暴力の作品情報・感想・評価

暴力1952年製作の映画)

製作国:

上映時間:87分

4.1

「暴力」に投稿された感想・評価

夜ともなればパン助の溢れる大阪のスラム的な街が舞台、治安も悪く最底辺の人々が集まった街の中でポン引きをして暮らす主人公タカコ(日高澄子)
家が怪しい旅館を営んでおり養父(菅井一郎)が家族を支配しているのである、母(浪花千栄子)や妹(若山セツ子)も一緒に暮らしているがつらい日々を過ごしている、常々こんな暮らしから抜け出したいと願っておりそのチャンスが訪れたかに思えたのだが、、、

吉村公三郎監督作品ですが、意外にも製作は東映、メインの出演者も東映っぽくない
ただクレジットで月形哲之介とかの名前見るとやっぱり東映だなと思う(最初の方のチンピラ役かなぁ?)
あとはかなり後ろのほうに「千原しのぶ」の名前も紛れている、あの東映時代劇で姫役を多くこなしていた千原しのぶ?それなりに注意して見ていたけど発見できず、ほんとにいたのかなぁ、データベースにないけどこれカウント外のやつかも、そんなこんなで冒頭から楽しみがありました

この映画を見ようと思ったのは吉村公三郎が監督ってのもあるけど、出演者では若山セツ子が見たかった!
今作では盲目の少女役、ヒロインの妹役です
いつもながらの清純さ可憐さに盲目キャラがプラスされて効果倍増で良かったです

ストーリーは結構重いお話かも、救いがないみたいな感じ
抜け出せるかも抜け出そうって母娘3人が決意したところに降りかかる悲劇
やっぱり無理なんだっていう失望絶望から来るラスト、そりゃ壊れちゃうかもね

菅井一郎演じる養父がとにかくクズ!
もともと戦前は一家で洋服屋?をしていたらしいけど店は戦争で焼失、実父(殿山泰司)も戦争に8年も行っていたとかで帰ってきたら奥さんと子供取られてたみたいな悲惨さ
それで姉にはポン引きさせるだけでなく、上客(進藤英太郎)から金をせびるために体をも強要させようと企てる、それが失敗したから今度は盲目の妹をターゲットにっていう吐き気をもよおす邪悪
ラストでは乱入してきた殿山泰司をボッコボコに殴りまくり、そんないろんなことが重なっての姉の凶行ってオチです

主演の日高澄子さんって名前だけは見たことあると思う、調べると東映時代劇に名前が多い
けど印象ないのは大部屋レベルの脇役だから、そんな彼女もこの時は主演もやっていたんですね(同姓同名とかいうオチはないよね?)
この作品で初めて認識して見たんですがなかなか美人さんです(元宝塚らしい!)、気の強いところもあるけど優しいそんな役を好演していました、雰囲気は京マチ子に似てると思う
あ、このジャケ絵よりも美人です、写り悪いの使ってると思うw

救いのないお話だけど、それでもこの街にとってはよくあることみたいな皮肉、冷めた目、そんな環境に慣れてしまった人々、ダークファンタジーかと思っちゃうような非現実さでした
66年前。街中を汽車が走ってる時代。大阪の地理には明るくないけど、戦後間もなくの風景は見てて飽きない。最低辺の暮らし。

ゲゲゲの鬼太郎風というか南国エスニック風というかエログロナンセンスな謎のジャケットに、「食った飲んだ寝た!ただそれだけだ!」なるコピー。「え、そんな映画か??」と思うけど、クズだらけの大人の中でも強く生きる日高澄子の演技はステキ。チンピラふたりと仲良くなるスピード羨ましい。

なんというか、「噂の女」とか「偽れる盛装」みたいなヒロイン像かしら

町を取材してる女性作家。「昨日このへんで殺人事件があって…」「末期的ねぇ!」…お前に何が書ける!と誰もがツッコむであろう。

東映だけど、浪花千栄子、菅井一郎、進藤英太郎ら、大映映画でもお馴染みの面々。監督も吉村公三郎だし、ヒロイン像も大映っぽいから見やすかった。

しかしまぁ音の聴きとりにくいこと…。致し方なし
buccimane

buccimaneの感想・評価

4.0
ジャケ写京マチ子さんかと思ってたら日高さんだった。
大阪ゲットーの様子が生々しいし記者によるナレーションが最低生活とか言って冷たすぎる。
最初の殺人にラストも収束してくみたいな流れにすればよかったのに。
木村さんの青臭い感じ良いし浪花さんは最高。
音楽が伊福部さんでオープニング曲ゴジラ感ある。
WINSRIVER

WINSRIVERの感想・評価

4.0
予想してたより淡々としてたけど、ラスト10分くらいの怒濤の展開に痺れる。
wkm

wkmの感想・評価

4.0
浮浪者や犯罪者や働かずに賭博に明け暮れる者がたくさん集う街でだらしなく暮らしていくしかない生活。出会った男と酔っ払いながら歩く日高澄子が路地裏で横たわる別れた父親・殿山泰司に「酒でも飲んでパーッとやんなされバーイバーイ」と金を渡し去っていくシーン(泣いた)から増すエグさが日高澄子に包丁を掴ませるだけの強度を一気に獲得させるから凄い。「どうせまた麻雀やろ」ポツリと呟く母・浪花千栄子の背中を捉えた引きのショット。ストリップ劇場の店主が妹に近付く様子を黙って見る日高澄子。雨降る中を来る殿山泰司の足が玄関に入ってくるショットの緊張感。(目が見えない妹の主観にネガフィルムを使うのはどうかとは思ったが)凄い映画。