帰って来た木枯し紋次郎の作品情報・感想・評価

「帰って来た木枯し紋次郎」に投稿された感想・評価

最初のシーズンに近い爽快感があった
続紋次郎は暗いだけだったんで嫌な感じだったが
これは独特のユーモアも健在だった
最近落ち込むこともあったけど、天涯孤独も清々しいと吹っ切れるね
無学

無学の感想・評価

3.0
※再レビュー

往年のテレビ時代劇のなかで
もっとも好きな作品。
はぐれ異三郎といい、股旅モノは面白い。

「こいつぁ、癖ってヤツで」
「もう会うこともござんせんが、随分とお達者で」
「あっしには関わりあいのねぇこって」

紋次郎の究極のニヒリズムと、
たまさか袖擦り合った相手達をからめとるカルマの対比。

相容れぬはずのその温度差は、結果として紋次郎の意志と裏腹の展開として進むというフォーマットだが、
渡世人が併せ持つ、義侠心と非道の二律背反は、
捕物帖などの単純構造のテンプレとは違ってシビれるわけでごさんす。

オープニングで上條恒彦が唄うは、
無宿者にも安らぎは与えられるべきという慈悲。

ラストは旅烏の紋次郎がせなで奏でるエレジー。
この温度差もまた、毎回余韻を生むわけでござんす。

市川崑は、日本映画界の至宝であることは論を埃たない。
しかしだキョーダイ。

テレビ版のニューウェーヴ的な匂いが
この大家にかかるとすっかりと消えっちまうんだな。

中村敦夫の老いもそうさせるのは仕方ないにしろ、死んだ筈だよお富さん。もとい、紋次郎さん。
まさか生き永らえて、木こりになっていようとは…!

上條恒彦の主題歌よろしく、誰かが風のなかで見つけてくれたそこが安住の地。

結局、渡世の道に戻るとはいえ、
車寅次郎が放蕩無頼をやめて月給取りになっている姿を見たいと思うファンがどこぞにおるのかってくらいのモンよ。

あ、寅さん新作どうしようかなぁ。。

ってそうじゃなくて、テレビ版との毛色の違いが口に合わず、ダークヒーローが正義の味方になっちまったら面白さ半減ってことで、

ごめんなすって。
たた

たたの感想・評価

4.2
満足な食べ物もおぼつかない時代に、1日に70km歩くことも珍しくなかったという当時の渡世人、刃傷沙汰は日常的、まして無宿の流れ者となればいつ野垂れ死んでもおかしくない。
記録や統計に残ってなくても、彼らが短命であったことは想像に難くないわけです。

紋次郎本人もたびたび口にしている「渡世人にゃ明日という日はござんせん。今日がいつもおしめえの日だと思っておりやす」という台詞の通り。

そんな渡世人紋次郎が、運が良いのか悪いのか40や50まで生き永らえていたとしたら、どんな人生観のもとにどんな生き方をしてるんだろう?…というところから企画が立ち上がったと、誰かが言ってた記憶がありますが。

単に笹沢先生か市川監督が中村敦夫の紋次郎を最後にもう一度撮りたかっただけなんじゃないかとも思います。

なんと木こりとして真面目に働いてた紋次郎ですが、なんやかんやあってやっぱり渡世人の世界に「帰って来た」。
あっしには関わりのねえこってが信条ではありますが、義理堅く、恩義に厚く、情が捨てきれない紋次郎は、やっぱりいろんなことに巻き込まれちゃうんですね。

親分殺しの濡れ衣を着せられた紋次郎「あっしは世話んなったお人を斬ったりはしやせん」

真犯人の五郎蔵一味に取り囲まれた紋次郎「おっと、五郎蔵親分…大事なおふくろさんの喪も明けねえ内に、血の雨降らす気ぃですかい…」

中村敦夫紋次郎の発する台詞がいちいちかっこいいなあ。岸部一徳さんの、母親思いの冷血漢っていうあやしい五郎蔵親分もじわじわ染みる魅力。

結局、テレビシリーズの通りに、実は堅気として生きてく道もあるのかも…というほっそい選択肢が見えているのかいないのか、紋次郎は無宿渡世の道を行くのです。

おなじみのナレーションがちゃんと流れて大満足でした!(芥川さんじゃないのは残念ですが…)

「天涯孤独な紋次郎が何故、無宿渡世の世界に入ったかは、定かでない」
これのちょっと前に、懐かしのテレビ番組スペシャルみたいなのをやってて、ゲスト出演していた中村敦夫が
「昔みたいなチャンバラは、もう出来ませんからね~」
なんて言ってたんだけど…。
―――やってくれました!我々の前に帰って来てくれたのです!☆

その前に岩城滉一が演ってた紋次郎も良かったけど、やはり中村敦夫の紋次郎を再び見る事が出来て感激でした。♪