「昭和21年9月21日夜、僕は死んだ」
真っ赤に染まった14歳の清太の台詞から胸に突き刺さる。
辛すぎる。けれど、数年に一度、覚悟して観る。
この情景を焼き付ける意味はとてつもなく深い。
父も…
「二度と観たくない名作」だとよく形容される作品であるし、私もそれには同意である。しかし、二度見ないと冒頭のドロップ缶からこぼれたモノが何なのかは分からない。
きっと、辛くとも繰り返し観るべきなのだろ…
戦争の悲劇より、共同体の功罪を描いているのではないか?
清太は世話を焼く叔母さんの理不尽さが嫌で、家を出てしまう。それは共同体を否定することだ。
母の貯金があっても共同体に所属しないと、食料を分け与…
© 野坂昭如/新潮社, 1988