シシリアンの作品情報・感想・評価

「シシリアン」に投稿された感想・評価

風神

風神の感想・評価

3.0
実話系マフィア誕生のお話し。

シチリアっていまだのマフィアの島って印象があります。

ゴッドファーザーとは話のベクトルが違う作品。
渋い大人の映画です!
Mouki

Moukiの感想・評価

3.5
記録

映画館で上映していましたが、当時はまだゴッドファーザーには勝てないでしょうと、ほったらかしにしたままでしたが、やっとこの歳になって鑑賞。
面白かったです。
今だから逆によかったのかも、渋い俳優陣がたまらなかった。
xyuchanx

xyuchanxの感想・評価

3.2
過去ログ。
ゴッドファーザーの原作者とマイケル・チミノ監督による実在した義賊の伝記。
シチリアの景色とクリストファー・ランバートの渋さが相まってやたら絵面がかっちょよかったのを覚えてる。
群衆のシーンには問答無用で興奮してしまう。脱衣しながら歩く夫人を追うカメラ、カーテンに包まれるランバート、無駄にかっこいい神父の書斎。。チミノに広大な土地を与えたら最強な画がビシバシと生まれる。
犬

犬の感想・評価

3.2
くちづけ

1940年代のシチリア
青年ジュリアーノは親友アスパヌと組み、貧困で苦しむ農民のために盗みをはたらき金品を与えていた
マフィアの大物ドンからも一目置かれていたジュリアーノだったが、政治的な駆け引きに巻き込まれ、やがて農民を敵に回すことに……

イタリアンマフィアの話

男というもの
内容はまあまあでした

女性問題

景色が良かったです
長すぎるんだが、スクリーンで再見したい映画。
画面が決まりまくっている。
たぼ

たぼの感想・評価

3.5
ゴッドファーザーの原作を執筆したマリオ・プーゾとディア・ハンターのマイケル・チミノ監督というなかなか珍しい組み合わせ。

実在したシチリアの義賊、“サルヴァトーレ・ジュリアーノ”の伝記映画である。
ただし、ジュリアーノの死については様々な推測があり、本作は『あくまでひとつの推察』であると思って観たほうがいいだろう。

あまりにも『眩しすぎる自由な存在』であったが故に権力者たちからの羨望を買い、早い最期を迎えてしまったジュリアーノ。


余談だが、原作のほうはゴッドファーザーとリンクしておりクロスオーバーする場面もあるとのことであるが、本作はあくまでジュリアーノの生涯に徹底したストーリー構成になっている。
netfilms

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3.8
 1947年、シシリア島。農民に土地を分け与えるため立ち上がった若者ジュリアーノ(ランバート)は山賊等と手を組んで、搾取階級から金品を奪い続けた。マフィアのドン(アックランド)の支援を受けつつも、共産党寄りのその行動のせいで次第に追い詰められていく。早朝のパレルモの街をある男が運転した車がゆっくりと走っている。壁面の両側にはジュリアーノの遺影がびっしりと飾られ、車内に涙を拭う一人の男はやがてある施設へと入っていく。記憶にあるオリジナルはもっと直情的であったが、こちらの方がチミノの描きたかった静かな悲劇がダイレクトに伝わり、地味ながらぐっと来る。オール・シチリア・ロケで撮影された贅沢な作品を無駄にしないアレックス・トムソンの流麗なカメラワークも全編を通して素晴らしい。人物の表情にほとんど寄らず、ロング・ショットを多用したチミノの判断も吉と出ている。室内では常に奥行き感を大事にした構図の素晴らしさは、空間から空間へ何度も移動することで真に強調される。1枚ずつ服を脱ぎながら、最後にバスタブに浸かる女性とお手伝いの再三再四に渡る切り返しの描写はもちろんのこと、屋敷の庭の門から逃げる場面や後半出て来る石畳の狭い街並の撮り方など、徹底して奥行き感を大事にしたカメラワークが素晴らしい。

 その中でも特に良かったのは列車の強奪の場面である。トンネルの中で不意打ちに合い、停車した列車の中と外で銃撃戦が繰り広げられるのだが、ここでも奥行きを大事にしたショットの選択にチミノの本気さが伺える。また屋外シーンは山賊だけにほとんど山の上で撮られているのだが、あえて急勾配で傾斜のきつい場所にカメラを置く志の高さを見せている。今作は実在するサルヴァトーレ・ジュリアーノという人物の伝記なのだが、彼の半生をあまりにも端折り過ぎたために、映画全体がやや散漫になってしまった。特に後半部分が駆け足になってしまったのは否めない。ジュリアーノは貧しい住民たちのために土地を与えたが、裏切り者を殺してまで、本気でその土地を欲していなかったという部分を強調する。あえてそこには注力せずに、ドン・マジーノの策士としての人心掌握術に比重を置いた方が主人公と街の権力者ドンの対立の構図としてはシンプルで力強くなった気もするが、チミノの中ではこのサルヴァトーレ・ジュリアーノをどうしても悲劇の英雄で終わらせたかったのだろう。チミノがイタリア人のしがない山賊に惚れ込んだのは彼が自分の思いを押し付けようとすればするほど、民衆にはそっぽを向かれ、やがて親友に殺される悲劇のスターだったからに違いない。
mtmt

