『ヴァンダの部屋』まで行くとちょっとやりすぎだと思ってしまうのだが、この映画はものすごくちょうど良かった。なんというか、ここまで完成されていると言葉を失う。「美しい」とか「面白い」とか、そういうのを…
>>続きを読む初めは人の見わけもつかず話がよくわからず、雰囲気を味わう作品だと思いながら見ていた。しかし途中から登場人物の見分けがつくようになり立ち位置も分かるようになってくると、がぜん面白くなった。
雰囲気は…
被写界深度浅めでコントラスト重視で撮影しながらも、作風はセリフを削ぎ落とし、ドキュメンタリータッチで描く、コスタ第三形態というところでしょうか。まとわりつくような重い空気感をのぞき込むスタイルとなっ…
>>続きを読むそれは昔のスラムの日常かもしれず、未来への希望かもしれない。映像は曖昧さを抱えながら、純粋でありながら冷たいリアリティを伝える。
特に長回しのパンショット、静止画のように留まる顔、沈黙や生活音が積み…
これは好きな映画だ。映画はショットの連なりによってできるんだなということを強く感じさせる前半だった。スラム街の汚れた壁や家の中、ごみだらけでびしゃびしゃした狭い路地、そのショットひとつひとつが写真作…
>>続きを読む赤子を運ぶ使者(いともたやすく置き去りにする無表情の男) なんだか人と人が死姦みたい 時間の流れが無い映像 休んでいる人がたくさんいる迷路 指って思っているよりも固くて死に近い 裸の男女とベッドのし…
>>続きを読む主要人物3人の男女がロン毛で似ている。髪色や顔立ちも近しい。その同一性は意図的か、あるいは個よりもその街の群像の影か。各人物の家に出たり入ったりを繰り返し、内外の境界は曖昧。閉塞・鬱屈とした共同体。…
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