愛の果てへの旅の作品情報・感想・評価

「愛の果てへの旅」に投稿された感想・評価

Keny

Kenyの感想・評価

3.6
無意味の現在を消費する男が過去を紐解き、未来に手を伸ばそうとしたら、現在は停止した。
時間の硬さを感じる映画だ。しかし、トニ・セルヴィッロと攻めてるカメラワークに気を取られすぎた。ちょっとよくわからないかった。
生きることは不条理なり。
2MO

2MOの感想・評価

3.9
スリリングと言うか甘美と言うべきか、構図と音の設計の妙によってこれほどまでに魅了されてしまうものかと唸る他ない。
緩急自在なカメラと寡言な被写体との中間地帯を視点は動かされ、固定され、能動的なのか受動的なのかももうわからないまま、紡がれるカットの連続性に片時も目を離せない緊張感はやがて恍惚に。
これぞ映画鑑賞の変性意識状態に、憂愁は染み込まれる。
完璧で美しい構図がスタイリッシュに流麗に流れ行く映像素晴らしい!音楽と音響の効果的も見事で、一見何不自由なく自由に見えるが、実は閉じ込められて生きる男の生がミステリアスに展開される。
ホテルでの閉鎖的な生活を送り、自らの世界に引きこもって生きるしかなかった男が、諦めていたような愛と友情により危険な逸脱をし脱出を試みたかのような危いスリル感よりも諦念のドライさで、エモーショナルな感情は湧いてこないけれども、男の胸の内にある積年の儚いせつなさが残る。
ソレンティーノ作品合う合わないが半々なんだけど、これ合わないほうだった…終盤の展開を楽しむためにはちょうたるい前半を睡魔と闘いながら見なければならなくて。必死で全部観たのに最後あれ?ってなって悔しい。静かなサスペンス、スタイリッシュな映像。トニさんまたしても…!
シルエットが美しい映画でした。

『グレートビューティ』
『グランドフィナーレ』で
すっかりファン。

どれも余生を持て余した初老が人生を悟ったような台詞を吐く映画なのに新鮮で面白くて。

スクリーンに映る人間がカメラの動きと相まってとても迫力があるのも監督特有なものな気がします。
Sios

Siosの感想・評価

3.6
幾何学的な構図、無機質な空間、規則的な行動。
その裏にひた隠しにしている秘密が妙に気になる。

ホテルのカフェの隅で、常に無愛想に押し黙っている初老の男。
何を考えているか分からなかったが、なかなかに大胆でした。

全く軽薄ではないし、中毒でもない。
疲れる膠着が崩れる前触れは…完璧な美女。
うまる

うまるの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

これは良かった...!

ホテルの同じ部屋に8年泊まり続ける男の話で、主人公が村上春樹かよってレベルでスカした中年なんだけど、途中からヘロインと謎の組織、銃撃戦まで始まって完全にチャイニーズ・ブッキー状態。

結局組織を騙す策も上手くいかず、バーテンの女も戻ってこないんだけど、親友だけは彼の事を覚えてるって映画。

集められた組織の幹部が、シンポジウムみたいなとこに横一列で並んでて笑える。
動く歩道の長回し、エスカレーター、クレーンの上下移動。絶妙なタイミングでのカメラ移動とエモーショナルな音楽の外し方。細身と禿げ頭、かっこよさと情けなさのリアルな混合。そして車と銃とノーブラのウェイトレス。ソレンティーノ、やっぱり好きでしかない。ボーズオブカナダの音楽の使い方とかすごいよかった。
のん

のんの感想・評価

3.0

イタリア人でジローラモという名前でありながら寡黙なこの中年男。マフィア?
この男の孤独はどこから来てどこへ向かうのか…。不眠症はいつまで続くのか…。


『グランドフィナーレ』で、スタイリッシュな映像にくらくらした経験あっての過去作なので、そちらはあまりピンとこなかったかな。

とはいえ、無機質でありつつザラザラした質感の映像に寡黙な主人公(だけじゃなく登場人物全体的に言葉数は少ない)には不穏な空気を感じさせられるし、何より嫌らしく心をひっかくような音楽の使い方が退屈に傾きがちな展開を刺激する。
……かな。

ん~、静謐さ(退屈さともいうかも)を楽しめるタイプじゃない私は、正直、前半何度も意識失いそうになりました(^^;
後半、退屈から解放される展開は面白かったです。
ラストの主人公の心境に自分の気持ちも重なった気がした。
あーや

あーやの感想・評価

1.0
うーん。期待して観に行ったのですが駄目でした。。
長いエスカレーターを映すだけのオープニング、寡黙を貫くも内心は小心者のらしい主人公、青い目と漆黒の髪がセクシーなウエートレス、切り返しの早い映像、突然爆音でかかる激しい音楽たち・・・
確かに一つ一つが印象的ではありました。ただ自然な演出に泣かされた「ウンベルトD」を鑑賞した後だったからでしょうか。尚更そのわざとらしい演出が鼻について全体的にいやらしかったです。ストーリーももっとシンプルにできるはずなのに、わざとまどろっこしくして奇を衒っているような気がしました。
・・・まぁこういう時もありますね!
ただ1つ私の興味を引いたのは「イタリアの女性ウエートレスはノーブラ勤務」という事です。あのように客からも見えるような場所で無防備に着替えてしまうのでしょうか・・。イタリアでバーへ行く際はカウンター裏まで見えるような席に長時間居座りたいと思います。
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