怪談お岩の亡霊の作品情報・感想・評価

「怪談お岩の亡霊」に投稿された感想・評価

mitakosama

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3.6
新東宝でも伊右衛門を演じた若山富三郎の、東映での四谷怪談。
新東宝版の歌舞伎の色合いを残す品の良い伊右衛門に対し、こちらはザ☆外道!同じ役者の演技の使い分けが実に見事。

全体的には鶴屋南北のオリジナルにかなり近い。
宅悦は盲目じゃないが金貸しと地獄宿もやってる。でも劇中では割と良い人になってる。
ちゃんと小仏小平が出るので、戸板返しもお岩さんと小平太で行われる。

直助権兵衛は近衛十四郎。
ラストにかけての直助と与茂七との絡みはアレンジされてる。お袖さんによる敵討ちに直助と与茂七が助太刀するオリジナル展開。
若山・近衛といえば殺陣の上手いトップ2じゃないですか。贅沢ぅ。

しかし伊右衛門のクサレ外道っぷりが酷い。歴代伊右衛門でもトップクラスじゃないか?
お岩にも小平にも宅悦にも暴力暴言振るう振るう。悪いのぅ。
一方でセリフ無く表情だけで魅せるシーンも多く若山富三郎の凄味を感じる。お袖を舐め回すように見たりとかゲスい感じがよく出てる。

お岩さんはいつも酷い目にあってもたまに優しくされるとホロっときちゃう。典型的なダメンズ好きじゃないか。

かなり血生臭いし、特殊メイクもグロめ。ショッキングな描写も多い異色作。

これで前後の四谷怪談は一通りレビューしたかな。
mmm

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4.0
川に浮かぶ戸板の裏からお岩が飛び出してくるとこで死ぬほどビビった。忍者かよ。

ただ、命令とは言えお岩をレイプした宅悦にお咎めなしなのは如何なものかと。
ヴェーラの加藤泰特集にて。
発狂の描写は、フラー『ショック集団』に匹敵。
水死体の出し方は、ウェルマン『民衆の敵』に匹敵!
超絶大傑作❗
若山富三郎のウルトラバイオレンスが炸裂する怖い怖い怖い映画。この男からは、DV、監禁、ストーカー殺人、幼児虐待などなど、あらゆる激安犯罪の匂いがする。得意なテーマで加藤泰の演出も冴え渡り、特にお岩さんから着物を奪い取る場面と、お岩さんの顔が崩壊する場面の長回しは凄い。後半はまさかの展開で驚くが、観終わって印象に残るのはやっぱり前半から中盤の情念の世界。情念、暴力に任侠のおまけが付いた加藤泰のフルコース。今もワイドショーを賑わす激安犯罪者と、そんな男に依存してしまう女性の、三面記事の背景にある壮絶な負のドラマ。
dailyfroth

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3.5
わりとすっきりまとまっていたように思えた三隅研次版に対して終盤無理矢理チャンバラにもっていった感のある本作だけど鶴屋南北原作に比較的忠実なのはこちらだとか。その原作と大きく異なるのが桜町弘子演じる袖の扱いで、しかしこの改変があくまで映画としては決定的に奏功しているように思う。ひたすら最低な伊右衛門を厭わず演じる若山先生が尊い。
eddiecoyle

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3.8
お岩さんの話って復讐劇なんだとあらためて感じた。そう考えるとお岩無双の後半の無敵感ハンパないわけだが死んでるだけに報われない。それこそ復讐の無意味さを問うた問題作!なわけもなく物体感丸出しのお岩がラストにフェードアウトする様を複雑な思いで見送るしかなかった。
籠

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3.9
加藤泰特集14本目

これが原作に近いとなると各種見直す必要があるが伊右衛門とお袖はこれが鉄板かと。こっそり宅悦と勝手に呼んでいる人が知り合いにいるのだがそこが大きく違う。
悩みながらも素顔を晒した桜町弘子がいなかったら加藤泰の歴史も変わっていたかもしれないモノクロヒロインの誕生。
ウヨリ

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3.0
怪談に化けたバイオレンス映画。陰惨な暴力描写と発狂切り捨てシーンにブチ上がる。
みんな大好き「四谷怪談」の映画化。伊右衛門(若山富三郎)の鬼畜ぶりを徹底して描くことにより、勧善懲悪のムードを増幅させている。

人間と幽霊が力を合わせても勝てないのでは・・・と思わせるほど、伊右衛門の説得力が半端ない。観ている側は、幽霊のほうに肩入れするようになり、何時の間にやら「幽霊がんばれー!」と応援するようになる。

幽霊よりも怖いのは、生きている人間であるということ。