『罪と罰』のラスコーリニコフのような持論(罪を許された特権的な個人の肯定)を持つ主人公が「スリ」という犯罪行為にズブズブとのめり込んでいく話。
お金が人から人へと手渡しで流通していくものなら、その経…
ロベール・ブレッソンがドストエフスキーの小説を原作としたのは、長編13本のフィルモグラフィのなかで、『スリ』(原題:Pickpocket, 1959年)と『バルタザールどこへ行く』(原題:Au ha…
>>続きを読むブレッソンは相性が悪い作品も多いのだが、最近立て続けに観たブレッソン作品が面白かったので鑑賞。
使われている手法の少なさにまず驚く。
基本的に場面転換はディゾルブで繋いでいる。最初のクレジットです…
部屋に入る、心に入る、のぞく、手を見る、手先を見る、金、時計、あなたに触れる。ああ、やっと辿り着く。
満たされないからエロティック。あなたに触れてエロティック。次々にやってくるエロティックに、惹か…
このレビューはネタバレを含みます
ブレッソンの作品はそこまで観てないが、やはり手の撮り方が美しい。動きをおさめるカメラの動きも滑らかで、誰かの視線かのよう。主人公の頼りない人物描写も、個人的には好み。最初の最初にすぐ捕まる流れには笑…
>>続きを読む手フェチ、これか〜
確かにスリって、緊迫して静かで大胆で繊細でクローズアップすればするほど面白い行為かも。捕まっても眉毛ひとつ動かさない抑揚のなさ、人から金を奪うという最も俗なのに不思議と禁欲的な空…