草吸ってるの好き。ま〜〜この男の娘が生まれるのがもっと遅かったら生きやすかっただろうに。でも完全に自殺幇助。「男(瀬戸内さん)ができて、私生児2人が邪魔になった」から捨てたのは業が深すぎないか？？狡い人間(美和子さんや弟くん)や業の深い人間がてんこ盛り。

まず３エピソードに渡る「双頭の悪魔」シリーズでは亀山くん、美和子さん、鹿手袋さんの三角関係が描かれ、
木村佳乃さん演じる片山雛子が初登場ということもあり、彼女の恐ろしい魅力を存分に堪能することもできる濃密な内容。秘書の拳銃自殺シーンのインパクトの凄さといったらもう。
その他にも和泉監督が写真で使われたりと小ネタも盛りだくさん。

「女優」前後編で魅せる羽田美智子さんの美しさと魂こもる演技も必見。

「潜入捜査」もまたストーリーと脚本が見事で傑作。

後に亀山くんシリーズにて重要な役割を果たしていく岩下悠子さん初脚本の「薔薇と口紅」も相棒らしい作品で、

「トリック」などの脚本を務める林誠人さんが担当した
「書き直す女」は見事なミステリーと舞台劇、高畑淳子さんと中丸新将さんの味のある名演の効果も合わさったことで素晴らしい作品になっており、

そしてやはり「第三の男」「誘拐協奏曲」「殺しのピアノ」などライトな作品もあれば、
ずっしり重いテーマを扱っている「ありふれた殺人」「予告殺人」「警官殺し」「人間爆弾」などの力作を書き上げている櫻井武晴さん＆砂本量さん脚本の素晴らしさの一部がちゃんと残されている。

ホームレス生活と容疑が残り成仏できない浅倉禄郎の存在にクローズアップした「大統領の陰謀」に、

セクシャルマイノリティに苦悩する尼僧の雀蓮さん、
そしてその母親蓮妙さんと瀬戸内米蔵の関係性、
幽霊の存在、
美和子さんをめぐる亀山くんと鹿手袋さんの男としての争いに決着がつくラスト

などメッセージ性と相棒らしさが溢れる最終回もまた今観ても印象的なエピソードで
全体として観れば右京さんと亀山くんの絆が強まっていってると思われる展開が多く、
キャラクターたちの関係性もここからどんどんストーリーに深みを与える無視できないポイントへと変化していく点を見ても、重要でよく考えられた完成度の高いシーズン。

同じみOPも本当にぴったりのメロディーで池頼広さんの作曲センスも凄まじい。