闇を裂く一発の作品情報・感想・評価

「闇を裂く一発」に投稿された感想・評価

ghostboat

ghostboatの感想・評価

4.5
銃声音だけが鳴り響くオープニングの異様さに一気に引き込まれた。登場人物たち全員のワイシャツが汗で滲んでいるのもよい。中盤の工事現場(昼という設定がまた憎い!)もよい。いいシーンだらけでしたが、いちばん感動したのはエンディング。同じ方向を向いてすれ違うあのラストですよ。あれは凄すぎ。対面でのすれ違いを尽く裏切ってくる かましの切り返し。最高すぎる。映画評論家としても活躍してるとあるラッパーさんが力説してた大林『この空の花』の某シーンでの技法は既にこの映画で実践されてたわけですよ。
ワンショットにおさまる、汗でテカテカの顔面を寄せ合う刑事たち。冒頭、蝉の鳴き声の中、射撃練習の3人の立ち姿がめちゃくちゃかっこいい。真夜中の刑事ばり。

オリンピックを目指す射撃のエリートである若者と熟練刑事が組んで、ライフル1丁を抱えて逃げる佐藤允を追う。全く当たらない刑事の勘。いつもと同じように犯人を取り抑えようとして野垂れ死ぬ刑事。淡々と仕事している感が最高。

後半のスタジアムで野球の試合と観客席での刑事たちの動き、スコアボードの裏の佐藤允と並行して動く感じがたまらない。スコアボードは遠くから見ると相当小さいが、スコアボード内で置かれたボードの大きさの違いが面白い。人1人以上ある。あの大きさの違いがイコール距離感になってる。暗闇の中で、シネスコの端と端で明るく光る銃光。
imapon

imaponの感想・評価

3.8
射撃に近代五種、メキシコ五輪目指す警視庁体育会系若手対殺人課熟練刑事の構図はそのまま熟練俳優対新星ホープ俳優。
山さんの原形・露口茂と芸が完成している加藤泰に第二子の誕生を待つ刑事を地味ながらいい味で演じる高原駿雄。
対してあまりに若い峰岸徹、平泉成、青山良彦。(青山さんは良く知らない)

そして東京スタジアムの東京オリオンズ対阪急ブレーブスがお宝!
刑事モノとしての魅力もあるんだけどどうしても野球の方が気になっちゃって.....
浜田ゆう子のメガネに、そんな性癖は持ち合わせていないつもりだったのにちょっと萌えた。
なやら

なやらの感想・評価

4.0
面白い!
警察で訓練しながらメキシコ五輪を目指す若手射撃選手が、ライフルを持ってる子ども誘拐犯確保のために捜査一課に駆り出されると言うお話。蒸し暑い夏、現場の刑事と協働する72時間の捜査が描かれる。

まず、若造×叩き上げ刑事のバディものとしてちゃんと充実していて良い。あと足を使いまくる捜査ということで、東京の風景がこれでもかと見れるのがさいこう。開発中の豊洲でのチェイスとか見られる!カラー+シネスコで堪能〜
ラストは南千住の東京スタジアム(初めて映像見たかも)。永田雅一球団のホーム!『野良犬』でも巨人が出てきたはずだが、菊島氏は野球好きか?

犯人の人物像は吉展ちゃん事件を踏まえてるっぽい。ライク『天国と地獄』。こちらは若造と刑事の絆ストーリーに力点を置いてる分、犯人の掘り下げは必要最小限だけど。しかしまあ脚本うまいな〜
現場の刑事と五輪候補生を単純な二項対立にしてないのがよい。若いスタッフに先に逃げられる哀切も相まってスコアボードの妖精・今福将雄の造形が素晴らしい。マザコン凶悪犯・佐藤允の啖呵「女なんか、嘘つきで、欲深くて、…スケベだ!」

併映「地下街の弾痕」モブ、鑑識、無線などサイレントのような趣がよい。二本柳寛の感動的なのかよく分からないけどなんか〆た一言。
佐々木

佐々木の感想・評価

4.0
脚本に唸った。露口茂が素晴らしくて忘れ難い。人物を創るというお手本の様な作品。ナイターの野球場をサスペンスにした演出も素晴らしい。2018/2/17シネマヴェーラ。
建設中の集合住宅での撮影場面をすっかり忘れていたので、みにいってよかったと思った。正直、露口茂も佐藤允もちょっと苦手なんだけれど、全員がっつり脂汗をかいていて役者さんみんな素晴らしい。ベテランの露口茂が勘を誤る、件の武勇伝が今回は自らの悲劇を招いてしまうという、こちらも興奮で咳がでるような脚本。菊島隆三はやっぱりいいなあと思う。
csm

csmの感想・評価

4.5
建設中の集合住宅、球場、音の使い方も痺れるカッコよさ。なんである…アイデアルのスコアボード裏には東京スタジアムのロゴ入り開襟シャツを着こなす今福将雄。頭痛薬ボリボリもいいけど、興奮すると咳が出るのもいい。
これは面白かった。
外見からキャラが立ってる刑事たち、山さんの前の露口茂の魅力(しかしカンを外す)からの意外な展開をする物語、出番が少ないのに強烈な印象を残す佐藤允、ラストのカッコいい対決!

「シネマヴェーラ的大映男優祭」
@シネマヴェーラ渋谷
(併映『地下街の弾痕』)