この時代の男も女もその関係性も全く嫌いだとは言い切れないんだよな 男は無口に働き女は家庭を守る それぞれにある当時の粋な矜恃
いつになっても大切なことは、真に互いを尊敬出来て、ふとした時顔や匂いや仕…
結婚して家庭を作ってみると、繰り返す毎日が退屈で、本当に幸せなのかと思う。
対極的なサトコが、極端に描かれてはいるものの、憎たらしくもあり、自由で羨ましくも映る。
冒頭ででてくる「宇宙の大きさ」と…
「漢は背中で語る」のかどうかは知らないが、『めし』の俳優たちは、じつに雄弁に背中で語る。きわめて正確に立ったり座ったり歩いたり止まったり寝転んだり視線をさまよわせたりする役者がカメラに背を向けて話す…
>>続きを読む原節子の圧巻の演技。
一瞬の刹那で全てを把握させ納得させてくれる。演技は『東京物語』と双璧と言っていい。
実家の前で胸の高鳴る顔と少女のような立ち姿。
少し曲がった背中の和装で海岸線を歩く姿。
…
誤解を恐れず言うと成瀬のフィルモグラフィで最も小津的だと思う。しかしそこには復興の進んでいない戦後数年の大阪が生々しく露呈していて、戦争を忘れたように賑わう東京と対比されている。
無数の庶民家屋(…
夫の赴任で大阪の南の外れに飛ばされた夫婦が、平穏だが退屈な日々を送るなか、モダンガールな夫の妹が東京から家出をしてき、快く迎えるも、三人分の米を買うお金がない。しかも夫は夫で、顔を合わせても「おい」…
>>続きを読む記録用
成瀬巳喜男監督作品。
様々なジャンルで映画を撮っていた成瀬巳喜男のその後にスタイルを確立した一本。
1951年と戦争が終わりまだ6年しか経過しておらず高度経済成長前の日本の空気を纏っている…
なぜ「めし」なのか??
林芙美子の同名小説が原作。
絶筆となってしまい未完となっていたが、オリジナルのラストを脚色して映画化したとのこと。
清純で無垢で、どこか愁いを帯びた演技のイメージが強い原…