1981年製作公開。原作伊藤左千夫。脚色宮内婦貴子。監督澤井信一郎。数少ない松田聖子の主演映画作品。この後東宝に移って数本出演したけれど、それらの作品も演技も、酷い出来だった。で、共演者と結婚して引…
>>続きを読む何とも稀有な傑作映画。主役二人の演技が洗練されていないのに物語と脇役と演出と映画技法で映画の王道を実現している。
東映・サンミュージック提携第一回作品で松田聖子の初主演アイドル映画ながら、松田はデ…
主演は加藤治子だが、この映画はその魅力の過半を幼気な松田聖子に負う。舟で時間を超える。樹木で時間を超える。離岸のシークエンスの交差する視線と逸らした視線。橋を渡る輿入れの行列。走る桑原正に照明を当て…
>>続きを読む主役の二人芝居は素人レベルでストーリーは典型的過ぎるほどの悲恋物だが、とにかくショット、とりわけ移動撮影が見事で松田聖子が廊下を雑巾掛けするシーンや道や畑を2人が、そして婚礼の一団が歩くシーンは画面…
>>続きを読む茄子摘みのシーンあたりから、ずっと泣くのを抑えられなかった。あの夕焼けを見て、松田聖子と桑原正の2人に今後良いことがあるとは到底思えない。
綿摘みに行く道草で、2人で野菊の花を摘み始める。
「わた…
自分が映画監督なら繰り返しみてしまう手本のような映画だと思う。最初の野菊の主題のスムーズな提示、冒頭や別れの船の視線の交差、画面の照明の置き方・あて方。一番好きなのは雨の中、船を迎える桟橋の場面。ジ…
>>続きを読む船上のまま回想に突入し、墓前で再び時が戻るオープニング/エンディングの美しさ。
すれ違っていく渡し舟の視線関係も見事だが、雑巾がけから初めて部屋に立ち入るシーンなど、何気ない瞬間の見せ方が非常に上…