mtmtの感想・評価

3.5
「ゴッドファーザー」のマリオ・プーゾ原作。その外伝的位置付けとの事だが、コルリオーネ・ファミリーは全く出てこない。こちらはマイケル・チミノ監督による、実在のシシリア山賊サルヴァトーレ・ジュリアーノの伝記映画。ストーリーは抑揚に欠けた平坦な印象。キャスト、音楽、演出も特筆するものは無いかなぁ。
yoshi

yoshiの感想・評価

3.9
「変わらないといい続けたら、何も変わらない。」 そのメッセージは誰の為のものか?
いつの時代も富を持つ権力者の力は絶大。貧しい人々の為に改革を目指した実在の人物、27歳で夭折した義賊ジュリアーノ・サルバトーレの物語。
(彼の葬儀から始まる物語なのでネタバレ注意表示はしません。)

名作『ゴッドファーザー』の原作者マリオ・プーゾ脚本。監督は『ディア・ハンター』のマイケル・チミノ。
題材も物語もとても素晴らしいものです。
しかし、チミノ監督が描きたい世界を描くには、上映時間が足りなかった…。

1940年代、イタリアのシチリア。
特権階級だけが土地を所有し、小作農民たちは飢えに苦しんでいた。
しかし、ジュリアーノという若者が、金持ちの財産を盗み、盗んだ食料や金を貧しい農民に与え始める。
次第に庶民の間で絶大な人気で支持されるようになるジュリアーノ。
特権階級を守る立場にあるマフィアのドン・マジーノまでが、彼に惚れ込んでいた。
ジュリアーノの元に多くの若者が集まり、組織が大きくなるにしたがって、権力者に抵抗し、貧しい者を救おうとするジュリアーノの理想とはかけ離れた組織になっていく…というあらすじ。

実話ならではの深みがあります。

貧しい者の為に盗賊になった実在の人物を主人公にしているので、世の中の腐敗を正そうと立ち上がった革命家の生き様が描かれています。
また政治家、マフィア、教会が癒着して利益を吸い上げる権力者たちの構造が静かに淡々と描かれています。

完璧主義者で有名なマイケル・チミノ監督は時代背景を忠実に描き、舞台となるシチリアの景色を撮影した映像は、どの場面を切り取っても1枚の絵画になるのではないかと思うほど美しい。

自分の土地も持てず、奴隷のように働かされていた農民の為に立ち上がったジュリアーノの姿には共感できる方も多いと思いますし、現代社会にも通じる権力者の腐敗構造は、リアリティがあり、他人事とは思えません。
カリスマ的英雄の物語を、マイケル・チミノ監督の迫力のある完璧な映像で観ることが出来る!と言いたい所ですが…

残念ながら、素直に「面白い!」とは言えません…。

ご覧になった方ならお分かりかと思いますが、この映画には男の生き様を描く名場面も多くあります。

追われる身のジュリアーノが光が差すカーテンから現れ、ドン・マジーノとの初対面を果たす場面は、互いの信頼と共感を、無言で表した最も美しいシーンでした。

しかしこの場面は史実だろうが、必要なのかと疑問に思う場面がたくさんあります。
公爵夫人との情事や婚約者とのダンスシーンなどが良い例です。

チミノ監督が史実を完璧に追うあまり、主人公ジュリアーノの革命家としての思想や人間的な苦悩が描かれていないのです❗️

唯一ジュリアーノが説明した思想はシチリアの輪。
「一つは公爵のような金持ちの輪、一つはその金持ちを守って金をもらうマフィア、そして聖職者。だが俺は4つ目の輪になる」と。

その4つ目の輪は貧しい農民だったのでしょうが、どのような構想を持っていたのか、それが彼の口からは語られませんでした。
単なる若気の至り?勢いだけのアバウトな理想だったのでしょうか?

ジュリアーノは政府やマフィアだけでなく教会とも取引をしましたが、体制側にとって一番怖いのは共産党の躍進でした。

全てを公平に分け与える共産主義はジュリアーノにとって理想的な思想だったはずです。
彼の婚約者の兄がリーダーであったことから、その思想に傾倒したはず。

共産主義の体制になってしまうと困るのは政府や特権階級、そして教会などの甘い汁を吸ってきた権力者。

ドン・マジーノはジュリアーノを息子(後継者)にしたいと策を図る。
それは婚約者とアメリカに逃亡させる代わりに、共産党の集会を威嚇し、解散させること。

ドンのスパイがそれを血の惨劇に変えたことで、ジュリアーノの立場は英雄から犯罪者に転落…。アメリカに逃亡せざるを得なくなり、ドンに取り込まれるはずだった。

しかし、ジュリアーノは共産党に加担し、公爵の土地を武力解放させ、教会の枢機卿を脅し、法を変えさせようとする。
彼はあくまでも貧しい者の為に行動する。
ついにはドンの暗殺を企てるが失敗。

