封建制度下の江戸時代を舞台に、運命に翻弄され悲劇的流転の人生を歩んだ女性の一生を描く。
宮仕えからの洛外追放に始まり、松平家への嫁入りと放逐、遊郭の太夫、呉服屋の女中、扇屋への嫁入り、寺の尼、物乞…
街娼となった女が過去に想いを馳せるという構成から、少なくとも死ぬようなことがないことは保障されているけれども、それにしても凄惨に過ぎる。自らの本意を果たすためならまだしも、ただ流され、嬲られていく女…
>>続きを読む江戸時代の封健社会に生きる街娼のお春の半生を描いた溝口健二監督の名作。老いたお春がふらふらと寺に入り込んで自分のこれまでの人生を振り返る時に流れる雅楽っぽい音楽とカメラワーク、そこから作品の本筋に突…
>>続きを読む畳み掛けるしんどさが雨のようだった。
でもそんな畳み掛けるしんどさの中でも、お春は生きている。
このしんどさの中でお春が生きていることが、何より重要なのではないだろうかと思った。
しんどい中でも…
若輩者ゆえ、この時代の感覚をまだ掴めずにいるが、映画の質の高さに驚かされる。
ロングショットの長回しが特に好きだった。
お春(田中絹代)がどこへ行こうとも、決して逃してはくれず、カメラによってさら…
2025年234本目
男たちがお春にいろんなこと言ってたけど、元はと言えば男の身勝手のせいであってお春の責任ではない。父親と松平家の重鎮に殺意が湧いた。
老尼はあそこで拒絶するのではなく、正しい道…
このレビューはネタバレを含みます
噂の長回しはもちろん、やはり着物やら屏風やら簪やら鏡やら、所作、言葉遣いにも純粋にうっとりさせられてしまう。
また、ラスト近く、息子の側へ行く場面の音楽の臨場感。そして、長廊下の場面の期待と絶望。
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