座頭市血笑旅の作品情報・感想・評価

「座頭市血笑旅」に投稿された感想・評価

R

Rの感想・評価

3.8
座頭集団の使い方の巧妙さに感嘆。

奥さんと子供はどうされたのですか
と尋ねられたら答える術のない市が彼らを無視する時の表情に、この物語の非情さが収斂されている。
赤ん坊との旅が、なんとも微笑ましかった。最後の戦いで、火で攻められて、座頭市の着物のも燃え移り、ハラハラさせられた。
街道に転がる牛糞を避ける座頭市の歩みのアップでスタートするが、今回座頭市は人様の子供のおしめを替えなければならなくなる。
自分の身代わりになって殺された女が胸に抱きかかえていた赤ん坊。責任を感じた市は、その子を父親の元へ送り届けることにするというストーリーだ。シリーズ第8作目にして座頭市があまりにも強いことに困った作り手は、彼に赤ん坊を守りながら戦わなければならないという物語上のハンディを与えることで、アクションの切迫感を維持することにしたようだ。実は『子連れ狼』の原作より5年以上も前の映画である。
道中一緒になる女スリとともに赤ん坊を父親に届けようとするのだが、泣かれるのが嫌だから義務的にあやす男と、面倒をみるうちに母性に目覚めていく女といった具合に、男女で子供への情の持ち方が違うことがよく描けていたと思う。どちらもずっと赤ん坊の面倒をみていて気が寄らないわけはなく、市と女との疑似夫婦的なやり取りがどんどん情緒的になっていくが、勝新の居合いをみせるアクションは一級品。セットをフルに活用したワンカット長回しの殺陣など激しい暴力に満ちた挑戦的な一作となっていた。
ラストでは弱点の松明で追い詰められるが、めくらを補ってあまりあるほどにフィジカルが強いのでなんとかなる。
シリーズ八作目。ベタではあるが冒頭の流れが非常に見事で一気に引き込まれる。不幸な事故から赤子を引き連れて旅へ出ることになる市。めくらでヤクザで流れ者の彼が赤子の世話を通して世間一般の幸せを体験する。その描写の端々から幸福が滲み出ていて、観ているこっちもなんだか嬉しくなってしまう。おしめで時間の経過をさらっと示してしまうのもハイセンス。が、もちろん後味の良い顛末を迎えるはずもなく…。とても面白かった。
赤ん坊の子守をしながら戦わなきゃいけなくなった市
寺のシーンが悲しい、金子信雄さすが

アイスブレイクのジェイソンステイサム思い出した
seishirow

seishirowの感想・評価

4.3
始まって早々にゴロツキ共がメクラの集団に向かって「そこに一列に並べっ!」というので凄いと思った。

市は行く先でのとある悲劇によって、やむなく赤ちゃんと旅する事になる。世話しているうちにすっかり情の移った赤ちゃんへの、市のデレデレっぷりが見所。一方、自分が洗ったオシメをすっかり小姑になった市に洗い直されたりして機嫌を損ねるヒロイン(高千穂ひづるさんという現代的な顔付きの女優)はとても可愛い。
この二人の赤ちゃんに対する想いが泣かせます。
おしめを替えながらこの強さ。
市っつぁんに死角無し。
くずみ

くずみの感想・評価

4.0
シリーズ充実を感じさせる一作。
スムーズな導入部を経て、ヤクザな稼業と無垢な子供が対比される。素直じゃない高千穂ひづる、期待通りの動きを見せる金子信雄など、ベタな展開が心地よい。子守を見つめる市を様々な方向からとらえたショットがいい。座頭集団のおかしみと切なさ。
子供萌えの市が微笑ましい。
赤子連れのハンデからかライバル剣客がいないが(モブで伊達三郎使うくらいならライバルに回せばよかったのに)、
ラストの松明で囲まれた立ち回りの粘ついた光が美しい。
牧浦地志はもっと評価されるべき。
シズヲ

シズヲの感想・評価

4.4
座頭市&赤ん坊という題材はちょっとあざといが、描写や演出のおかげで魅力に溢れていた。次第に赤ん坊への情に目覚めていくいっつぁんの哀愁が良い味を出している。アクションも強烈かつ秀逸。相変わらずの神業じみた抜刀は勿論、見せ方も工夫を凝らしているのがグッド。赤ん坊のおしめを替えながらの居合いは特に強烈。三隅監督の座頭市はいっつぁんの渋さと抜刀の演出が毎度絶妙で、安定して面白い。
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