勅使河原宏監督『利休』(1989)
人生、としての作法ー
茶道が如何に戦国時代の"コミュニティ"や"休息地"として機能していたかを知られる。
あらゆるところに、フレーミングの美学/演出の作法、…
このレビューはネタバレを含みます
歴史ドラマというものは、厳然とした歴史の流れがあらかじめ決まってしまっているから、物語の筋がどうなるのかを楽しむ余地は少ないものです。
織田信長の後には豊臣秀吉が、秀吉の後には徳川家康が天下を獲る定…
勅使河原宏監督作。本物の長次郎(赤樂)、本物の織部。小道具の迫力がまあ凄い、それに負けぬ俳優らの迫真の演技も見事である。映像も音楽も幽玄で良い、敢へてチェロなのが良い。近頃はかういつた本格派の日本映…
>>続きを読む同年に公開されたという【千利休 本覺坊遺文】も続けて見た為もあって、歴史に詳しくない自分でもこの時代の利休と秀吉の関係がよく分かった。
全く正反対のセンスを持っていただろう利休が秀吉の傲慢なセンスの…
見終わった後に「凄いものをみたなあ…」と雪が降った日の屋外のようなシンとした雰囲気があるなと最近名作と言われる映画を見てよく思う。本作もそれにあたる作品だった。
正直序盤はあまり関心の湧かない舞台…
千利休は茶道の達人で、かつ、執政の任にもあたった模様。本作を観ると、少ししか出てこないが織田信長と豊臣秀吉という戦国の武将たちにおいて、茶湯の扱いが独特なものであったのがよく分かる。政治的な場面で活…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
歴史的事実や逸話を忠実に再現した映画には乗り切れないことが多い。
本作の優れた様式美や役者陣の演技に、観客の心を捉える多くの魅力が存在するのは確かだ。
最後に再登場する地球儀で遊ぶ場面なんかは、や…
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