時間とは容赦ないものの巻
ミツバチのささやきに次ぐビクトルエリセ長編二作目です
前作同様やはり当時のスペイン情勢を知っていた方が理解し易いのですが、この作品は主人公エストレリャの回想録のような作り…
こういうのを映画というんだなと改めて思う。
国境と呼んでいた道を自転車で駆け抜け、戻ってきた時に時を経たのを感じさせる…どれだけ時が経過したかなんて年号の表記を使わずにちゃんと見せる。寒そうな並木道…
『迷信家』とは立派な職業なパパ。
イタリアの寅さんではないけど、
子どもの成長に比べて、大人はあまり成長出来ないんだなという物悲しさもあり。
同時に子どもの時に理由も無く信じていたものも、自身の…
じわじわと来る良さ。
お互いをわかり合えない感じがとても切ない。
光のあたり方が素敵で物語に漂う寂しさをより引き立てていると思う。
あの続きが見たい気持ちもあるが、ここで終わってしまったほうが良いよ…
どの瞬間を切り取っても絵になる、強い陰影、浮かび上がる表情、左右対称に延びる引きの画角、一番星みたいな指輪
感情の多くが語られなくとも、登場人物それぞれの人柄や関係性の変遷がきちんと細部に表れていた…
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