リスボンの移民街の中にあっても未だ映画的記憶の延長としてフィクションの構造に回収された『骨』を総決算するような徹底的なリアリズムと抑制的な美によって観客の能動性を限界まで引き出す名作。
冒頭のショッ…
当たり前に全カットが定点で、そのほとんどが影だけどどのシーンも写真集でも成り立ちそうな美しさと残酷さがある。たまに現れるエメラルドグリーンの壁の色味がおかしいくらい美しい
主人公や妹たちは最初から…
山形国際ドキュメンタリー映画祭 優秀賞・国際批評家連盟賞。
… で、これ、ある意味、ドキュメンタリーと劇映画の垣根を悠々と越えているという印象をまず受けた。
と言うか、ペドロ・コスタの作品の中で…
コロッサルユースを劇場で観る前の予習。
生に執着がない様な人々や破壊されて行く建物群が、抜け出し様のない閉鎖した状況の中で、悪い方悪い方に少しずつ傾いてゆく感じが息苦しいですね。
でも目を背けられな…
今までフィクションの中にもリアリティを求めていたけど、リアルというものはこんなにもしんどいものなんだと、自分の安直さを思い知らされた。
ヴァンダの咳に、耳を塞ぎたくなってしまった。
嫌悪感を持った自…
心配よりも不快がこみ上がるヴァンダの咳。
彼女の咳は劇映画の登場人物のように体調が悪いふりをして、私たちの心配を喚起するのではない。本当に体調が悪いのだ。そのフィクションではない咳を、映画で目撃す…