理想を捨てず、権力全てに敵対したジュリアーノ。
権力者たちはジュリアーノの暗殺を計画。
実行者として、いとこで側近のアスパヌが選ばれる。

保身の為に、アスパヌはアメリカ逃亡の船上で、尊敬するジュリアーノを射殺する。
(アスパヌの苦悩と末路が悲しい。)

敵対する立場でありながらドン・マジーノはジュリアーノが、自分の息子(後継者)になることを切望していました。
(冒頭、ドン自身が息子は昆虫学者であると告白しています。それがドンの息子の反抗でしょうが。)

ジュリアーノが死んでしまった時、(結果として殺してしまったわけだが)のドン・マジーノの落胆はとても激しい。

あれほど、かつての自分の理想の姿に近く、若き自分を超えるジュリアーノの行動力に、羨望と尊敬の眼差しで見つめ、ワクワクしていたドン・マジーノ。

ドンが最後に言うセリフ。「次は何が?」
がとても悲しく響きます。
「次はどんなことで私を楽しませ、喜ばせてくれるのか?」ジュリアーノに対するセリフだと思います。

その存在を愛していたが、自分の手で殺さねばならない。

男たちの愛が、死に急激に向かい、収束します。悲劇的な顛末にぞくぞくと背筋が騒ぎます。

主人公を演じるクリストファー・ランバートは、決して悪くありません。

彼の野性味あふれる鋭く、そして深みのある眼光は、公爵夫人が一目惚れするほど魅力的です。
彼の鋭い視線は、この作品では意思の強さと苦悩を漂わせています。
そして、時折見せる屈託のない笑顔が若さを表現しています。
普段の表情が革命家としての厳しさとすれば、彼の笑顔は、まるで忠犬のような親近感溢れる引力と若さを放ちます。

ドン・マジーノを演じる、ジョン・アックランドは、冷静沈着さを極力表情を変えないことで表現します。
誰とでも対等に接して理解を示すが、常に人の先を読み、低い声で先手を打つ様はドンと呼ばれるのにふさわしい。
私はこの作品が彼の一番の代表作だと思います。

公爵を演じるテレンス・スタンプはこの作品ではかなりの異形ぶりを発揮し、存在を印象づけました。
本と音楽に溢れた文化的な書斎で見る優雅な所作。誘拐されるにもかかわらず、道中の馬上でただ一人掲げる黒い日傘。
貴族を艶っぽく表現し、貧しい農民の土臭さとの格差を画面に映し出すことに成功しています。

アスパヌ役のジョン・タトゥーロはまだ当時売れておらず、ネズミのような風貌と成金趣味の服装で器の小ささを、主人公に常に信頼されながら、殺さねばならない苦悩を視覚的に分かりやすく表現しました。
キリストを裏切るユダにさえ見えます。

監督、脚本、キャスト、音楽、いずれも文句は無いのです。
先に述べた通り、チミノ監督が史実と主人公の行動ばかりを完璧に追おうとするあまり、主人公ジュリアーノの革命家としての思想や心情が語られることが少ない為です❗️

撮影と美術が良いため、画面が暗く感じてしまい、そして史実を追うあまり、展開が早いと感じます。

物語に置いていかれる感じがするのです。
ボーっと美しい映像に見とれていると「これは、どうしてこうなった?」と疑問に思うのです。

これは他のチミノ監督作品でも同じような感覚が味わえます。
出来事ばかりを淡々と追い、主人公の本音がなかなか伺えない。
その心情や苦悩は俳優の演技から読み取ってくれと言わんばかりです。

私たち観客は俳優の演技から、「こう思ってるのではないか?」と想像力で補完しなければならない。
それは文学小説の行間を読む作業に似ています。

映画の後半は、主人公はドンの策略に抵抗するように、ある意味、反抗期の若者のように権力に抵抗します。
確固たる信念に基づいているか、言葉で語られておらず、わからないため、やはり中々感情移入しにくい。

そうです…。お判りでしょうか?
チミノ監督がジュリアーノの人物像と人生を満足に描くには、とても上映時間が足りないのです。

個人的にはジュリアーノとドンの関係、遠く離れていても通じ合える師弟関係のようなものを中心に描いて欲しかった。

140分のディレクターズ・カット版がレンタル出来るそうですが、たかだか20分ほどの追加シーンでは期待できないでしょう。

おそらくこの物語をチミノ監督が十分満足できる結果にするためには、「天国の門」のように3時間以上を必要とすると思います。


「変わらないといい続けたら、何も変わらない。」 ジュリアーノのメッセージは、そのままチミノ監督からハリウッドへのメッセージではないでしょうか?

金儲けだけではない、映像作家が求める本当の映画撮らせろ!という…。

いかがですか?
この映画と良さと欠点が伝わったでしょうか?
多分読んでいただいた方にも充分に伝わっていないと思います。

なぜなら私はそんな行間をだらけのマイケル・チミノ監督作品の大ファンだからです…。
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